2007年10月7日 たかじんのそこまで言って委員会
辛坊治郎:さて、参りましょう。いっぺん、しっかりと向き合いましょう。
【冒頭VTR】
ナレーション(女性):貴方は肉親や愛する人の命を無残に奪われたら、犯人に対してどのような感情を抱きますか。
字幕:9月18日−20日 光市母子殺害事件差し戻し控訴審 第三回集中審理 妻子を殺害された本村洋さん
ナレーション(女性):先日、光市母子殺害事件の差し戻し控訴審で、5年9ヶ月ぶりに証言台に立った遺族の本村洋さんは、被告の元少年に、こう言いました。
君のやったことは万死に値する
ナレーション(男性):そもそもこの差し戻し審は、最高裁が「1審2審の無期懲役の量刑を甚だしく不当で破棄しなければ正義に反する」と、広島高裁の判決を破棄して、裁判のやり直しを命じたもので、この裁判によって被告に死刑が言い渡される公算が大きくなっていましたが、死刑廃止運動のリーダー的存在といわれる安田好弘弁護士が主任弁護人を務める弁護団が、ここへきて一転、「被告人には殺意がなかった」と主張し、起訴事実を全面的に争う姿勢を見せています。
ナレーション(女性):今回の裁判で改めて注目されることになった「死刑廃止論」。しかし、以前から死刑廃止を訴えている著名人も数多くおり、「死刑廃止議員連盟」会長の亀井静香氏(衆議院議員)は「死刑があるから犯罪を起こさず、死刑がなければどんどん人を殺してしまうというようなことは、ほとんどないと思う」と死刑による犯罪の抑止力を否定し、松本サリン事件の被害者である河野義行さんは、自らの冤罪体験を踏まえ、「裁判にはミスジャッジがある。何にもしてない人を死刑で殺してしまったら、取り返しがつかない」と反対の立場を取り、安田弁護士は東京新聞のインタビューで、「復讐したいという遺族の気持ちは分かる。だが、復讐が社会の安全を維持しないという視点から近代刑事裁判は出発した。もし、復讐という考えを認めれば、殺し合いしか残らない。」と語っています。死刑廃止論者の主張(字幕)
「死刑廃止議員連盟」会長の亀井静香衆議院議員:死刑があるから犯罪を起こさず、死刑がなければどんどん人を殺してしまうというようなことは、ほとんどないと思います(アムネスティ・インターナショナル日本 死刑制度の廃止を求める著名人メッセージより)
→死刑による犯罪の抑止力を否定
松本サリン事件 被害者であり、冤罪により容疑者扱いされた河野義行氏:裁判にはミスジャッジがある(中略)何にもしてない人を死刑で殺してしまった時に、あとで戻しようがない(アムネスティ・インターナショナル日本 死刑制度の廃止を求める著名人メッセージより)
→冤罪による危険性を示唆
安田好弘弁護士:復讐したいという遺族の気持ちは分かる。だが、復讐が社会の安全を維持しないという視点から近代刑事裁判は出発した。もし、復讐という考えを認めれば、殺し合いしか残らない(東京新聞06/5/8より)
→復讐による社会への影響を指摘
ナレーション(男性):そんな中、鳩山邦夫氏は第二次安倍内閣で法務大臣に就任した際、就任会見で。
鳩山邦夫氏(8月31日 第2次安倍内閣就任会見):だから、死刑制度そのものをなくせという意見に私は与さない。
ナレーション(男性):と語り、9月25日朝の退任会見では。
鳩山邦夫氏(9月25日 第2次安倍内閣退任会見):法務大臣が判子を押すか押さないかっていうことが議論になるのが、いい事とは思えないんだなあ。ベルトコンベアーって言っちゃあいけないけど、なんか、それは順番通りということなのか、それとも乱数表なのか分からないけれど、事柄が自動的に進んでいけば…
ナレーション(男性):ところが、その後の再任会見では。(字幕では「ところが、その数時間後…」)
鳩山邦夫氏(9月25日 福田内閣再任会見):死刑という回復不能な極刑を執行して、人の命を奪うという大変重大な事を致すわけでありますから、それは法務大臣の仕事ではないかと…
ナレーション(男性):と、発言はトーンダウンしたものの(字幕では「前言撤回」)、前言を批判した亀井静香氏に対して。
鳩山邦夫氏(字幕):(ベルトコンベアー発言に「人間の資格なし」と言った亀井氏に対し−)人を何人殺そうと自らの命が絶たれる事はないという考え方には与しない
ナレーション(男性):と、反論しました。
字幕:刑事訴訟法第四七五条【死刑の執行】@死刑の執行は、法務大臣の命令による。
ナレーション(女性):現在、刑事訴訟法の規定により、死刑の執行には法務大臣の署名が必要ですが、その執行は厳しい情報管理の下に行なわれ、法務省が(死刑執行に関して)公表しているのは、確かに執行したという事後の事実確認と(執行)人数のみで、誰が、どこで処刑されたのかも公表されていません。それに関して、当委員会の宮崎哲弥さんは「死刑の存廃論の前に情報公開が必要不可欠」だと語っており、いつ、誰が、どこで処刑されるのかを予め公表すること、被害者遺族をはじめ事件に関わった人々、ジャーナリストなどの立会いを許可することなどが必要だとし、それが実行できなければ死刑制度は廃止するべきだと主張。また、2009年5月までに裁判員制度が本格始動し、その審理の対象となる事案の多くが死刑に関わるものと予定されており、「国民に死刑の実態を知らせて初めて適切な量刑判断が可能になる」と語っています。死刑制度のあり方について(宮崎哲弥氏 藤井誠二氏との共著「少年をいかに罰するか」で−)
「存廃論以前に情報公開が必要不可欠」
・処刑情報の事前公表
・被害者遺族などの立会い許可
↓実行不可
裁判員制度の審理対象→殺人などの重大事件
「国民に実態を知らせて初めて適切な量刑判断が可能になる」
ナレーション(男性):一方、死刑廃止を求めている明治大学名誉教授の菊田幸一氏は、「死刑は国家による殺人」という理論闘争だけでは多くの人の共感が得られない。終身刑の導入を目指す運動も展開すべきだ、と死刑に代わる代替刑を提唱。宮崎さんは死刑と絶対的終身刑を提示して、死刑か終身刑かの選択に際しては、遺族の意向を汲むという方法論を提示。その上で死刑存廃を決する国民投票を行なうべきと語っています。死刑制度のあり方について(菊田幸一氏 著書「死刑廃止に向けて」で−)
「死刑は国家による殺人」という理論闘争だけでは共感が得られない。
↓代替刑として
「終身刑」を導入すべき
ナレーション(女性):そして、今週。今年8月、名古屋で磯谷利恵さんが携帯電話の闇の求人サイトで知り合った男たちに拉致され、殺害された事件で(字幕は「金銭欲しさに携帯サイトを通じて集まった見知らぬ男3人に拉致・殺害された事件」)、逮捕された3人の男への死刑を求める署名が10万人を超えたことが分かりました。被害者母親の署名を求めるホームページ
「死刑が怖くて通報した」と自供した犯人に対する署名 102,422名
ナレーション(女性):そこで、皆さんに質問です。貴方は現在の「死刑制度」をどうするべきだと思いますか?
【スタジオ】
CMのあと…死刑廃止論者とガチンコ対決!!勝谷誠彦:死刑を存続すべき 6ヵ月以内の執行ができなければ法務相を罷免せよ!
