2007年09月06日

クローズアップ現代『もう刑務所には戻さない 〜動き出す知的障害者支援〜』

 9月4日放送のNHK『クローズアップ現代Wikipedia)』をテキスト起こししました。誤字脱字、間違いなどありましたら、御指摘よろしくお願い致します。確認の上、訂正致します。出演者の敬称はVTR内で記されているもの以外は省略します。
クローズアップ現代(番組HPより)

9月4日(火)放送
もう刑務所には戻さない
〜動き出す知的障害者支援〜

知的な障害があるにもかかわらず、福祉の支援を受けないまま社会で孤立し、困窮の中で犯罪に走ってしまう人が少なくないことが、全国の刑務所で明らかになってきている。出所しても孤立した状況に変わりがないため、犯罪を繰り返してしまう実状も分ってきた。この春、法務省が全国15の刑務所で調査したところ、知的障害と疑われる人が400人余、調査の前まで、知的障害であると社会的に認知されてはいなく"埋もれていた人"が殆どだった。平成17年度の新規受刑者の4人に1人近くが、一般より知的レベルが低いIQ相当値が69以下、"埋もれていた人"がこの中に多く含まれているのではないかと考えられている。こうした事態を受け、法務省と厚生労働省は、刑務所を出所した知的障害者を福祉施設に紹介する新たな取り組みも試験的に始めている。どうすれば知的障害者を再び犯罪に至らせないように支援してゆけるのか。現状と新たな取り組み、その課題を検証する。
(NO.2459)

スタジオゲスト:辻川 圭乃さん(弁護士)
2007年9月4日 クローズアップ現代

【スタジオ】

国谷裕子:こんばんは、クローズアップ現代です。福祉の支援を受けられない知的障害のある人が刑務所に少なくないことが分かってきました。


【VTR】

ナレーション:九州の刑務所に服役していたこの女性、知的障害がありますが福祉の支援を受けたことは全くありません。頼れる家族もなく、路上生活を強いられる中で盗みなどを繰り返しました。

女性:お金がないときは水を飲んでいた。公園の水とか。

ナレーション:九九の計算を習う受刑者たち。知的なハンディがあるため、出所しても生活に困り、再び刑務所に戻ってしまう人も少なくないことが明らかになってきました。

麓刑務所 渡辺玲子 看守長:何らかの助けが、あの、あったらここに至らなかったかなという風な人達は、もう本当に沢山います。

ナレーション:再び犯罪に走ることをくい止めるようと、出所のときに福祉施設が受け入れる新たな試みも始まりました。福祉の谷間で埋もれ続けてきた知的障害者、その支援の在り方を探ります。

もう刑務所には戻さない 〜動き出す知的障害者支援〜


【スタジオ:知的障害者 届かない福祉支援】

国谷裕子:知的な障害がある人に対しては、行政が支援を行う責任があります。ところが、刑務所には知的障害がありながら社会的に知的障害者と認知されず、何のサポートもないまま生活苦に陥って万引きや無銭飲食を繰り返す知的障害のある人が少なくないことが明らかになってきました。これは法務省が全国15の刑務所で知的能力が低いと見られる人を対象に行った初めての調査で明らかになったものです。この調査で、再犯をした人を対象に調べてみますと、刑務所への入所回数が5回以上に上っている人が54.4%でした。全国の刑務所に知的障害のある人がどれだけ入所しているのか、はっきりとは分かっていませんが、平成18年度、新たに刑務所に入った人の数は凡そ3万3,000人。このうち、知的障害の判断の一つの目安とされていますIQ69以下相当の人の割合は23%でした。(受刑者のIQ相当値『平成18年 矯正統計年報』)

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 社会で、一人で自立した生活をおくることが難しい知的障害のある人。何故、そういった人々が、刑務所に入る前、そして刑務所で知的水準が低いと判断された後も、何の福祉の支援も受けられないままでいるのか。刑務所と福祉施設との連携の欠如も浮き彫りになってきました。先ずは、刑務所の出入りを繰り返す知的障害者の実態から御覧頂きましょう。


