2009年07月26日

抽象的な救済対象を持ち出して具体的な救貧活動を貶める行為について

 新生活も漸く落ち着いて、久々に自分のブログを見てみたら、soxという方から左派認定されていました。日の丸にも君が代にも皇室にも不満はなく、改憲派で、生家は産経新聞を購読していて、基礎ゼミの頃はゼミ友から極右認定を受けたこともありましたが、今では左派だそうです。リベラルを自認したことはありませんし、保守リベさえも自称したことがないので、左翼であるという実感は今もありませんが、ただ、彼or彼女のコメントを読んだ感想としては、彼or彼女の認識が「右派」であるならば、私は「左派」で結構だと思いました。別記事のコメント欄には「久しぶりに覗いて見ました(笑)」とあり、どういう理由であれチェックされている方のようですから、ブログ放置期間中に頂いたコメントへの感想を書きます。

 派遣村に関する話題は、もはや時機を失したものですが、先日、弁護士会が貧困ビジネスの実態調査に着手したというニュースがあり、国の失業対策に関するニュースもありましたので、いま改めて思うところを記録しておこうと思います。

2009年7月24日 朝日:ホームレス狙い割高弁当…貧困ビジネス調査 弁護士会
2009年7月25日 朝日:低所得者の生活福祉資金、保証人なしで 国が要件緩和へ

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2009年04月19日

何故、ウェブ上には保守人権派が現れないのだろう?

1.きこり氏が相変わらず争点を把握していない件について

 前エントリーのソーシャルブックマークに、以下のコメントを頂いたので、一応、返事をしておきます。

はてなブックマーク - sokの日記 カルデロン一家追い出せデモが利用したもの
kikori2660 そう言えば昔、拉致被害者を引き合いに出して、中国残留孤児が国を訴えたのを擁護してたヤツがいたっけな。

 これは、おそらく私へのあてつけのつもりで言っているのでしょうが、残念なことに、kikori2660という人物が、ろくに中国残留孤児兵庫訴訟の論点を把握していないということ(さらにいえば、まともに兵庫訴訟の判決要旨すら目を通さずに判決批判をしていたということ)を露呈する結果となっています。

 先ず、基本的なことを確認しておきますが、中国残留孤児と帰国した北朝鮮拉致被害者、両者への政府対応の「落差」を指摘しているのは、神戸地裁判決です。私は、その地裁判決を読んでみて、当時、愛国者・憂国者を自称・自認する人達が喧伝していたような「売国」判決ではないという理解に至り、この地裁判決の内容を支持するエントリーを書きました。

 この点で、何もないところから突然「拉致被害者を引き合いに出して」カルデロン一家問題と関連付けようとした追い出せデモ関係者と同列に論じられるのは、ただの印象操作なので止めて下さい。中国残留孤児と帰国した北朝鮮拉致被害者を巡る支援の「格差」は、兵庫訴訟における争点の一つでしたから、判決に同意する人であれ、しない人であれ、そういう争点があるということは前提として押さえている知識だと思っていましたが、kikori2660氏においては違ったようです。


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2009年04月18日

カルデロン一家追い出せデモが利用したもの

 下記はYouTubeに公開されている追い出せデモ動画の投稿者による紹介文。太字は当ブログによるもの。

YouTube:カルデロン一家追い出せデモ_蕨市わらびし
chako3491
2009年04月11日
(概要)