花田紀凱:死刑を存続すべき 終身刑は莫大な金と時間のムダ
三宅久之:死刑を存続すべき 生命を奪った者は生命をもって償う
桂ざこば:死刑を存続すべき 裁判で執行日も決めるべき
宮崎哲弥:死刑を遺族が決める 終身刑と死刑を遺族に選択させよ
橋下徹氏:死刑を遺族が決める 終身刑と死刑を遺族に選択させよ
デーブ・スペクター:死刑を存続すべき しかし、あくまでも最後で最後の選択
川村ひかる:死刑を存続すべき 遺族の傷を考えると…
【どうする?現在の「死刑制度」】
やしきたかじん:最後の方のVTRにもありましたが、日本の場合は割と極端なんですよね。死刑か、所謂、無期懲役ですよね。で、無期懲役は皆さんよく御存知のように、あの、15年20年くらいで出て…。
宮崎哲弥:今、23年です。
やしきたかじん:23年ですか、出てくるんですよね。
宮崎哲弥:平均23年です。
辛坊治郎:法律的には、あの、一応、最短10年で出られる可能性もあると。
やしきたかじん:書いてある。それと、あの、不文律で、2人以上殺さないと死刑にならない、という形の考え方もあります。そうなるとね、もうこの、すごいね、間があるんですよね。
宮崎哲弥:現在の無期懲役の実態というのは、かなり長期化していて、昔はね15年くらいで出てくると言われていましたが、平均23年になって、40年以上も入れられている人もかなりいて、実際には、監獄に入ったまま、刑務所に入ったまま亡くなる人っていうのも一杯いる。だから、実質的にはね、あの、終身刑に近づいていることは事実なんです。ただ、まあ、法律の文言として、法律としては無い訳で、だったら絶対的終身刑を入れるというのは一つの方法だと思いますね。
【どうする?死刑 「死刑廃止→終身刑」という選択肢は?】
勝谷誠彦:実際に入っている人間の心理状態が…
やしきたかじん:違うでしょ。
勝谷誠彦:いつかは出られると思うのと絶対に出られないのと違うから…
やしきたかじん:それは僕もそう思うんですよ。
勝谷誠彦:それは、あの、懲罰的な意味も含めてね、それはだいぶ違う。
宮崎哲弥:その通りです。
勝谷誠彦:遺族の感情も随分と変わってくると思うんだよね。
宮崎哲弥:その通りです。
花田紀凱:それと終身刑は莫大なね、お金がかかる訳ですよ。あれ、一人、囚人で28、月に28万円かかるんですよ。年間330万くらいはかかる訳ですよ。それがね、今、死刑囚が何人ですか。100人くらいいるでしょ。これ3億3000万かかる訳ですよ、年間。これが終身刑でずーっと、それをやってかなきゃいけない訳ですよ。その負担を考えたらね、早く…。
宮崎哲弥:ただね、死刑囚の、死刑確定囚の維持と終身刑の、この維持というのは、終身刑の囚人の維持っていうのは、はるかに終身刑の方が安上がり。死刑確定囚っていうのは、ものすごくコストがかかるんです。
花田紀凱:そうそう、勿論そうですよね。
宮崎哲弥:と同時に、やっぱり、そうおっしゃるんだったら、私ね、鳩山さんの提起、問題提起とは、問題提起として非常に有益だったと思う。鳩山法務大臣の問題提起「法務大臣が絡まなくても、死刑執行が自動的に進むような方法はないのか?」
【死刑制度 急増している死刑確定囚】
宮崎哲弥:ただ、彼が実態、制度の実態を見ているかどうかというと、やや的外れなところあるんだけれども、問題提起として、良かったと思うんですよ。その問題提起とは何かというと、103人、今いるわけ、確定囚が(※)。これ、大体、あの、確定囚の、安全、安全な数っていうのは、安定的な数っていうのは60人って言われているわけ。もう既に40人超過しているわけですよ。この問題をどうするかっていうのは、ちょっと早急にこれを解決しないと、大体、2004年あたりから、確定囚っていうのが、今までずっと7人から2人くらいだったのが、10人台になってきてるわけ。そうすると、おそらくね、これ、処刑、間に合わないです。どんどん増えてくることになる。
(※)字幕:死刑確定囚 正確には104人いるようです
花田紀凱:毎年、数が…20人くらいいるんだ(三宅氏の発言と被って聞き取れず)
【死刑執行命令 法務大臣の署名が必要】
三宅久之:あのね、数が溜まったからってね、これはしょうがないんだよね。
花田紀凱:まあ、しょうがない。
三宅久之:ただね、その、法務大臣経験者によるとね、やっぱり自分の手で死刑執行命令書にサインをするのは、やっぱりかなり勇気がいるから、もういっぺん精査させるっていうんですね。それで疑わしい奴はね、そのまま塩漬けにしちゃうわけですよ。で、例えば、誰でも、その、そうじゃない人は、やっぱり、だって刑事訴訟法の475条だったかな、橋下さん。
橋下徹:はい。
三宅久之:書いてあるんですよ。その、確定したらね、その、6ヶ月以内に、その、法務大臣が署名しなきゃいけない。署名したら5日以内に執行しなきゃいけないと書いてあるんだ。で、それをね、法務大臣である法の番人が守らないっちゅうことが大体おかしい。
【逃避?死刑執行の署名を拒否する法務大臣】
花田紀凱:そう、大体、法務大臣でね、要するに自分は反対だからって署名しない奴がいましたね。
三宅久之:そしたら法務大臣断りゃいい。
宮崎哲弥:それは罷免すべきです。罷免すべきです。
橋下徹:ただ、法務大臣が一回チェック入れるっていうのは、例えば、その、妊娠中の、その、受刑者、囚人なんかだと、やっぱりそれは子供が生まれるまでは一旦停めておかなきゃいけないし、で、死刑をやるときに心神喪失になれば、今のところそれは停めなきゃいけないということになるんで、法務大臣のその署名ってのは、そこでちょっと一つのチェックは必要なんですが。
【遅れる執行 法務大臣の再チェックは本当に必要か?】
橋下徹:ただ、今、それを超えて、もう一回記録を全部精査するんですよね。で、これはね、僕らの司法って世界で、まあ、多ければ三審制を使って、散々そこは証拠から何から検討したのに、またそこを法務大臣がチェックするってのは、僕はそれはおかしい。
宮崎哲弥:だからね、法務大臣段階で、死刑命令書が、起案書から命令書になった段階で、これは、あの、精査の必要は、必要な、妊娠とか心神喪失の可能性がある場合を除いて、やらなくていいと思うんだけれども、でも、そこまでで随分、充分、時間がかかってる。
三宅久之:でもね、実際にね、その、釈放運動とか何か、無罪だとか社会的な運動が起きるようになるでしょ。例えば、戦争直後のあの、帝銀…
宮崎哲弥:帝銀事件(Wikipedia/無限回廊)。
三宅久之:帝銀事件ね、平沢という…
宮崎哲弥:平沢貞通。
三宅久之:死刑を受けて、その人はある意味じゃ、80何歳まで天寿を全うしたわけです。仙台刑務所でね。で、その人の場合は、やっぱりね、あれが無いんですよ。その、該当者が皆死んじゃってるしね、それで結果的に、その人だという、その、あれが無かったわけですよ。中々、証拠がね。要するに状況証拠だけでね、人を殺すことはやっぱり出来ないと思う。
【どうする?現在の「死刑制度」】
三宅久之:だけどね、例えば、現行犯だとかね、それから確実な物証があるとか、本人の自供が間違いないとか、目撃者もいるとかって、もう100%。日本ではね、政治犯の死刑ってのはないですから。人を殺した人は自分の生命をもって補うのが、償うのが原則ですよ、それは。
花田紀凱:そうですね。
三宅久之:それをすだのこんにゃくだの(※浦安弁?)と言ってね、その、生きながらえさすのはとんでもない話だ。
勝谷誠彦:あの、三宅さんおっしゃる通りで、今の日本のね、死刑を中々執行しないというのはですね、実は戦後の混乱期に幾つかのちょっとやっぱり怪しい事件があった。確かに警察制度もね、不備だったですよ。それから、あの、しょうもない嘘の鑑定してた医者なんかいたわけですよ、今となっては。だから、その頃のトラウマがあるわけです。だけど、ここ何十年かを見てみるとですね、非常にその、捜査の精度も上がっているしですね、それはもう、そんな間違いは殆どないわけです。