【VTR:刑務所しか居場所がない】

ナレーション:(大阪刑務所/堺)3,000人の受刑者を収容する大阪刑務所です。盗みや詐欺などを繰り返す再犯の受刑者を中心に受け入れています。知的能力の低い受刑者が2割ほどを占めているため、部品の整理など比較的簡単な作業が用意されています。この受刑者はチェックする係にミスを指摘されました。

係員:(音声は変えています)1個目がな、ずれとんねん。これな。

ナレーション:30代のこの男性も知的障害があります。盗みや無銭飲食などで、これが3度目の服役となります。親や兄弟に支援してもらえず、生活に困っての犯行でした。

インタビュアー:なんでお金がなかったんですか?

30代男性受刑者:(音声は変えています)働いてへんかったから。

インタビュアー:何を盗んだんですか?

30代男性受刑者:(音声は変えています)パンとか万引き。

インタビュアー:刑務所に戻ってくるのは嫌じゃなかった?

30代男性受刑者:(音声は変えています)嫌ですけども、あかんのわかってて、もういいかと思って。

ナレーション:男性が養護学校を卒業して社会に出てから10年余り。どの仕事も長続きせず、職を転々としてきました。工場などで働いても作業が追いつかず、勤め先で詰られることも多かったといいます。

30代男性受刑者:(音声は変えています)流れ作業の時、仕事がとろすぎて(部品が)たまってもうたり、早うせんかいと言われて。それを何回も。

ナレーション:怒鳴られて?

30代男性受刑者:(音声は変えています)はい。そういうこと、あったりしたから辞めた。

ナレーション:刑務所を出ても、障害に合わせた福祉の支援を受ける機会はありませんでした。食べるものに困って盗みを繰り返し、数ヶ月で刑務所に戻ってきてしまったのです。法務省は知的障害と見られる受刑者について、15の刑務所で初めての実態調査を行いました。犯行の際、無職だった人は実に80%。罪名は窃盗が最も多く、困窮や生活苦から犯罪に走っていました。再び罪を犯した受刑者の43%が、出所のとき帰る先すらなかったのです。

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ナレーション:(麓刑務所/佐賀 鳥栖)さらに調査では、知的障害と見られる受刑者の殆どが、福祉の支援を受けたことがないことも明らかになってきました。

女性刑務官:40室番号、1名。41室番号…。

ナレーション:佐賀県の女子刑務所にいる57歳の受刑者です。路上生活をおくる中で、盗みや器物損壊などを繰り返し、今回で4度目の服役です。

女性刑務官:予定通りにしていた?本当?わからん?

ナレーション:女性は自分に知的な障害があることを分かっていませんでした。


ナレーション:知的障害のある人に自治体から交付される療育手帳です。障害年金や福祉サービスを受ける際に必要です。しかし、法務省の調査では、療育手帳を持っていた受刑者は1割にも達していません。この女性も療育手帳はなく、福祉サービスも受けたことがありませんでした。

麓刑務所 渡辺玲子 看守長:この人は、支援を受けるべき人って自分も認識もしてないし、ただ、たぶん自分一人の力でずっと社会の中でやっていくっていう力は、あの、無いんだろうな、と。社会の中で、この人がもっと得てもいい助けというのがあるだろうなという風に感じることは分かったです、はい。

ナレーション:家族からも疎んじられてきたというこの女性。旅館などに住み込んで働き、一人で生活してきました。

57歳女性受刑者:(音声は変えています)まあ、みっともないからね。また(家に)帰っても、人が変な目で見るから。自分は自分でやっていきって(家族に言われた)。縁を切られたから、もう手紙を出してもね、返事は来ません。