埼玉県蕨市わらびしは拉致被害者の飯塚繁雄氏がお住まいになっているところである。拉致情報提供者及び拉致協力者拉致実行者が多数住んでいると思われる場所である。ここの第一中学校にカルデロン一家の娘は通学している。フィリピン外務省は「帰って来なさい。」と呼びかけているにもかかわらず素直に応じていない。川口蕨周辺は外国人居留者の多い場所である。訪れてみて驚いた。私は千葉県柏市在住であるがその一中の環境、つくり、たたずまい等柏市のどんな中学校よりすばらしいのである。住宅地も同じである。税金が豊富に費やされている。財政が豊富である。住民は豊か。こんな感想を持った。外国人が大勢集まるはずである。それに住民もデモ行進の途中であるが80がらみのばーさま が「仲良くしないとね?」と2、3人の若い女性の住民にさとしていた。教祖さまのお言葉を直近で聞きました!まさに衣食住足りて何の不満もない様子である。蕨市議会はカルデロン一家を助ける議案に全会一致で賛成した。赤い議会。そして過去に赤い拉致。デモ行進は何度となく、そう、6回ほど赤い刺客に妨害された。うち4名拘束2名逮捕。外国人は中国人は日本人と結婚すれば3年間で日本人。普通の中国人は5年間日本にいると永住権が得られる。こんなあほんだら国は世界にない!家族親戚呼び寄せですぐ10人が永住権。日本人になるには10年間ぐらい。今、中国語しか話せない日本人が一万人単位で増えている。なに不自由のないお坊ちゃま日本人は、このままいくと、、ある日突然父親の会社が倒産して路上生活の乞食になるやもしれん。。あるいは強盗団が父親を殺して路上にほおり出されるやもしれん。。と白日夢を見た。。2009-4-11蕨市にて「主権回復を目指す会」「せと弘幸Blog『日本よ何処へ』」「外国人参政権に反対する会 ・東京」「在日特権を許さない市民の会」「日本の自存自衛を取り戻す会」他撮影編集: 田代照夫

 一読した感想は、カルデロン一家と拉致被害者家族の飯塚繁雄氏に何の関係もないということ。この程度の連想ゲームで憂国者を気取れるという発想が、私には理解し難い。だが、それよりも理解し難いことは、日頃、愛国者や憂国者を自認・自称する人達が、こういうゲスな拉致問題の政治利用(それも排外主義運動への利用)を、看過しているということ。

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2009年04月16日

カルデロン一家追い出せデモに関して、「似非」でない右派ってどこにいるの?

youtube:カルデロン一家追い出せデモ_蕨市わらびし

 カルデロン一家に対する今回のデモ行進に関して、在日特権を許さない市民の会(在特会)や維新政党・新風(新風)を、特殊事例として、「似非」と切り捨てることは容易い。けれど、では何故、彼らのような存在が、ウェブ上では一定の支持を得るようになったのか。新風は、選挙では未だ一議席を取れるほどの勢力ではないものの、それでもウェブ上では、愛国者や憂国者を自認する人達の間で、その蛮勇・暴挙が看過される程度には支持されている。

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2009年03月27日

奈良騒音事件 「真実」の物語について

日常ごっこ:騒音おばさんの真実の奥の奥

>ネット上のソースで信用できるソースなんかほぼ0です。

 所謂「騒音おばさんの真実」というウェブ上で語られている物語(以下「真実」)に、胡散臭さを感じてしまうのは、ソースが不充分であるということだけではないだろう、と思う。


語り部達の語り口について

 例えば、この「真実」に言及しているブログやコピペの多くが、加害者の名前を「Miyoco」や「miyoco」と表記している。『日常ごっこ』さんが取り上げたサイトはカタカナ表記であり、まだマシな方ではあるが、何故、わざわざカタカナで表記するのだろうか?

 「真実」とされるものは、事件当時、マスメディアや評論家が一方の一面だけを面白おかしく取り上げるばかりで、報道機関として碌に語ってこなかった部分を伝える、謂わばメディア批判の文脈を備えた物語のはずなのに、その物語の語り部の多くが、ワイドショー以上に加害者を消費したウェブ上の遊び、「さっさとお引越し」ラップ等での表記と同じものを、躊躇いなく使っているのである。

 彼らは、何のために「真実」を語り、メディアを批判するのか。事実を淡々と記録し続けるのであれば、当事者に関する表記も淡々と記されるであろうし、被疑者・被告人・受刑者の名誉の回復が主眼であるならば、「真実」以前の報道や祭によってネタ化された表記とは決別するであろう。「Miyoco」や「miyoco」という表記からは、そうした姿勢は伝わってこない。語り口と、考えられそうな目的が、一致しない。けれど、メディアが伝えない「真実」の物語だけは語ろうとする。その動機、目的が気になる。


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2008年11月27日

「法の盲点」はDNA鑑定の徹底で払拭されるのか?