橋下徹:ただね、勝谷さんね、僕もそう思ったんですよ。確定判決、確定で死刑が、判決が出た後にね、あの、再審無罪になったのは今までに4件あるんですけども、それ昔の話だと思ってたら、この間、佐賀のね。
宮崎哲弥:そうそう。
橋下徹:殺人事件で検察官が求刑、死刑求刑出したのに、無罪になったんですよね。で、やっぱりね、こういう事案があるということになると、僕は死刑制度は必要なんだけれども、三宅先生言われたように誤判、あの、間違ったジャッジっていう点だけはね、そこはもう、どうやってそこをカバーしたらいいのかってのは、問題のところだと思います。
宮崎哲弥:いや、だから再審制度があるわけでしょ。
花田紀凱:再審請求の間、停止されてるわけだから。
勝谷誠彦:何重にも一応ね、一応、法的にはセイフティーガードがあるわけです。ただ、僕、一番問題なのは、この国の色んな問題で、法律はあるの。その法を恣意的に運用するんですよ。これは法に対する尊厳の一番のいけないことで、一つは、ちっちゃいところ見たら交通違反だってそうだしさ、ソープランドだって中でやってるに決まってるのにさ、何故か捕まえないとか、法律ちゃんとあるのに、どっかその間、恣意的になる。それから声の大きい奴が得をするっていうのもあるんですよ。ちょっと前までマスコミもそうで…
花田紀凱:(勝谷氏を指して)得してるじゃない。(客席から笑い声)
勝谷誠彦:朝鮮総連来るから僕ら悪口言わなかったわけですよ、マスコミ、ビビったわけです。それと同じで、支援者がついて人権屋がついて運動する事案に関しては、中々死刑執行しないし、法務大臣は判子を押さない。鳩山さんのさっきの件、二種類あると思う。一つはベルトコンベアーってのは、これ論外です。国が人を殺すんだから、責任をもって法務大臣は判子をつくべき。だけど、もう一つの、法務大臣が自分の責務はちゃんと果たすべきだというのは、僕は正しいと思うんです。だから、僕は6ヵ月以内に執行できない大臣は罷免すべきです。
【死刑執行 確定後6か月以内に法務大臣が命令】
宮崎哲弥:でも、ただね、現実的には6ヶ月以内なんか執行できてないの。これ、大体、7年か8年かかるんです。何で…。そうなるかというと。
桂ざこば:ちょっと…
宮崎哲弥:そうなるかというと、但書っていうのが、さっきの刑事訴訟法但書、あの、花田さんもおっしゃった再審請求の可能性があるとき、そこをまあ。それとね、やっぱりね、残念ながら、あの、鳩山さんの発言というのはね、実態がどうもお分かりになってないなと思うのは、例えば、死刑確定者の内規というのがあります。各拘置所に。それには刑務官に対してどのように書いているか。一番中心になってるのはね、一番何度も文言として出てくるのは、心情の安定なわけ、死刑囚の。死刑囚が落ち着いたところで処刑するという風な形になってるわけですよ。何故かというと、さっき橋下さんがおっしゃったように心神喪失になられたら困るから。執行停止せざるを得ないから、出来なくなっちゃうから。だから、心情の安定させるためには、6ヶ月では無理で、確定から。やっぱりね、何年、一定の月日が必要なわけ。で、そこの実態というのが、よくお分かりになっていない。
橋下徹:でも、考えて…
宮崎哲弥:しかもね、刑務官って、そんな、私、やっぱり鳩山さんの発言で残念だなと思ったのは、精神的に判子を押すこと、本当は署名することなんですけれどもね、命令書に。やっぱり、法務大臣として苦しいとおっしゃったじゃないですか。これ、行政府の長、行政府の長がこんなことを言われたら、現場でね、死刑執行を行なう刑務官の立場ってどうなるんですか。
桂ざこば:これのね、順番はどないして決めるんですか、順番。
宮崎哲弥:これはね、ほぼ、時々変わるんですけれども、ほぼ、確定順。
桂ざこば:順番なん。
宮崎哲弥:ほぼ、確定順になっています。
橋下徹:でも、あの、池田小学校のときの宅間というのが…(宮崎氏の発言と被って聞き取れず)
宮崎哲弥:ああいうのが出てくる…(橋下氏の発言と被って)
桂ざこば:自分で言うとるんですから。順番ですか。
花田紀凱:でもね、宮崎さんね。その、長く生きさせれば生きさせるほど苦しむっていうこともあるじゃないですか。
宮崎哲弥:いや、でも、それは刑務官が見てるわけですから、それは現場を信用しましょうよ。
花田紀凱:根本的にね、何でそんなにね、確定した死刑囚をね、その、手厚く保護しなければならないかというのが分からない。
宮崎哲弥:手厚く保護じゃないわけですよ。(宮崎氏、花田氏、勝谷氏が話しているが辛坊氏の声と被って聞き取れず)
辛坊治郎:そのあたりについてのですね、一あたり意見が出たところで、本日のゲストをご紹介致しましょう。先程もVTRで登場頂きました、死刑執行停止連絡会議の代表世話人、菊田幸一弁護士です。(客席から拍手)菊田幸一(「死刑執行停止連絡会議」代表世話人)
明治大学名誉教授・弁護士。徹底した死刑廃止論者。単に死刑廃止を主張するのではなく、それに代わる終身刑などの必要性も説く。
辛坊治郎:どうも、ようこそお越し頂きました。大丈夫ですか。
菊田幸一:ええ。
辛坊治郎:ということで、大体、一あたり皆さんの意見が出たところですが、さあ、菊田さん、どうお考えですか。
菊田幸一:皆さんの意見を聞いていると、もう全て存置を前提にされてるんでね、それについて、もう悉く私は反論したい。けれども、時間もありますからね。
辛坊治郎:いや、構いません。全然、全然、構いません。どうぞ反論して下さい。
【死刑執行 6か月以内に命令する事になってはいるが…】
菊田幸一:ただ、一番最初の問題として、今、話題になっている鳩山さんの件ですね、これは、あの、刑事訴訟法に確かに6ヶ月以内に、あの、執行することになってるんだけれども、あれはあくまでも訓示規定になっていましてですね、法務省もそういう解釈をずっとしてきているわけです。で、同時に判例もね、それは訓示規定だという判例も出てます。ですから、あくまでもこれは、何故かというと、国家が国民を殺すんですから、法の名の下に。これはあくまでも慎重の上にも慎重を重ねなければいけないという意味で、他の刑罰とははっきりと分けて、法務大臣の最後の権限だけを唯一与えている制度であるわけですね。
【死刑廃止論者 菊田幸一教授の語る「何故すぐ執行してはいけないか?」】
菊田幸一:ですから、これは今も話に出ましたように、冤罪とか或いは今、現に再審請求やってる人が何人もいますし、今、先ほど、103名と言われました。今日現在、104名確定囚がいます。で、その中の半数がですね、冤罪で再審請求をやってますね。で、これはどういうことかというと、本当に無罪を主張しているのもありますが、3人は殺してないと、2人は殺したと、でご存知のようにですね、2人だと死刑になる可能性が少なくて、3人だと多くなるという確率がですね。で、そういうことは最初の第一審では、素人だからとても分からなかったけれども、どうせ人を殺したんだから死刑になると思ったところが、色々、長い間の、間に、そういうことで自分は3人は殺してないということで、その、問題にしている、と。
【再審請求 死刑判決を差し戻す「弁護士」について】
橋下徹:ただ、菊田さんね、再審についてなんですけども、本当にね、きちんとしたその証拠に基づいて、再審をやってるんだったら、それは冤罪を晴らすために僕は必要だと思うんですよ。今ね、弁護士がやってる再審請求っていうのは、死刑反対論者が、きちんとした証拠にも基づかずにですよ、再審請求を出せば死刑が停まるって形で、じゃあ、実際にその再審請求で再審が開始された、その率を、どれぐらいなんですかね。
菊田幸一:いや、再審のその…
橋下徹:開始決定が出た率は?