ナレーション:年をとるにつれて仕事もなくなり、路上で10年以上暮らしていました。女性だと気付かれないように深く帽子を被り、捨てられた弁当で飢えをしのぎました。盗みなどに走ったのもこの頃です。

57歳女性受刑者:(音声は変えています)お金ないときは水飲んでた。公園の水とか。

インタビュアー:ずっと一人ですか。

57歳女性受刑者:(音声は変えています)はい。もう馴れた。

ナレーション:犯罪を繰り返さず、なんとか社会で自立して欲しい。しかし、刑務所が出所後の生活設計まで支援することは、これまでありませんでした。

法務省矯正局 椿百合子 課長補佐:明確な生活設計がないままに満期釈放にせざるを得ないという事例が少なくないですので、まあ、こういった事情について少しでも打開したいという気持ちがあります。


【スタジオ:知的障害者 届かない福祉支援】

国谷裕子:今夜は知的障害のある人の刑事弁護を数多く、まあ、携わっていらっしゃいます弁護士の辻川圭乃さんにお越し頂きました。まあ、現状としては法務省の、その矯正局の担当者の発言のように、生活設計の支援のないままの釈放というのが現状なんですけれども、法務省が今回行った初めての調査では、釈放されてから3ヶ月以内にまた刑務所に戻ってくる人が32%。この現状、どのように捉えていらっしゃいますか。

辻川圭乃 弁護士:そうですね。知的障害のある人が刑務所を出た場合に、あの、何の支援もない場合は、あの、それはもう悲惨な生活が待ってるんですね。で、あの、まだ刑務所に入った方がマシだというようなこともあります。だから、実質的には刑務所がセイフティネットになってるという皮肉な現実もあります。

国谷裕子:一旦、外に出てみると、その、知的障害のある人ってのは、それほど障害がはっきりと見える訳ではない故に、かなり苦しい局面に直面するということもあるんですか?

辻川圭乃 弁護士:そうですね。あの、特に、あの、知的に軽度な方ですね。軽度な知的障害者の場合は、あの、ぱっと見た感じでは、あの、障害が分かり辛いというところがあります。それから、障害に対する理解が、あの、なされていないというところもありますので、え、まあ、いじめを受けたりですとか、あの、まあ、偏見があったりとか、そういうことがあります。

国谷裕子:まあ、あの、看守の方が、その、もし支援を受けていれば、ここに来なかった人が大勢いるというような実感を語っていらっしゃったんですけれども、あの、刑務所で、その、ずっと見守っていると、やはり、この知的障害あるのではないかという風に気付いている。しかし、それがその、出所後の支援に何故結び付いていかないんですか?

辻川圭乃 弁護士:えっと、一つはですね、やっぱり、あの、刑務所っていうのは法務省ですよね。で、福祉は厚生労働省なんですね。だから、そういう管轄が違いますので、今までそういう、あの、結び付けるという発想がなかったんですね。だから、あの、そういう繋げる手段もなくて方法もないし、あの、法制度もなかったというのが実際ですね。

国谷裕子:あの、やはり中々、擁護してくれる人がいないということですか?

辻川圭乃 弁護士:はい、え、まあ、刑事裁判の場合は、弁護士は弁護人の立場になって被告人を擁護します。でも、判決に、判決が出た段階でそれで終わりますので、それ以降、刑務所に入る時には、その、あの、受刑者を擁護する立場の人が誰もいないということになります。

国谷裕子:まして、出所後もいない、と。

辻川圭乃 弁護士:そうですね。はい。

国谷裕子:で、あの、知的障害者を対象としました支援としては、(スタジオ内のモニターを指しながら)こちらのようなものがあるんですけれども、これを受けられる前提となっているのが、まあ、リポートにもありました療育手帳というものを持ってるかどうかなんですけれども、しかし、療育手帳を持っている人そのものが非常に、この、少ない。これは何故ですか?