 DNA鑑定の義務付けを表面上の理由として、国籍法改正に反対されている方々が、「法の盲点」であるとか「悪用」であるとか主張されているのを見るにつけ、彼らは法律がそれ自体、完全無欠であり得るとでも考えているのだろうか、と思ってしまいます。彼らの言うDNA鑑定徹底論に立ったところで、例えば、2008年11月14日の法務委員会で、倉吉政府参考人が例示したような問題もあり得るのです。


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2008年11月04日

北巣本保育園への行政代執行報道でTBSが謝罪

 今月2日、北巣本保育園への行政代執行報道に関して、TBS『サンデー・ジャポン』が事実誤認の報道を認め、謝罪しました。但し、事実誤認といっても、それは以前、blog『痛いニュース(ノ∀`)』等が煽っていたような、保育園側が子供をダシにしたという話ではありませんでした。

(2008年10月16日)産経:野菜刈り取られ…涙ぐむ園児 保育園の畑を大阪府が行政代執行
(2008年10月16日)痛いニュース(ノ∀`):育てたイモを刈り取られ涙ぐむ園児…保育園の畑を大阪府が行政代執行、園側と保護者ら「子供の心が!」と怒り

(2008年11月03日)毎日:TBS:サンデー・ジャポンで事実誤認 番組で訂正、謝罪
(前略)

 サンデー・ジャポンは同19日の放送で、府職員らが行政代執行に基づき建設用地に当たる北巣本保育園の畑のイモなどを抜き取り、園関係者や保護者が抵抗している様子を放映。映像前半、園児ら十数人が一列に並んでいる様子が映ったのを見て、コメンテーターが「子どもたちを使ってやるのは、(代執行の府の職員が)来るのが分かっているわけだから、執行妨害になる」などと保育園側を批判。代執行の現場に園児らを立ち会わせたとの前提でスタジオで議論した。

 放送に対し同園の松本剛一理事が「園児らが並んでいるのは前日の記者会見の際に撮影されたもの。代執行当日、立ち寄ったのは通園途中の2園児のみ」などと抗議していた。【手塚さや香】

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2008年11月03日

結果論や政局論のみで処理する風潮について

 先日の田母神空幕長更迭問題に関して、田母神「論文」擁護と併せて、中山元国交相の言動をも「正論」として肯定する動きが、一部保守系ブロガーの中に存在します。また、田母神「論文」擁護派を説得するために、“中山発言の時でもそうですが「正論を言って何が悪い」という議論は実際にはなかなか通用しません”というような、まるで中山発言が正論であるかのような前提で話を進める向きもあるようなので、今更ですが、中山発言の何が問題であったかを確認したいと思います。これから書く内容は、9月28日に某所に投稿した内容の加筆修正版です。


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2007年09月01日

中日新聞のマッチポンプ記事

 先日の名古屋市千種区・闇サイト女性拉致殺害事件に関して、被害者のブログに匿名による心ない中傷があったことついて、中日新聞が記事にしています。記事は被害者のブログに中傷コメントが寄せられたことに触れた後、犯人達が偽名を用いて互いに身元を明かさずに悪意をエスカレートさせたこと、さらに違法DVDや規制薬物の販売など、違法情報や有害情報の氾濫状況や法によるネット規制にまで言及する内容です。

cyunichi


 しかし、被害者のブログの存在を検索次第で辿れるように報じたのは、当の中日新聞でした。

(2007年08月31日)ちょいmemo:中日新聞の華麗なテクニック
「ちょいmemo」さんのまとめから引用
・中日新聞が事件被害者のブログをすっぱ抜く。検索ワード満載。
・ニュー速にスレが立つ。
・バカがブログを荒らす。
・中日は記事削除。スレでの非難は>>1に集中。
・中日が「ネットは匿名による悪意のすくつだけしからん!」と記事を書く←いまここ

 自らが不用意にネット上の匿名の悪意を誘発・助長しておきながら、犯人達の接点である闇サイトと被害者ブログへの心ない中傷を匿名という一点で結び付けてネット規制を論じるというのは、あまりに卑怯な手法です。


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2007年07月03日

都秋枝さんの「脱日」と粗忽者の「メディアリテラシー」

 26日現地時間午前9時、脱北者であり日本で暮らしていた都秋枝(ト・チュジorトツジ)さん(58歳)が、北京の北朝鮮大使館で、「脱日」に関する記者会見を行なった。会見の中で、トさんが「2003年10月に豆満江で悪い人たちにジープに乗せられ、在瀋陽日本国総領事館を通じて、日本へ強制拉致された」と言っていることが、匿名巨大掲示板で取り上げられていた。