菊田幸一:壁はもう、実にもう1%以下ということで…
橋下徹:そうですよね。
菊田幸一:例外中の例外です。
橋下徹:実際、実際はそうなんです。だから、再審請求を出せば死刑が停まるけれども…
菊田幸一:私も今ね、死刑囚は…
橋下徹:実際にね、裁判所が一生懸命吟味して、再審開始決定が出て、開始決定が出た後に、さらに無罪になるかどうかは別ですよね。
菊田幸一:ええ。
橋下徹:開始決定が出るすら1%しかない。じゃあ、残り99%は弁護士がね、無能な弁護士が余計な、その手続きをやってるってことじゃないですか。
菊田幸一:いや、そうじゃないですね。それは再審の壁がね、扉が厚…
橋下徹:いや、それは厚いじゃなくて、日本の制度、日本の司法制度なんだからしょうがないじゃないですか。弁護士がいくら『再審だ、再審だ』と言っても…
菊田幸一:だから、しょうがないじゃなくて…
橋下徹:裁判所が認めないんだったら…
菊田幸一:しょうがないじゃなくて…
橋下徹:じゃあ、皆さん、それ、再審請求する弁護士がね、裁判官になって、それやったらいいのに、何故、裁判官ならないんですか。弁護士任官だって出来るのに。
菊田幸一:それは、あの、弁護士としての職業上やっているわけであってね、貴方は、貴方は職業…
橋下徹:いや、そこが詭弁なんですよ。そんな無駄な再審をバンバンバンバン死刑を停めるためにやってね。
菊田幸一:貴方も弁護士でしょ。私も今、弁護士ですがね。
橋下徹:ええ。
菊田幸一:今、死刑囚担当してますがね。
橋下徹:ええ。
菊田幸一:これを厳格に、物凄い資料ですけども、読むとね、私は、私のこの今、担当している事件はね、2人殺してるけれども2人とも殺してない。
橋下徹:だから、そういう弁護士の感覚がおかしいってのが、今の世間の批判なんです。一般の感覚と違うんです。
菊田幸一:………(橋下氏、勝谷氏の発言と被って聞き取れず)
勝谷誠彦:ちょっと待て。2人殺してるけど2人とも殺してないってこと、どういうことですか。ちょっと教えて下さい。
【死刑廃止論者 菊田幸一教授の語る「二人殺してるけど二人とも殺してない」?】
菊田幸一:これはね、一人の、内妻の女性ですがね、これはあの、モーテルでのね、過失です。過失による死亡です。それが、あの、殺人になって、慌てて、その、死んでしまったので、その、保護観察中だったもんですからね、で、前科もあって嫌だからって、その、死体を埋めてるんですよ。そういうことで、現実には過失、過失じゃなくて、あの、ショック、ショックで死んでるんですね、女性がね。
橋下徹:だから、それ、弁護士が勝手に思ってるだけなんです。
川村ひかる:やってないとおかしい。(橋下氏、桂氏の声と被って正確には聞き取れず)
桂ざこば:それは、ショックで死ぬのは可笑しいやろ。(橋下氏、桂氏の声と被って正確には聞き取れず)
【再審請求 死刑判決を差し戻す「弁護士」について】
橋下徹:それは、思い込み、思い込み。だから最後は裁判所が決めることなんだから。(菊田氏の発言と被って正確には聞き取れず)
菊田幸一:それは貴方ね、そういうこと言ってはいけませんよ。私は何度も資料を見て…(橋下氏の発言と被って正確には聞き取れず)
勝谷誠彦:あのね、あの、3人が2人だったから、殺す、死刑勘弁してくれとかってね、過失だったからどうだったからってね、僕から言わせれば盗人猛々しい。
橋下徹:いや、ホントそう。これが弁護士の感覚なんです、これが。世間とは余りにも乖離し過ぎてるんですよ。
宮崎哲弥:まあまあまあ。
勝谷誠彦:それとね、今、再審請求がほぼ半分とおっしゃいましたよね。つまり、自分が冤罪、つまり、どこか判断に誤りがあるからもう一回見てくれってことですよね。他の犯罪でも半分ぐらい、じゃあ、そういうことなんですか。
菊田幸一:いや、これは、ですからね、他の犯罪と…。
勝谷誠彦:何で死刑囚だけそんなに皆、判決間違えたんですか。より、より慎重に審査してるはずじゃないですか。何故そんなに間違うんですか、裁判官は。
菊田幸一:いや、だから、今言ったように、広い意味の、広い意味の、あの、誤審ですよ。
橋下徹:誤審ってだから、それ、弁護士が思ってるだけで、再審請求してることと、再審が認められたら別問題、別問題だってこと、ちゃんと世間に言わないと。
菊田幸一:いや、それは、それは論理のね…
橋下徹:勝手に弁護士が言ってるだけだから。
菊田幸一:それは見解の相違だ。
橋下徹:再審だ、再審だって。
菊田幸一:再審制度もあって、その壁に向かうのが弁護士の仕事じゃないですか。
橋下徹:だから、それだったら裁判官やればいいじゃないですか。
菊田幸一:壁が厚いから向かってくるなっていうのは…
橋下徹:だから、何で壁が厚いかっつったら、裁判官がきちんと吟味して、やっぱり冤罪じゃないって判断してるからじゃないですか。
桂ざこば:ほな、あの、池田の事件でもね、あれ、死刑にしたらいかんのですか。
菊田幸一:何ですか?
【死刑廃止論者に聞く 児童殺傷・宅間守元死刑囚も「死刑」にしたらダメ?】
桂ざこば:池田の小学校の。
辛坊治郎:連続児童殺傷事件。(Wikipedia)
菊田幸一:ああ、あれは、あれは、まだね、議論が非常に難しいですがね。第一審で…
桂ざこば:どない難しいの。(客席から笑い)
橋下徹:どっちか言って下さいよ。死刑なのかどうなのか。
桂ざこば:おお、それ聞こう。
橋下徹:あれは、あの宅間も死刑にはすべきじゃないって言えるんですか、堂々と。
菊田幸一:私はね、どんな死刑囚、どんな凶悪な犯罪者でも、死刑はやめなさい。死刑は絶対悪。
桂ざこば:ほな、もう話にならんね。
橋下徹:それは何故なんですか。
菊田幸一:一言質問しますがね、今、国家がね、人を殺すのは、法によって殺すのは戦争と死刑しかないです。
橋下徹:(菊田氏を指して笑う)
菊田幸一:貴方は戦争を肯定しますか。
橋下徹:そしたらね…
桂ざこば:裁いてるんや、殺してへんやないか。裁きやないか。
勝谷誠彦:とんでもない…だ。(桂氏の発言と被って聞き取れず)
橋下徹:そしたら…
宮崎哲弥:ねえ、ねえ、ちょ、ちょ、ちょっといい?橋下、ちょっと待て。(客席から笑い)
【宮崎哲弥 死刑廃止・菊田氏に確認しておきたい事…】
宮崎哲弥:私は菊田先生に一つ伺いたいことがあります。あの、あの、菊田先生の死刑廃止論というのは、全般的には理論として分からなくないところがあるんですけれども、どうしてもね、やっぱり被害者の問題で、先ほども紹介された私の本の中に、藤井誠二君が引用している部分なんですけど、このようにおっしゃっていますね。
菊田氏の意見:仮定の話ですけれども、私は、加害者の親の方が苦しむと思いますね。殺人による被害者は交通事故のようなものだ。
宮崎哲弥:交通事故のようなものだとおっしゃっています。
菊田氏の意見:それに対して、死刑というのは予告殺人なんですね。それを親が見ていなくてはならない。従って、加害者の親の苦しみの方が大きい。
宮崎哲弥:という風におっしゃってるんですが。
【交通事故のようなもの 「加害者の親の苦しみの方が大きい」】
宮崎哲弥:これはね、橋下君じゃないけれども、一般の常識的な見解、だって、被害者には何の罪咎もないわけですよ。
橋下徹:そうですよ。交通事故に…
宮崎哲弥:それなのに加害者の親の方が苦しむという感覚というのは、正直言って私には理解できません。どうでしょうか。真意を伺いたい。
菊田幸一:いや、いずれにしてもね、死刑があろうとなかろうと、凶悪犯罪というのは無くならないんですよね。
橋下徹:それはそうです。
菊田幸一:だから、加害者と被害者というのは常に出てくるわけです。
三宅久之:そうです。出てくる。
菊田幸一:じゃあ、加害者と被害者が対立的に闘っていてですね、殺せ殺されという形でやっていてね、世の中、進歩しないわけですね。で、問題は加害者と被害者をどういう風にですね、私どもがこの問題を解決していくかという、そういうところに私どもの知恵をどう絞っていくかということが
橋下徹:いや、私どもって誰ですか。
CMのあと…橋下vs菊田 死刑デスマッチ!?