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辻川圭乃 弁護士:えっと、一つには、やはり制度が知られていないということがあります。それと、あの、障害そのものが分かり難いので、そういう制度が受け(ら)れるというのが分からないということがありますね。で、あとは、あの、やっぱり偏見がありますので、受けたがらないということもあります。で、特に知的障害者の福祉については、ここ2、30年整ってきたんですが、その前に成人になった50代、60代、70代の人達は、取っていない確率が非常に高いですね。

国谷裕子:この療育手帳というのは18歳までに、まあ、取らないと取りにくくなっているという現状もある訳ですよね。

辻川圭乃 弁護士:えっと、18歳の壁と言われているんですけれども、あの、知的障害は発達期までに発症というか、あの、障害が現われてるってことが必要なんですね。だから、それを証明するのが困難になるということになります。

国谷裕子:はい。さあ、生活苦から犯罪を犯し、刑務所を出たり入ったりするこの負の連鎖をどうしたら断ち切ることが出来るのか、今、国が後押しする形で刑務所と民間の施設との間の連携を強化する初めての試験的な取り組みが始まっています。


【VTR:動き出した知的障害者支援】

報告 古川恭 社会部:(麓刑務所/佐賀 鳥栖)この日、佐賀県の刑務所を福祉施設の職員が訪れました。知的障害のある受刑者との面接に臨むためです。福祉施設と刑務所が連携し、出所後の受け入れを前以て決め、再犯を防ごうという全国でも初めての取り組みです。

福祉施設職員 松村真美さん:ここで住みながらで、お仕事の勉強をしたり、それからルールを守って働くことの訓練をしていきます。

女性刑務官:今日から新しい一日やね。しっかり頑張んなさいよ。

報告 古川恭 社会部:最初の受け入れ対象となったのが、先ほど紹介した57歳の女性です。路上生活の中、盗みなどを繰り返してきました。出所の際、出迎えを受けたのはこれが初めてです。社会福祉法人・南高愛燐会(長崎雲仙)です。これまでに盗みや問題行動を繰り返してきた知的障害者を80人以上迎え入れてきた、全国でも数少ない施設です。女性は先ずこの住宅で、他の障害者と共同生活を送ることになりました。

南高愛燐会 松村真美さん:こんにちは。

57歳女性:あ、こんにちは。

南高愛燐会 松村真美さん:お待ちしてました。

報告 古川恭 社会部:受け入れの責任者の松村真美さんです。新しい生活環境に馴染んでもらおうと優しく語りかけます。

南高愛燐会 松村真美さん:そうね、家に、こんな家に住んどったのは何歳まで?

57歳女性:18、9まで。

インタビュアー:今の気持ちどうですか?

57歳女性:(音声は変えています)うれしいです。ありがたいと思います。家がなかったら、また元通りになって、また(刑務所に)行くようになります。

報告 古川恭 社会部:住み込みの職員の指導を受けながら、規則正しい生活習慣を身につけていきます。

南高愛燐会 松村真美さん:先ずは暮らしの基盤を、健康的にきちんと送れるようにしてあげるというのが、勿論やっぱり、そういう犯罪の、何ていうかな、要素を少し取り除くことには、手伝いになると思います。

報告 古川恭 社会部:ここでは、過去に罪を犯したことがあっても、その後、生きがいを持って働くことで、再犯をせずに暮らしている人が少なくありません。施設内の素麺工場で働く金子秀高さん(42歳)もその一人です。務め始めて20年。今では係長として部下を指導しています。金子さんは10代の頃、少年院に入ったことがあります。中学を卒業し、親元を離れて働いていましたが、知的障害もあって職場に馴染めず、スーパーで万引きを繰り返したのです。

@集団生活で社会のルールを学ぶ
 19歳の時に愛燐会に来た金子さんは、先ず1年間、山間の施設で牛の世話をしながら、集団生活を送りました。犯罪とは関係のない他の障害者と共に、規則正しい生活をして、社会のルールを身につけていきます。