(2007年06月26日)痛いニュース(ノ∀`):【北朝鮮】「2003年に日本が北朝鮮女性を拉致」

 このトさんの記者会見について、木走日記さんが検証している。北朝鮮側が主張する「日本へ強制拉致」説を今更額面通りに信じる人もおらず、特に盛り上がるような話題にもならず、このニュースは風化しつつあるが、それをそのままやり過ごさずに、北朝鮮側の主張の矛盾点を各報道から示している。検証それ自体について言えば、意義あるエントリーだと思う。但し、その検証姿勢に関して引っ掛かるものがあったので、その点について書く。

(2007年06月29日)木走日記:お騒がせな「脱日」オバサンのとんだ狂言会見を徹底検証

 思うところを書くにあたって、木走さんが引用したものと同じ報道を基に言及する形式を取る。原文の引用に際しては、太字強調は木走さんが注目した部分、青字強調は当方が注目する部分、青太字は双方が注目している部分を表す。また、予め断っておくが、私はトさんの記者会見での説明自体には特に関心が無い。北朝鮮の支配下に置かれれば、このような発言をするであろうことは容易に想像できるし、毎度毎度、北朝鮮の言い分は荒唐無稽だとも思う。


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2007年06月15日

森理世さん批判に思うこと

 先月末、「ミス・ユニバース」世界大会にて、日本代表の森理世さんが優勝した。日本人の優勝は1959年以来48年ぶりの快挙らしく、「へぇ、そうなのか」と思ったものの、私にはあまりその凄さが解らず、その件はそれっきりすっかり忘れていたのだけれど、ただ一点、ネット上での森さん批判というか、森さんの容姿への誹謗中傷が一定程度存在したことを、最近また思い出すことがあって、少し陰鬱な気分になった。そのようなネット上での誹謗中傷は、例えば『痛いニュース(ノ∀`)』さんの記事で確認できる。

(2007年05月29日)痛いニュース(ノ∀`):2007年「ミス・ユニバース」世界大会で日本代表の森理世さんが優勝

 批判する人は余程容姿に自信があるのだろうか、と毒づくつもりはない。評価対象と同分野での同等以上の能力を備えなければ批判・論評が出来ないとすれば、世に評論というものは成り立たないし、批判精神も醸成されないだろう。ただ、批判の中には、あまりに理不尽で見るに堪えないものも多い。


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2007年04月26日

長崎市長射殺事件報道 −テレビ朝日と朝日新聞と週刊朝日−

 朝日新聞社発行の週刊誌『週刊朝日』が、長崎市・伊藤一長市長射殺事件に関して、まるで安倍首相がこの「言論テロ」の黒幕と言わんばかりの広告を出している。

週刊朝日:「総力特集 長崎市長銃殺テロ 語られざる「闇」 城尾容疑者所属の山口組系水心会と安倍首相の「関係」を警察庁幹部が激白」Web魚拓

 特に反朝日的な見方をしなくても、行政対象暴力の行き着いた先の凶行と関わりがあると名指しされれば、誰だって腹が立つだろう。安倍首相も当然反論している。

(2007年04月24日)共同:首相、週刊朝日に憤り 暴力団との「関係」報道でWeb魚拓
 安倍晋三首相は24日夜、長崎市長射殺事件で容疑者が所属していた暴力団と首相サイドの「関係」を指摘した週刊朝日の報道について「私や私の秘書が犯人や暴力団と関係があるのであれば、直ちに首相も衆院議員も辞める考えだ」と述べ、強い憤りを示した。さらに「いくらなんでもだまっているわけにはいかない」と、法的措置を取る意向を明らかにした。

 首相は「一切関係ない。まったくのでっち上げで捏造だ」と強調。

 その上で「この記事を書いた(週刊)朝日の記者、あるいは朝日(新聞関係者)の皆さんは恥ずかしくないのか」と不快感を示した。

 また「いくら私が憎くて私の内閣を倒そうということでも、まったく事実に基づかない、いわば言論によるテロだ。報道ではなく政治運動ではないか」と指摘した。

 官邸で記者団の質問に答えた。
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2007年04月20日

ネット上の保守言論は現実主義へと引き返せるか

 いい加減、ネット上の保守言論は『博士の独り言』をソースにするのはやめるべきだと思う。いや、『博士の独り言』に限らない。根拠を示せない仮説を流布するようなブロガーとは距離を置くべきだと思う。後続情報を待つくらいの慎重さも無く、差別主義を隠そうともしない、そういう態度では嫌韓反中だけでなく保守言論もいずれは廃れる。