【橋下弁護士論 「死刑廃止論者」は思い上がっている?】
橋下徹:修復的司法っていうのはね。
宮崎哲弥:ええ。
橋下徹:これは本当に司法に携わる僕ら弁護士とか裁判官の思い上がり、思い上がり以外の何者でもなくてね、被害者側とか遺族の方がそうしたいってんなら、そういう場を作ったらいい。
宮崎哲弥:ちょ、ちょ、ちょっと待って。今のように被害者と加害者側を、関係を、会わせて、関係を復活させるような考え方の司法の在り方というのを、修復的司法というんです。どうぞ。
橋下徹:で、そういう場をね、我々司法がね、勝手に被害者の意思を無視して、会わせて、関係を調整させるって、それ思い上がりも甚だしいですよ。これ、藤井さんの、今、これ、宮崎さんが引用した藤井誠二さんのね、『殺される側の論理』っていうのを読まれましたか。ほぼ多くの、これ、死刑廃止論者が必ず引き合いに出す、被害者遺族でも死刑反対論者がいるんだっていうことを必ず引き合いに出しますけど、そんな例は極々僅かなね、例外中の例外に過ぎない例を出してきて、多くの遺族は皆、死刑を望んでいるわけなんです。
三宅久之:あのね…。
橋下徹:何故…
【光市母子殺害事件 三宅さんの感じる「被害者遺族の気持ち」】
三宅久之:ちょっとちょっと、私はね。光市事件でね、母子殺人事件で、本村さんって、私は本当に立派な人だと思って感心してる。あれだけ抑制的にやれると思って。私は彼がやっぱり極刑を望んでますよね。私が彼の立場で、もし死刑じゃなかったと、そして、何年か経って出て来たとね、言ったら、私はどうするかと、私ならば、私が本村さんの立場なら、自分で犯人を殺す度胸が無いから、その、どっかの仕掛け人バイヤーとかに依頼してやりますよ。(客席から笑い)
三宅久之:あの勝谷さん、その時は紹介頼むからね。安上がりで腕のいい…(客席から笑い)
宮崎哲弥:勝谷さん、殺し屋まで知ってるの?(客席から笑い)
三宅久之:それでね、殺させますよ。それが被害者の心情っちゅうもんなの。
【死刑廃止論者 何故、加害者側のことばかり?】
花田紀凱:あの、何でね、その、加害者のことばかりね、そんなに気になさるのかと。被害者の方を救って下さいよ。
橋下徹:そうなんです。
花田紀凱:被害者の遺族とかを先ず救って下さい。これは奥野修司さんがね、あの、『心にナイフをしのばせて』って本で書いてますけど、その、川崎市のね、サレジオ高校というとこで、同級生の首を切って殺しちゃった。この犯人がですね、少年法に守られて、後に出て来てですね、大学院まで行って弁護士になって、賠償金も払わず、殺された方の遺族はですね、悩みに悩んでですね、もう家庭崩壊ですよ。それで已むを得ず、已むに已まれず電話したらね、お前、あの、金に困ってるなら金貸してやるからね、印鑑と印鑑証明持って来いと、こういう返事をしてるわけ。こういう…
菊田幸一:あのね、私が申し上げてるのはね、加害者側とか被害者側ということじゃないんです、ね。被害者に、側に立って、相手を殺してもですね、被害者はね、絶対に癒されないんですよ。
【死刑廃止論者 「加害者が死んでも遺族は癒されない」!?】
橋下徹:いや、だから、それがおかしい。誰に聞いたの?
デーブ・スペクター:何で決め付けるの?
宮崎哲弥:ちょっと待て。違う。そうじゃなくて、死刑を望むのは、遺族は癒されたいためじゃないんです。慰められたいからじゃないの。とにかく、あの人間が同じ世界で息をしていることが許せないんです。
橋下徹:そう、癒されるためじゃないんですよ。
宮崎哲弥:癒されるっていうのは、死刑反対論者の方がおっしゃってることですよ。
菊田幸一:それはね、人間の感情としてね、当然です。私の子供だったら私だって同じように叫びますよ。だけど実際に、仇討ちをするかしないかは別です、それは。
橋下徹:いや、仇討ち、だからやらない代わりに…
菊田幸一:国が代わって仇討ちをしてくれる。
三宅久之:いや、国が…(橋下氏、菊田氏の発言と被って聞き取れず)
橋下徹:だから国がやるんじゃないですか。
菊田幸一:…が満足するかっていうと、満足できないんです。
勝谷誠彦:いや、仇討ちじゃないです。先生、御自分の論理の中に仇討ちを持ち込んでるじゃないですか。そうじゃないでしょ。さっきの最高裁、光市の判決あったじゃない。著しく、ここで死刑を認めないのは著しく正義に反するからですよ。
三宅久之:ちょっと、ちょっと、あの、ちょっと、話も少し聞こうじゃない、ね。わーわー言ってるだけじゃあれだから。せっかく来て頂いたんだから。
【菊田教授 光市母子殺害事件の遺族・本村さんと話して…】
菊田幸一:ですから、光市事件のね、本村さんも、私はその事件の暫く後で、あの、ある放送で会いました。その時に、放送が終わった後でですね、貴方は本当に死刑を望んでるのかと言いましたらね、「私は極刑を求めているのだ」と。その時、言ったことは、「日本に死刑があるから死刑を求めている」と。ところが、無期懲役だったということに対する不満だと。「日本がもし終身刑対無期懲役だったらね、私はそれで満足だ。」と、こういうスタンスだったんですよ。で、その後、あの、被害者の…色んな人の支援を得てですね、今は少し態度が変わったと思いますけれども、いずれにしても、彼は基本的には極刑を求めると。
三宅久之:だから、死刑ですよ。
桂ざこば:そうそう。
菊田幸一:いやいや、だから…
三宅久之:死刑なんですよ。
菊田幸一:日本に死刑があるから…
三宅久之:だから、死刑なんですよ。
桂ざこば:そう、それでいいんや。
【日本に 「死刑」があるから「死刑」を求めた!?】
三宅久之:ただ、なければ、それは…
桂ざこば:そんなアホなこと言うたらあかん。
三宅久之:国家の国民だから…。
桂ざこば:そんなアホなこと。
菊田幸一:いや、だから、それでいいんですよ。
三宅久之:それは…
桂ざこば:おかしい。
三宅久之:それをもってね、遺族が望んでないっちゅうのは、貴方の屁理屈でしょ。
桂ざこば:そう。
【被害者遺族 望みうる限りの「極刑」→それが「死刑」!!】
勝谷誠彦:本村さんは望みうる限りの極刑、最高の刑を適用することが、お嬢さんや奥さんへの自分が出来るせめてものことだと思ってる。これは殆どの被害者がそう思うでしょう。ね、だから、死刑が必要なんですよ。その極刑が終身刑、無期懲役だったら、癒されないじゃないですか。だから、本村さん、極刑を求めるために我々は死刑を用意しておくべきなんですよ。違いますか?