A仕事を見つけ金銭管理を学ぶ
 この後、街中にある寮に移り住みました。それぞれ、能力にあった仕事を見つけて、ここから通勤するのです。毎月の給料をどう使うか、自立に欠かせないお金の管理もここで覚えます。金子さんは辛い作業に耐え切れず、一度施設を逃げ出したことがあります。しかし、職員に見つかって連れ戻された後は、地道に仕事を続けてきました。

B施設を出て自立する
 4年前、同じ愛燐会にいた…さん(聞き取れず)と結婚し、市営住宅に移って夫婦で暮らしています。

インタビュアー:今から思うとどうですか?そのまま逃げてた方がよかったですか?

金子秀高さん:いや、こっちへ帰ってきた方がよかったです。若い頃はいろいろ問題ば起こしていたけんね、今はもう大人になって結婚して、落ち着いて仕事もあるけんですね、はい。

南高愛燐会 田島良昭 理事長:ハンディキャップを持っている人達というのは、その、社会で生活するというときに、それなりのきちっとした支えが必要なんですね。支援をしていけばですね、その、そういうものは相当軽減出来るんではないかと。知的障害だから、その、そういうことを起こし易いんだっていうこととは、まるで違うんだと思います。

報告 古川恭 社会部:刑務所から愛燐会に来た57歳の女性は、この日、130キロ離れた生まれ故郷に向かっていました。まだ持っていない療育手帳を取得するためです。地元の市役所から求められたのは、幼い頃から知的な遅れがあったことを証明することでした。松村さん達も女性と一緒に訪ねて回りました。

南高愛燐会 松村真美さん:ここら辺で他によう知っとる人っておらんの?

57歳女性:おらん。

報告 古川恭 社会部:訪ね歩いた一件で、女性の小学生時代を知る人に会うことが出来ました。子供の頃から知的な遅れのあったことを証言してくれることになりました。市役所の窓口を訪れた松村さん。集めた情報を提出し、療育手帳の必要性を訴えました。

南高愛燐会 松村真美さん:帰る家がないし、療育手帳持ってないし、お金もないし、家族ももう離散してるしということで。

報告 古川恭 社会部:この日、女性は療育手帳を取得する手続きができました。これで障害年金などの途が開け、自立への第一歩となります。女性がこの施設に来て1ヶ月。いずれは仕事を見つけられるように、空き缶の分別など比較的単純な作業から訓練を始めています。少しずつ仲間との共同生活にも馴染んできました。

57歳女性:ちーちゃん、ちーちゃん、こっちこっち。

報告 古川恭 社会部:自分より障害の重い人を気遣って、心配りも見せるようになってきています。

南高愛燐会 松村真美さん:適切な支援をすることで、本人はそれなりにリズム良く暮らせている訳ですね。これがもっと若い時期にそういう出会いがあってたら、もしかしたら、あの、違った人生があったかもしれないな、と。障害があるから、ないからにかかわらず、普通の場所で普通の暮らしが、あの、適切な支援の下、より自立的に出来るようにというのが目標です。


【スタジオ:知的障害者 求められる支援とは】

国谷裕子:ま、適切な支援を受けて、こうして普通の生活が出来るようになった方々も出てきている。課題は、今の課題は何ですか?

辻川圭乃 弁護士:えっと、ここの施設は、あの、大きな施設ですのでね、え、ただ全国的にはそういった施設が少ないです。で、あの、実際には事業所一つが受け入れてということになりますが、その場合だと点で支えるということになりますね。で、支援の場合はやっぱり点ではなくて、面で支える必要があると思います。で、そのためにはやっぱり、色んな、そういう事業所なり施設なりを、あの、結び付けるネットワークが必要になってきます。そのネットワークをコーディネートする仕組みってのが、是非必要だと思いますね。あと、あの、ま、そういった施設、事業所ですね。事業所が受け入れ易くするために、…を付けるとか、そういう経済的な、あの、そういう支援施策ですね、そういったものも必要だと思います。それと療育手帳の取得について、あの、もっと全国的に取り易い、そういった基準が必要になってくると思います。