 今月17日、長崎市で起こった伊藤一長市長銃殺事件に関して、山口組系水心会会長代行・城尾哲弥容疑者(59)の本名が「白正哲」であるとの噂がネット上に流れた。私がよく閲覧する掲示板においても、その噂の書き込みと共に、保守系ブログ『博士の独り言』の記事へリンクが貼られていた。そこで第一段落のような返答をした。これから書くことは、当初、そちらの掲示板での反応への返答として用意していたものである。書いている間に長文になったので、さらに加筆・訂正してこちらに公開することにする。


目次
1.『博士の独り言』の何が問題なのか
2.『博士の独り言』擁護の何が問題なのか
3.『博士の独り言』の他エントリーに思うこと
4.『WILL』が主張する「土井たか子=在日朝鮮人」説について
5.『痛いニュース(ノ∀`)』さんで確認出来る最近のTBSの対応と匿名掲示板での反応
6.何故、こんなエントリーを書いているのだろう?


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2006年12月11日

改竄したコメントを基に批判する人達

 先日の中国残留孤児兵庫訴訟のエントリーが「Dogma_and_prejudice」というblogで取り上げられた。ここでの上田真司氏(以下、上田氏)ときこり氏の言説に関して、幾つか気になる点があったので、そのことについて書く。

(2006年12月05日)Dogma_and_prejudice:「中国残留孤児兵庫訴訟」と「拉致問題」Web魚拓


目次
1.上田氏へ、無断での全文転載はやめて下さい。
2.きこり氏へ、コメントの改竄はやめて下さい。
3.上田氏へ、改竄された内容を基に判断しないで下さい。
4.当blogを引用する際のお願い(12月12日追記
5.その後の「Dogma_and_prejudice」(12月19日追記


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2006年11月30日

匿名文化の一面とだけ対峙する「実名文化」

 先日、OhmyNewsの10月の「月間市民記者賞」が発表された。そこでの鳥越俊太郎氏の講評を読んで、ネットの匿名文化に関する幾つかの事例について、思ったことを書いてみる。先ずは、鳥越氏の発言を引用する。

(2006年11月26日)OhmyNews:10月の「月間市民記者賞」発表
オーマイニュースは「責任ある参加」を基本精神に掲げ、日本のネット社会に広がる匿名文化に対峙する形で「実名文化」を育てて行きたいと思っています。その点で私が当初より少々「挑戦的」な表現で言わせてもらっているように、この辺の衝突は避けられないと思っていました。しかし、こんなに早く市民記者の中から匿名文化と真っ向勝負する記事が出てくるとは思いもしませんでした。



目次
1.blog炎上と「祭り」一般について
2.子猫エッセイに関する祭り
3.死ぬ死ぬ詐欺という造語
4.ラチラチ詐欺という造語
5.解決済みにされる拉致問題
6.Wikipediaの寺越武志さんの項目
7.「匿名の卑怯者」と闘う人、闘うふりの人





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2006年10月31日

雅子妃殿下の「中国の犬」発言について

 12日以降、更新が滞っていたにもかかわらず、毎日巡回して下さっている方々、ありがとうございます。この頃、思ったことについて、記録も兼ねて纏めてみます。(12月01日追記:『高校必修科目未履修隠蔽問題』の項を10月27日分のエントリーに分離。/12月13日追記:加筆訂正し、目次を付ける。)


目次
1.はじめに
2.mumur氏の二重基準
3.皇室について思うこと
4.mumur氏の論理は何か
5.勝谷誠彦氏の暴言
6.言論人・知識人に求めるもの


1.はじめに

 最近、雅子皇太子妃殿下の「これは中国の犬ですか」という言葉がネット上で話題になっており、革新派批判を好むブロガーやコメンターの間で利用されている例が散見された。ネタにマジレスは野暮かもしれないが、少し気になった点があるので、思考の整理も兼ねて纏めておく。妃殿下の発言の詳細については、下記の朝日新聞記事から引用する。