宮崎哲弥:いや、だから、犯罪被害者は癒されたりしないんだって。
デーブ・スペクター:あのね、この…
宮崎哲弥:刑罰によっては。
橋下徹:そう。それを勝手にね、死刑になったから満足するとか、そこがね、本当に分かってないなっていうか、満足なんかするわけないじゃないですか。人生ボロボロになって。
デーブ・スペクター:一番いけないのは、死刑制度の是非論の時に、いつも決めつけ、どっちか側なんですよ。抑止力がないって言いながらも、ある時もあるんですよ。それで、本当のこと言うと、アメリカで終身刑とても多いですけど、そっちの方が死刑より過酷に思う囚人もいるんですよ。だから、決めつけは一番議論としては建設的ではないですよ、はっきり言って。
菊田幸一:おっしゃる通り。
デーブ・スペクター:でね、何で先生がこういう思惑、思想になったか知りたい。きっかけは?
【きっかけ 何故、菊田さんは死刑廃止論者になった?】
デーブ・スペクター:例えば、冤罪の実態知ったとか、親戚に何かあったとか、はっきり言って何か宗教的なことあるのか。それ聞きたい。(客席から笑い)
菊田幸一:私は犯罪学を38年間、大学でやってますからね、そこで犯罪者というものを中心にものを考えてきましたね。で、その中で犯罪者というのは、決して我々と別人じゃない。我々が生んだ社会の一つであってね、社会現象であって、被害者も加害者も含め、犯罪者も含めて、我々社会がどのようにして共に生きていくかということが基本でなければならないと、これが私の基本的なスタンスです。
デーブ・スペクター:でも、そんなの、マザー・テレサみたいな発想、普通ないですよ。
三宅久之:ない。
デーブ・スペクター:貴方だけ。
三宅久之:私はね、加害者と一緒に生活なんかしたくないよ、そんなもん。(客席から笑い)
菊田幸一:敢えて言わせて頂きますとね。
三宅久之:貴方はそうかも分からんけども。(客席から笑い)
菊田幸一:アメリカでもね、死刑に、尊重、主張する人はですね、大体、高学歴、高収入の人がそうなの。自分は加害者にならないという、そういう間違った認識があるんですよ、前提として。
三宅久之:低所得者が加害者になろうなんて思ってない。
菊田幸一:私もね、人間と言うのは、常にそういう人を殺すかもしれないという謙虚な態度が必要です。ですから、加害者も被害者も共に我々の社会において…(三宅氏の発言と被って聞き取れず)
三宅久之:貴方ね、ちょっとね、自分の考えでいつでも人を殺すかも分からんて…(桂氏の発言と被って聞き取れず)
桂ざこば:そんなん、そんなん思ったことないよ。人をいつか殺すと思ったこともないですよ。アホなこと言ったらあかんよ。(客席から笑い)
川村ひかる:それはおかしいと思う。
橋下徹:デーブさんね、デーブさん、簡単に言うとね。
デーブ・スペクター:ええ。
【弁護士界で死刑廃止論はカッコイイ!?】
橋下徹:僕らの弁護士業界の中では、死刑反対論を唱えるのがかっこいいんです。ファッションなんです。
デーブ・スペクター:あの、インテリに見える。
橋下徹:そう、それとね。
桂ざこば:そんなん見えへんで。アホに見える。(客席から笑い、三宅氏も笑う)
橋下徹:ざこば師匠、そうでしょ。本当にそうです。だから、それは僕らの業界ではそういうもんなんです。で、国家権力と闘ってね、被告人のために一生懸命やって、社会とか世間とか敵に回すって、これがかっこいいってのが僕らの業界ですよ。それに何十年も浸ってくると、そうなっちゃうんですよ。
勝谷誠彦:それでね、橋下さん、今、僕、思ったのは、先生、国家って言葉、非常に言うでしょ。
橋下徹:ええ。
【菊田論 法の名のもとに国民を殺す国家は「悪」だ!!】
勝谷誠彦:国家ってのは悪なんですか、先生。
菊田幸一:いや、だから、法の名の下に国民を殺す国家は、私は悪だと思いますよ。
勝谷誠彦:あのね、さっき国家が人を殺すのは戦争か死刑だけだとおっしゃいましたよね。戦争好きですかって、さっきおっしゃいましたよね。必要であれば、僕は戦争を好きになりますよ。自分の民族や自分の大事な人を守るためであれば、僕は銃を取って、攻めて来る北朝鮮の野郎を×××(放送禁止語)しますよ。(客席から笑い)
宮崎哲弥:じゃあ、菊田さんね、それ、国家による殺人だって言うんだったら、日本の刑、全部成り立たないですよ。有期懲役だってあれ全部、国家による監禁ですよ。罰金だって国家による…
やしきたかじん:だから、ものすごく根本的なこと聞きましょう。先生にとって国家って、じゃあ何ですか。
菊田幸一:いや、国家はだから、人の集まりですよ。
やしきたかじん:でしょ。
菊田幸一:で、社会ですよ。
やしきたかじん:はい。
菊田幸一:国民一人一人ですよ。
三宅久之:そう。
やしきたかじん:そうでしょ。
菊田幸一:ですから、一人一人がね、我々、犯罪者をね…
やしきたかじん:そしたら、それで…したらどうするねん。(菊田氏に背を向けながら)
菊田幸一:ちょっと質問者聞いて下さいよ。(客席から笑い)
やしきたかじん:はい。
菊田幸一:ね、一人一人がね、我々国民一人一人が、我々の仲間を、凶悪な人間にした人間を殺してるんですよ、我々が。
橋下徹:ありがたいじゃないですか。
宮崎哲弥:ちょっと待て、ちょっと待て、ちょっと待て、一人一人と言えども、全ての、人間は多様ですから、意見というのは集約しなければなりません。ですから、投票制度があるわけですよね。投票制度において死刑制度というもの、つまり、その成員の中にあったとしても、この人間、ある個人というのは許す事が出来ない、この社会から何らかの形で放逐しなければならないという合意が成り立ったときには、国家はその人を放逐する方向に動いても、これは私は理論としてはまっとう出来ると思いますが、如何でしょう。
菊田幸一:あのね、イギリスや、あの、フランスがね、死刑を既に廃止してますよね。
宮崎哲弥:はい。
菊田幸一:その背景には国民の、日本と同じように85%以上は、死刑存置論者だったんですよ、国民は。
宮崎哲弥:そうです。
菊田幸一:だけれど、時の為政者はですね、この国民の意思に反して、死刑を廃止に持ち込んだんです。死刑って制度はですね、命という問題は、これは我々の、一人一人の考えというよりも、国なり政策者が、国民をリードしていくという選択もある。
宮崎哲弥:ただ、私はミッテラン政権下で、死刑が如何に廃止されたのかというのは、そこそこ勉強しているつもりなんですけれども、あれの最大の理由というのは、基本的には冤罪ですね。冤罪の可能性があるからということで、今、菊田さんがおっしゃったような抽象的な理由ではないですよね。
菊田幸一:いやいや、だから、一つの契機として、そういうことを…
【常識 誤判の可能性のある「死刑」はもちろんダメ!!】
橋下徹:いや、だから、菊田さんね、三宅先生も僕も、そう、皆、多分ここに、パネラーの皆さん、そうなんだけど、
誤判の可能性がある時の死刑はね、これは駄目だってことは、これは皆分かってる。
辛坊治郎:欧米と日本で誤判の可能性はどっちが高いんですか。
デーブ・スペクター:いや、それが大問題ですよ。
橋下徹:それは分かんないです。
宮崎哲弥:日本の方が低いです。
橋下徹:菊田さんは、だから、誤判の可能性があればね、それは僕も死刑じゃなくて、それはそういう理由を付けてでも無期にしたりとかすべきだと僕も思うんですが。
【死刑廃止論者 附属池田小事件のような「明らかな殺人」でも反対?】
橋下徹:三宅先生が言われたように現行犯だったり、池田小学校で明らかに、もう、その犯罪を行なったっていう、その、そういう状況でも死刑反対論者は反対するんでしょ。
菊田幸一:勿論。
川村ひかる:ええー。
橋下徹:そこの理由は何ですか。誤判以上のね、誤判、ミスかも分からないって、それ以上に色々その、国家による殺人は認めないとか被告人の人権とか言うところが、たぶん世間と。
勝谷誠彦:そうそう。
橋下徹:世間の感覚ともう乖離しちゃってるんですよ。
菊田幸一:あのね、死刑制度があるが故にですね、その裁判が誤判を起こす危険性があるんですよ。いいですか?