国谷裕子:大人になっても、もっと簡単な手続きで取り易くして欲しいということですね。

辻川圭乃 弁護士:はい。はい。

国谷裕子:あの、知的障害を持った人の再犯を防止するための最も、その最善の、最善策というのはどのような取り組みだという風にお考えですか。

辻川圭乃 弁護士:あの、まあ、知的な障害のある方にとって、え、最良の再犯防止策というのは、あの、障害特性を理解してね、その、あの、何故、犯罪をするのかと、その原因を、あの、先ず突き止めて、その原因を除去する。もしくは、その原因を生じさせないようにするということが非常に大切なんですね。そのためには継続した、あの、肌理細やかな見守りというのが出来るし延体制というのが不可欠です。で、あの、刑務所に入れるということですね、知的な障害のある人を厳罰に処して、長期間刑務所に収容しても、あの、決して再犯防止に繋がらないので、そういったことではなくて、地域で再犯防止に取り組んでいくということの方が、遥かに得策であるという風に考えています。

国谷裕子:まあ、現在のその刑務所が、知的障害を持った人の最後のセイフティネットなっているというのは、非常に不本意な現実ですよね。

辻川圭乃 弁護士:はい。

国谷裕子:どうもありがとうございました。え、今夜は辻川圭乃さんと共に、知的障害者が、ま、少なからず刑務所にいる実態についてお伝えして参りました。これで今夜は失礼します。

【25:57】

関連エントリー
「累犯障害者」の現実 −朝日放送『ムーブ!』1月22日放送分テキスト起こし−
posted by sok at 05:35| Comment(4) | TrackBack(1) | テキスト起こし | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
この番組を見ながら『累犯障害者』のことを思い起こし、
sokさまが番組を見ていたら、
テキストお越しされるのではないかと期待していました。
また、日記で紹介させて頂きたいと思います。

これからも分かりやすいブログを楽しみにしています。
Posted by 名塚元哉 at 2007年09月07日 22:31
 名塚さん、こちらでもコメントありがとうございます。

 福祉の分野で出来ることが議論され政策に反映させるということも、日本社会が抱える犯罪および再犯によるリスクを低減させる一案だと思います。刑務所が障害者福祉の受皿になっているが故の悪循環については、もっと関心が高まって欲しいところです。

 クロ現テキスト化といえば、8月29日の放送では、米国で無実の“死刑囚”が124人もいたことを報じていました(一応テキスト化は済ませているのですが)。他方で先日の愛知県闇サイト殺人事件では死刑の存在が自首を促し、結果として後日の犯行を抑止したという報道を目にしました。これら事件報道を見る度に、社会が抱える再犯リスクと冤罪リスクを極小化させ、被害者救済を図る調和点はどこかという点について思うことがあります。以前、名塚さんが薦めておられた中嶋博行弁護士の著書を少しずつ読んでいますが、未だ結論が出ません。
Posted by sok at 2007年09月08日 13:08
知的障害を自身も他人にも気付かれることのない人たちがいる....。差別につながり易いテーマだけに報道もあまりされてこなかったのですが、問題認知と問題意識の共有化から前進が始まると思います。
エントリのご紹介ありがとうございました。
Posted by のあぱぱ at 2008年04月28日 22:34
 のあぱぱさん、早速読んでコメントして頂き、ありがとうございます。

 刑事事件や刑務所行政の分野に、本来、福祉の分野で扱うべきもの、解決されるべきものがあるという点だけでも広く理解の共有化が図れれば良いのですが、報道側の配慮もあり(それも必要ではありますが)、注目されにくい話題です。一般の社会生活からは遠い事柄なので、なるべく具体的な事例を取り上げて、検索に引っ掛かるようにしておこうと思います。
Posted by sok at 2008年05月01日 22:23
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