(2006年10月27日)朝日:皇太子ご夫妻興味深く観賞/正倉院展
 皇太子さまと皇太子妃雅子さまが26日、奈良市の奈良国立博物館で開催されている第58回正倉院展を鑑賞された。午後6時に一般の観覧が終わってからの入館だったが、沿道や同館周辺で手を振る約3200人の市民に、お二人ともにこやかに応えていた。約40分間の鑑賞は、雅子さまが声を上げて笑われる場面もあるなど、明るい雰囲気に包まれた。

(中略)

  館内で休憩後、湯山賢一館長、梶谷亮治・学芸課長、内藤栄・工芸考古室長の説明を聞きながら会場を回った。犬とイノシシが絡み合う意匠の大理石のレリーフ「白石鎮子(はくせきのちんす)」を見た直後、雅子さまが「これは中国の犬ですか」と質問。梶谷課長が一瞬答えに詰まると、雅子さまと皇太子さまは声を上げて笑った。

(後略)

 雅子妃殿下の意図は、その言葉通り、大理石のレリーフに描かれた犬が中国産(中国国内に生息する種)であるか否かを問うものだろう。しかし、ネット上では、この言葉がその意図とは別の利用のされ方をしている。その一例として、mumur氏の下記エントリーを挙げておく。

(2006年10月31日)mumurブルログ:【琉球新報】自国に銃口を向けている国に旅行に行きたいと思うだろうか
mumurブルログ:カテゴリー【マスコミ】毎日新聞 朴鐘珠

 mumur氏に特に恨みはないが、氏のエントリー中には本件に潜む問題が端的に表れていると思われる。よって、反・反日系ブロガーの間で現在流通している言説の代表例として取り上げ、検討を試みることとする。


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2006年09月11日

皇室典範改正論議と2007年参院選

 乙武洋匡氏のblog炎上について、あまり引っ張るべき話題ではないかもしれないが、昨日は形式面を中心に書いたので、今日は内容面を中心に書く。

【目次】
1.乙武洋匡氏の文章から
2.皇室典範改正論議は方法論での対立
3.2007年の参議院議員普通選挙
4.拙速だった有識者会議の結論と法案化
5.親王殿下御誕生後の政界の反応
6.日本国民統合の象徴に関する議論
7.再び、乙武洋匡氏の文章について


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2006年09月10日

自明の理と過失衡量を経ない相対化論

 紀子妃殿下の第三子御出産について言及した乙武洋匡氏のblogが炎上した。毎日新聞の記事でも取り上げられた。どれほど酷いことを書いているのかと思って読んで見たら、炎上するような酷い内容ではなかった。

(2006年09月07日)乙武洋匡公式サイト:紀子さま出産
(2006年09月07日)乙武洋匡公式サイト:深くお詫びします
(2006年09月08日)毎日:乙武洋匡さん:ブログ“炎上”紀子さまご出産への言及で

 炎上時のコメントというものは、初期・前期・中期・後期・末期と少しずつ参加者の質が異なることが多いように思われる。したがって、炎上しているからといって、コメンターを一括りに論じることは難しい。しかし、幾つかのパターンは存在する。そこに着目して、コメンターの中から炎上時に象徴的なコメントを幾つか例に挙げ、考察を加えている切込隊長のエントリーが興味深かった。切込隊長は今回の炎上を、冗談めかして読み物として面白可笑しく書いてはいるが、個々のコメントの問題点は的確に指摘している。一読の価値あり。

(2006年09月09日)切込隊長BLOG:乙武洋匡氏のブログの小炎上で寄せられたコメントを深く吟味する

 個々のコメンターとコメントの問題については、上記のように既に切込隊長が指摘していることなので、それ以外のことについて書く。この炎上を論評する人達への違和感について。


【目次】
1.自明な事柄は書くべきか
2.私の場合その1 書かない
3.私の場合その2 書く
4.過失衡量を経ない相対化論
5.書き手と読み手(蛇足かもしれないが補足)
6.追記(09月30日18:20頃)