【菊田説 「死刑制度」があるから「誤判」を起こす?】
菊田幸一:死刑がなければ誤判はありえない。
橋下徹:どういうことです?
川村ひかる:ええー。
菊田幸一:死刑制度がなければ死刑を言い渡す可能性はないわけだから。
橋下徹:だって、有期懲役でも、だって…
桂ざこば:そうそうそう。
橋下徹:無期懲役いったら、誤判の可能性あるじゃないですか。
桂ざこば:…誤判あるか分からへんやん。
橋下徹:それはあるじゃないですか。
菊田幸一:無期と死刑、有期刑と、懲役刑と死刑囚をね、比較してはいけない。
橋下徹:違う。(笑う)
菊田幸一:死刑は命の問題ですよ。
橋下徹:違う。それは論理がズレてる。(笑う)
勝谷誠彦:論理が逆だよ。
橋下徹:全然違う。誤判の可能性があったら無期でもいい、と。死刑があるから誤判の可能性があるって意味が分からない。
勝谷誠彦:先生が言ってることは、先生が言ってることは、車が無ければ交通事故は起きないってことと同じことでしょ。違いますか。
菊田幸一:死刑があることでどういうメリットがあります?
勝谷誠彦:死刑があることで?
橋下徹: だから被害者がそれで…
デーブ・スペクター:完結する。
橋下徹:うん。被害者遺族の…
【激突 「死刑廃止」vs「死刑存置」】
菊田幸一:それはあなた方が思っている被害者であって、本当に悲しみで苦しみで、テレビ見るのも外に出るのも嫌になってしまった、精神的に犯された被害者はね、法廷にも出る元気がないですよ。
橋下徹:だから、出て来なくてもいいじゃないですか。
菊田幸一:私の言うこと聞きなさい。
橋下徹:だから、そういう人は出て来なくていいじゃないですか。
菊田幸一:そういう人が…(橋下氏の発言と被って聞き取れず)
橋下徹:出たい人が出たらいいじゃないですか。
菊田幸一:ですからね、被害者の感情って言うけれどもね、それは、ものすごく幅が広くて。
橋下徹:被害者の…(笑う)
桂ざこば:そんなつらい目にあわせたのは誰やねん。それやったら第三者が刑与え、執行せなしゃあないやんか。
菊田幸一:じゃあ、殺し合いの社会を貴方は…させるんですか。(聞き取れず)
桂ざこば:おう、ちょっとくらいあったってええな。(客席から笑い)
CMのあと…橋下マジ切れ!!決着は付くのか!?
やしきたかじん:もう僕ら、まあ、アホやから、結局ね、理論は感情全部、封じ込むこと出来るんでしょうか、人間って。
菊田幸一:あのね、死刑の問題はね、今、あの、世界の国の、過半数の国が廃止してます。で、日本はね、そういう意味ではね、世界の少数の死刑存置国なんですよ。
【死刑廃止論 日本は世界でも珍しい「死刑存置国」?】
菊田幸一:こんな先進国がね、トヨタだ東芝だと世界に最先端のモノを売ってる国がですね、ダーティーな死刑を持ってる。そういうところの品物は買わないでおこうっていう、そういう運動まで起こっている
勝谷誠彦:そんな論理だったら…外圧かよ。(聞き取れず)
宮崎哲弥:いや、ちょっと待って。ちょっと待って。
【世界で 「死刑存置国」が少数だから日本も「廃止すべき」?】
橋下徹:でも、菊田さんね、死刑のね、死刑の生死の問題は、例えば、さっき宮崎さんが多数決で決めるようなもんじゃないと、一人がね、きちんとした判断すべきだって言われたじゃないですか。じゃあ、世界の中でね、多くの国が死刑廃止したからといって、死刑廃止が正しいとは限らないじゃないですか。ちゃんと死刑が必要だってことを、少数の国であったとしてもね、それが正しいと思うんだったら、ずっと死刑を存置させたらいいじゃないですか。
菊田幸一:じゃあ、貴方は国連憲章とか人権宣言とか…
橋下徹:あんなもんは、あの…
菊田幸一:或いは、日本が批准してるね、国際人権規約とか
橋下徹:人権、人権って、あんなくだらん、誰が…かね…
菊田幸一:そういう…
三宅久之:ちょっと、ちょっと、貴方は今の日本国憲法はどうですか。貴方、尊重すべきなんですか。
菊田幸一:勿論。
三宅久之:日本国憲法みたいな憲法持ってるのは世界で日本だけだ。
菊田幸一:いいじゃないですか。(客席から笑い)
【? 日本国憲法は世界で少数派だと思いますが…】
桂ざこば:そんなん、死刑があってもええやないか。
橋下徹:死刑があってもいいじゃないですか。
桂ざこば:それ、憲法に書いたあるんやから。
橋下徹:憲法9条なんか、あんなものあるのが世界で本当に稀な国なんですから。じゃあ、死刑だっていいじゃないですか。
デーブ・スペクター:あのね、数、数だけで言うんだったら。
橋下徹:そうそう、おかしいんだよ、本当に。
デーブ・スペクター:だったら、……今日一番多いのに、
菊田幸一:貴方たち…
デーブ・スペクター:ちょっと待って下さい。
菊田幸一:三宅先生こそおかしなこといいますね。
三宅久之:どうして?
菊田幸一:憲法、憲法というのは…
三宅久之:世界が皆そうだから…
菊田幸一:日本というのは、憲法というのは、いいですか…
三宅久之:憲法は…
橋下徹:だから、憲法…
菊田幸一:憲法論議するつもりないですがね。
【なんか 話題が噛み合ってませんね】
菊田幸一:憲法というのは、戦後、敗戦という事実をもってね、我々が手に入れたものですよ。
三宅久之:手に入れたっていうかアメリカがね、作って…
勝谷誠彦:そうじゃないんだ。
橋下徹:憲法…
勝谷誠彦:…(話の途中に割り込んでくる橋下氏を一喝しているけれど聞き取れず)
勝谷誠彦:三宅先生が言いたいのは、一人となれどもわれ往かんという憲法であって、日本はね、変な憲法だけど、それだったら死刑だけは死刑があるったって、別にいいじゃないですか、と。
橋下徹:そう、数の問題じゃない。
誰か不明:菊田先生ね。
菊田幸一:いや、それは論理の摩り替えですよ。全然話に…
橋下徹:だからね、弁護士としてね、僕、これお聞きしたいのは、絶対、ここがもう、あの、世間と弁護士のね、考え方の根本の違いになる部分かなと思うんですが、刑事裁判っていうのは、誰のためのものなんですか。先ず、第一に。
【質問 刑事裁判とは誰のためのモノ?】
橋下徹:菊田先生は誰のためのものだと先ず思われますか。
菊田幸一:それは市民のためですよ。
橋下徹:いや、それは被告人のためって考えてるから、犯人のためだって考えてるから、犯罪者の分析とかそういうところに力を入れるわけじゃないですか。僕は刑事裁判ってのは、被害者、遺族のためのものだと思うんですよ。第一にね。だから、そこの考え方の違い。だから、これはどっちかの価値観の違いだから、これはしょうがないんですけど。
菊田幸一:いや、価値観のじゃない。
橋下徹:いやいや…
菊田幸一:貴方の価値観、間違ってるね。(客席騒然)
【菊田さん 橋下弁護士の見解は間違っている!!】
橋下徹:ああ、じゃあいいですよ。じゃあ、僕が間違ってる。僕は、じゃあ殺人やそういう場合には被害者遺族のためにね、復讐権というものを。
菊田幸一:あのね、刑事裁判ってというのはね、元々ね、検察官と裁判官が、え、加害者を前においてですね、攻撃防御の形でやるんで、その犯罪の背景に被害者問題ありますよ。だけども、被害者は刑事裁判のね、中心に入ってくるような問題じゃないですよ。
橋下徹:これなんです。
字幕:お互いの意見はぶつかり合い 話題は『少年犯罪』へ…
【死刑制度 殺人を犯した少年は…】
菊田幸一:少年法の理念は、少なくとも少年というのはですね、今の平均年齢から言っても、あと60年、70年、80年生きるわけですよ。その人間の少年時代の一コマの事件をね、とって命を…
【殺人が 「少年時代の一コマ」?】
勝谷誠彦:殺人が一コマか!
桂ざこば:殺されとるねんで。一コマてよう言うわ。
橋下徹:それは犯人側に立つからそう言えるんだ、それは。遺族の前でそれ言ってみて下さいよ、それ。遺族の前で。そんな無責任な発言はやめろっつうんだ、ホント。×××(放送禁止後)
宮崎哲弥:ちょっと待て。一コマの…
橋下徹:何を考えてんだ、ホント。
菊田幸一:貴方のようなね、乱暴な言い方に対してね、私はね…(客席から笑い)
橋下徹:……(聞き取れず)
桂ざこば:いや、乱暴になるて。
菊田幸一:人生百年の一コマって言ってるんですよ。
橋下徹:遺族にとって一コマなのか!この感覚が支持されないわけ、弁護士会っつうのは。
勝谷誠彦:ちょ、ちょっと冷静に、菊田先生もう時間ないんだから、最後にもう一つだけ。
【勝谷 「冷静になりましょう」】
勝谷誠彦:冷静な、冷静な会話の上で申し上げたいんですけれども、おっしゃる通りに、世界の、死刑の存続か、存置か廃止かについては冷静な論議をすべきだと思います。今日は私、熱くなり過ぎだと思います、ね。だけど、今いる死刑囚は、今、私達が守っている、私達が決めた法の下で、死刑を、あの、言われた人達ですよね、ね。だから、これは法的にはもう、勿論、再審請求してもいいでしょう。あれもいいでしょう。だから、法的には、基本的には僕は死刑執行されるべきだと思うけれど、ま、その上でまだ再審だ何だ、まあ、闘われたらいいと思いますよ。但し、その人達の裁判を、己のイデオロギーのために、宣伝に使って、被害者を踏みつけるのはやめろ!本村さんに対して、それがそうじゃないか。(客席から拍手)
宮崎哲弥:菊田さんに言ってもしょうがないやろ。
【勝谷 光市母子殺害事件 弁護士団に伝えて欲しい…】
勝谷誠彦:いや、そういう運動してた人達に伝えて欲しいんですよ。あれはやめて欲しい。本村さんを二度三度、奥さんを殺された人をもう一回殺すようなものじゃないですか。幾らでも論議しましょうよ、論議しましょうよ。でも、現実の裁判でああいうことを、卑劣な闘い方はやめて頂きたい。
菊田幸一:それは私も同感ですよ。(客席から笑い、勝谷氏が拍手、客席からも拍手)
【菊田氏も 光市母子殺害事件の弁護団に関しては同意見でした】
菊田幸一:具体的に言いますとね、あの事件に限って、何故、21人の弁護士をね、死刑の廃止論者だけを並べたか。私はそれについて批判している訳ですよ。
宮崎哲弥:あ、全員が死刑廃止論者ではないとおっしゃってます。
菊田幸一:それはそれとしてね、21人を何故、並べる必要があったのかということを含めて、ただ原理主義だけで闘ってる、と。
やしきたかじん:今回は非常に、何というんですか、価値観というものが当然ありましてね、その基本的なもんが、え、多分1対皆みたいな。
辛坊治郎:これ、どうなんでしょうか。こうやって話し合っている内に、お互い「ああ、相手の言う通りだなあ」とかっていう風な気持ちになることは…
三宅久之:いや、ありません。
辛坊治郎:先生ありますか?
三宅久之:ますます、私は確信を強めたね。(客席から笑い)
三宅久之:死刑存続について。
橋下徹:でもね、僕はね、やっぱり弁護士ってこういう場に出て来るべきだと思うし、(菊田)先生がやっぱり、その事件があって「人生の一コマじゃないか」なんて言葉はもう、やっぱり、この番組に出て、これから二度と大学で使えないと思うんですよ。だから、やっぱりこういうものに出て、世間の声ってものを聞くのは必要だと思いますよ。で、それは僕は、先生は、やっぱりこういう場に出て来てね、他の弁護士出て来ないけれども、やっぱり、こういうところに触れるっていうのは、重要だって思いませんか、先生。
菊田幸一:いや、僕は意外ですね。皆さん、それならね、このメンバーの半分くらいをね、廃止論者も加えて議論するなら、それはいいですよ。だけど、皆さん、同じように存置論者、これ並べてね、そうして私一人…(客席から笑い)
宮崎哲弥:ちょっと待って。私は、私は存置論者ではないつもりですから。
三宅久之:あのね、この番組は、その、死刑問題だけで並べたんじゃないんです。いつものレギュラーですからね。(客席から笑い)
三宅久之:これが世間一般の常識だから。
桂ざこば:それやったら、廃止論者をほんまに5人ほど呼んできたらええやんか、うん。
勝谷誠彦:田嶋さん、まあ、一人入れといてもね。(客席から笑い)
桂ざこば:うん、そうそうそう。
やしきたかじん:もうね、勘弁してよ。ホントに。はい。え、今日は本当にこういう中にね、来て頂きまして、本当にありがとうございました。
辛坊治郎:また来て頂けますか?
菊田幸一:来ますよ。(客席から拍手)
辛坊治郎:ありがとうございました。
菊田幸一:(スタジオから退出)
辛坊治郎:大体ね、この番組にね、出て来てくれるというだけで立派な人だと思いますよ、本当に。(客席から拍手)
※このエントリーは10月10日の午前1時頃に公開しました。テキスト起こしの途中で、既に他の方が文章化していることに気付きましたが、せっかく途中までやったことなので、今更ですが気にせず公開します。確認した限り殆ど同じ内容です。徒労だったな。
関連エントリー
(2007年10月08日)昨日の『たかじんのそこまで言って委員会』の感想
テキスト起こしは手間がかかる割に地味なので、反応があると嬉しいです。
読ませて頂きました。
ありがとうございました。
私は、この番組のような議論の仕方、議論のフリを装って糾弾する様なやり方、当初からの優勢・優越を自認できずに行なう数々の傲慢な振舞い、そういったものが好きになれません。死刑について考える番組というよりは、死刑をめぐる議論が中々成立しないことについて示唆に富んだ番組だろうと思います。
このテキスト起こしのページのリンクをニコニコ動画で紹介したいんですがよろしいでしょうか?
じっくり考えることができます。
私は廃止論者ですが、理由やスタンスは様々ですね。
たかじん・・・は一般に右翼番組とも呼ばれていますが
存置論者と被る傾向にあるのは興味深いところです。