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2006年08月31日

拙日記「ネット言論とメディアリテラシー」について

 今月26日、はてなブックマークに7月15日の拙日記『ネット言論とメディアリテラシー』が取り上げられて以降、アクセス数と検索HIT数が急増しました。


日記で取り上げて下さった方々
(2006年08月26日)成城トランスカレッジ!さん
(2006年08月27日)kmizusawaの日記さん
(2006年08月27日)愛・蔵太の少し調べて書く日記さん
(2006年08月29日)RinRin王国さん
(2006年08月29日)冬枯れの街さん
(2006年08月30日)クローン人間現るッッッ!!の巻きさん
(2006年08月31日)満目蕭条さん

(2006年09月01日)あんた何様?日記さん9月3日追記 関連して本文末尾にも追記しました


 ありがとうございました。こういうものは、いつ自分が引っ掛かるか分からないので、過去の事例を記録することで予防策とするのも一手ではないかと思います。


 JANJANの森下泰典記者の記事にも取り上げて頂きました。ありがとうございます。今回の記事は、関東大震災のあった9月1日を前に、在日朝鮮人に関するデマを特集したものということですが、次の機会には、リベラルな気風のJANJANには、むしろ革新系ブロガーが引っ掛かったデマを中心に記事を書いて頂きたいものです。その方が、オーマイニュース始動後のJANJANの在り方としても意義があると思います。

(2006年08月27日)「流言蜚語に要注意!!」防災の日を前に贈る言葉


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2006年08月16日

ガッツ石松氏とやくみつる氏

※本日記は8月8日に下書きしていたものに加筆訂正したものです。今さらながらの話題ですが、他律的な思考の問題点について考えさせられる題材であると思ったのでUPすることにしました。


 亀田三兄弟には全く興味がなかった。何故、人気があるのか分からなかったし、高視聴率の理由も分からなかった。品の無さやビッグマウスがネット上で話題になっていたけれど、それにも興味がなかった。格闘技やスポーツといえども興行である以上、パフォーマンスとしての無礼・非礼は充分有り得ることで、それについて一々腹を立てていては格闘技番組なんて観ていられない。個々人の好き嫌いは当然としても、一方では、興行だからそういうものだという諦観も処世術として必要だろう。

 勿論、先日の「HERO’S 2006」における意識朦朧とした桜庭選手を闘わせ続けたことは論外で、瞬間的視聴率に囚われて、長期的な格闘技ブームの育成を考えていないように見受けられた。選手を使い捨てにするかの如き態度は諦観で済ませるべきではない。他方、亀田親子に対しては、ある時点までは、その品の無さや無礼への批判が主力であったと思う。それに留まる限りは、パフォーマンスとして処理する知恵も必要だろう。

 また、亀田親子の態度は教育上宜しくないと思う人達もいる。テレビの影響は少なくない。しかし、教育上好ましくない番組、あるいは芸能人やスポーツ選手は、これまでも多数存在していた。度を越した番組に対してはBPO(放送倫理・番組向上機構)に伝えるなどの選択肢もあるが、個々人の趣味や受け止め方の問題でもあり、線引きは難しい。例えば、大喰い番組を「食への冒涜」と受け取る人もいれば、極限の戦いと捉える人もいるだろう。基本的には家庭での教育で対処するのが妥当だと考える。

 その他、マッチメイクの不自然さや暴力団絡みの噂、ローブローの危険性など、個々に気になる問題点がない訳ではない。亀田親子を巡る問題では、この点だけが気になった。けれど、先日のタイトルマッチ以前の批判は、その主流が亀田親子の下品さについてであり、他方、擁護の主流は「実はリング外では親思いの素直で礼儀正しい子達」ということで、やはり興味が持てなかった。どちらのタイプも、日本国内にはいくらでも存在する。殊更、話題にする必要を感じない。そういう意味では、メディアが創り出す亀田ブームへの批判、礼儀云々以外の個々の問題点についての格闘技ファンの批判、という二点以外にはどうしても興味が持てなかった。


 だから、WBAライトフライ級王座決定戦(亀田興毅vsフアン・ランダエタ戦)も観なかった。誤審騒動が起こっていると知って、YouTubeにて試合の動画と幾つかの関連報道を確認するまでは。疑惑の判定となれば、それは上品下品、快不快、好悪の問題ではない。ここに至ってメディアは初めて亀田親子問題の客観的な問題点に触れるかと思った。しかし、相変わらず、礼儀についての視聴者とメディア側の主観の違いに持ち込もうとしているようにも思えた。

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posted by sok at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | ネットと言論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする