2007年04月20日

ネット上の保守言論は現実主義へと引き返せるか

 いい加減、ネット上の保守言論は『博士の独り言』をソースにするのはやめるべきだと思う。いや、『博士の独り言』に限らない。根拠を示せない仮説を流布するようなブロガーとは距離を置くべきだと思う。後続情報を待つくらいの慎重さも無く、差別主義を隠そうともしない、そういう態度では嫌韓反中だけでなく保守言論もいずれは廃れる。

 今月17日、長崎市で起こった伊藤一長市長銃殺事件に関して、山口組系水心会会長代行・城尾哲弥容疑者(59)の本名が「白正哲」であるとの噂がネット上に流れた。私がよく閲覧する掲示板においても、その噂の書き込みと共に、保守系ブログ『博士の独り言』の記事へリンクが貼られていた。そこで第一段落のような返答をした。これから書くことは、当初、そちらの掲示板での反応への返答として用意していたものである。書いている間に長文になったので、さらに加筆・訂正してこちらに公開することにする。


目次
1.『博士の独り言』の何が問題なのか
2.『博士の独り言』擁護の何が問題なのか
3.『博士の独り言』の他エントリーに思うこと
4.『WILL』が主張する「土井たか子=在日朝鮮人」説について
5.『痛いニュース(ノ∀`)』さんで確認出来る最近のTBSの対応と匿名掲示板での反応
6.何故、こんなエントリーを書いているのだろう?


1.『博士の独り言』の何が問題なのか

 『博士の独り言』が在日犯行説を記したのは以下のエントリー。

(2007年04月18日)博士の独り言 闘魂編イザ!:朝鮮人「日米同時銃撃事件」一考
 伊藤一長・長崎市長が17日夕刻に銃撃を受け、18日未明に亡くなった事件で、報じられた犯人の指定暴力団山口組系水心会会長代行、城尾哲弥容疑者(59)の本名は「白正哲」であることが判明。読者より情報をいただき、通信社筋に確認したところ、確認が得られたので小稿に報告する。

 『博士の独り言』の言い分は、要するに“ソースは通信社筋に確認した俺!”ということなので、もうこの時点で私の基準では信用に値しない。2年程前から劣化が著しいと感じていたネット保守言論もここまで堕落したかという印象である。このようなものが根拠として通用するならば、『きっこの日記』の言い分も片っ端から間に受けないといけなくなる。ネット上では事実を確認すべく電凸した人もいたようだが、そういう作業は本来、『博士の独り言』とその支持者の側が負うべきことである。

 『博士の独り言』に関しては、先日も読売の731報道に関して飛ばしエントリーを書いて、革新派ブロガーからツッコミを入れられていたが、問題は個々の過ちにあるのではない。間違いは誰しも犯し得ることである。ただ、ネット上で朝日やTBSが嫌われ、批判が集中するのは何故かと考えた時に、それは単に個々の報道における捏造・歪曲・誤報が悪質だからというだけでなく、間違いがあった時に適切に謝罪や訂正をしないからではないか。間違い自体よりも、その後の対応に誠実さが見出せないから信用されないのではないか。

 例えば、先日の不二家報道におけるTBSの謝罪はどのようなものだったか。「廃業してもらいたい」とまで罵ったその発言の直接の根拠となる出来事は、10年も前の出来事で、証言者の伝聞に過ぎず、「チョコレートと牛乳を混ぜ合わせた」という虚偽の内容だったが、その罵倒への謝罪はなかった。「スタジオのお菓子はぜんぶ不二家にします」という軽口まで出た。報道時期に関しても、アメリカと長崎で銃による凶悪な犯罪が起きた翌日であり、国民も報道もその二つの凶悪事件に注目するであろうことは容易に想像出来る。穿った見方をすれば、そのような日にぶつけての謝罪は注目されないがための作戦とさえ思える。

(2007年04月18日)J-CAST ニュース:不二家問題でTBS 「不十分謝罪放送」

 TBSが信用に値しないと思われるのは、見る者に誠実さを感じさせないからだろう。翻って、『博士の独り言』はどうか。勿論、マスメディアと一個人ブロガーとを同列には論じられないが、それでも結構な数の保守系ブログ(というよりも嫌韓反中系ブログ?)のリンク集に登録され、アクセスランキングでも上位にある、いわば大手のブログ。その読者数の多さの割に、素人眼にも判るような飛ばしエントリーが多く、かつ、適切な謝罪・訂正がないとなれば、その影響力の大きさから鑑みてもかなり悪質である。


2.『博士の独り言』擁護の何が問題なのか

 新聞全国紙と週刊誌を比較した場合、多くの人は、大手新聞5紙ほどには週刊誌記事を信頼してはいないだろう。けれど、大手新聞社が二の足を踏むような事柄でも週刊誌は素破抜くことがある。そこには情報の書き手側における棲み分けがあり、他方で、受け手側にはリテラシー能力が要求されている。受け手側にそのような理解がある場合には、全国紙と週刊誌の棲み分けは社会的に一定の役割を果たしており、情報の受け手にとっても有益な面があるといえるかもしれない。但し、週刊誌記事であっても、個々の内容に真贋不明な部分があれば批判されるし、名誉毀損や侮辱の類では訴えられもする。

 全国紙と週刊誌の関係のようにマスメディアとブロガー、或いは各ブロガーの役割の違いに注目する人もいるだろう。マスメディアや慎重なブロガーが躊躇するような事柄、社会の建前が遮ってしまう本音、そういったことを敢えて書き記すブロガーがいて、社会に警鐘を鳴らしている、と。しかし、そのように考える人達においても、ネット上で情報発信する者の参入・名義変更・退場が頻繁で、実名文化以上にその人物の背景が掴みにくいという面は、今一度認識しておいた方が良い。また、TBやコメント欄などの機能には、思考の似た者同士を結び付ける作用がある。これらを併せて考えれば、先ず、このサイバーカスケード状態において、情報の受け手側は各ブロガーが発信する情報の信憑性を、全国紙と週刊誌の区分ほど自明なものとして受け止められているのかという疑問がある。

 危険過ぎて踏み込んで書けない、情報源を明かせない、そういったソースを明かに出来ない事情に配慮する人もいるだろう。そういう種類の情報も世の中にはあると思う。だから、一般論としてその種の事情に配慮する人がいても、それはおかしくはない。しかし、個別具体的に見た時、今回の長崎市長銃殺事件は“○○による犯行の可能性があるからこそ問題である”という類のものだろうか。山口組自体が「菱のタブー」であり、真相究明がなされないという主張ならば、それはそうなのかもしれないが、今現在挙がっている情報に『博士の独り言』の在日犯行説を加味しても、なお“在日による犯行の可能性があるからこそ問題である”という類のものではない。

 長崎市長銃殺事件は、行政対象暴力(行政介入暴力)が招いた悲劇なのだから、犯人が在日であるか否かにかかわらず、その種の暴力が行政を食い物にしていることをこそ問題視すべきである。本件について「言論へのテロ」と主張するメディアや知識人が見受けられたが、これに対しては「動機が思想絡みでなければ批判の手を緩めるのか」という疑問が起こるだろう。それと同様、在日犯行説にこだわることにも、「犯人が在日でなければ批判の手を緩めるのか」という落とし穴がある。

 本件は現時点までの報道を見た限り、直ちに第二・第三の犠牲者が出るという事件でもなければ、“在日による犯行か否かという背後関係”が明らかにならなければ同様の犯行を防げないという事件でもない。仮に、貴方が在日犯行説の可能性について言及する誘惑に駆られたとしても、ネット上でそのことに言及するにあたっては、続報待ちでも遅くは無いだろう(と、こういう説得法は好きではないが)。容疑者の『山口組系水心会会長代行』という肩書きに着目して、「暴力団には在日の比率が高いともいうし…今回の件もそうではないか」と不安に思う人もいるかもしれないが、今は辛抱強く続報を待てば良いではないか。

 むしろ、個別具体的な事例について言及している『博士の独り言』に対して、一般論として“ソースを明かに出来ない事情”を考慮することは、『博士の独り言』が犯した過ちを、ソースが明らかでないという一点に矮小化する点で問題である。今回の在日犯行説における問題点は(1)ソースが明らかではないというだけでなく、(2)それが差別主義から発しているのではないかという点にもある。根拠もなく、活躍する日本人を在日認定したり、日本人選手の活躍を大金をかけたからだと言ったりする韓国メディア・ネチズンの差別意識にも似ている。

 嫌韓反中感情を満たすという目的のためにソースを開示しないという手法が採用され、さらに(3)そのことへの自覚が希薄な保守系blog同士のリンク・引用などを通して多数の人間に読まれているとすれば、それは保守言論全体の信用に関わる。ブロガーレベルでは上記3点(ソース不明、差別主義、影響力)の問題があり、情報の受け手レベルでは(4)保守的言説と親和性の高い人達が疑義を挟まないでいるという姿勢が、ネット上の保守言論全体の信用を低下させかねない。


3.『博士の独り言』の他エントリーに思うこと

 下記の別ブログ記事が参考になると思われる。

事例1.(2007年04月20日)博士の独り言:米教授に話を聞く!
事例2.(2007年04月06日)博士の独り言:会見「特定国の印象」記
事例3.(2007年04月07日)博士の独り言:英紙「日本は安全」一考

 第1の事例について。このエントリーでは、フィラデルフィアにある大学の教授との対話が掲載されているが、末尾で唐突に『米下院で提出された“従軍慰安婦”「謝罪要求決議案」に対して、「可決」を支援するキャンペーンを、米国内の韓国人団体が自粛するということだが、韓国人にどのような印象を持っているか?』と質問している。アメリカで起きた悲惨な銃犯罪と、米下院で提出された“従軍慰安婦”「謝罪要求決議案」の是非と、何がどう関係するというのか。他人の不幸に付け込んで、異なる問題の是非を誘導しようとする手法に嫌悪感を覚える。

 第2の事例について。それほど在日朝鮮人による犯罪を問題にしたいのであれば、北朝鮮の工作機関「ユニバース・トレイディング」社の一件は、統一戦線部も朝鮮総連も(さらに「よど号」ハイジャックグループまで)出てくる格好の題材だと思うのだが、この件に関する『博士の独り言』のエントリーはたった1件である。しかも、その1件のエントリーでさえ、新聞社記事の引用を除けば、当該事件への言及部分は2段落分しかない。後は在日強制連行の話や従軍慰安婦問題に関するオオニシ・ノリミツ記事への批判が延々と綴られている。被害者が朝鮮籍であったから食指が動かなかったのだろうか、と勘ぐりたくもなる。

 第3の事例について。英国人英語講師リンゼイ・アン・ホーカーさん殺害事件では、ルーシー・ブラックマンさん殺害事件を引き合いに出しているが、その見出しには『「日本人になりすました犯罪」の撲滅を!』という一文がある。本件の容疑者も織原城二被告と同様に在日であると閲覧者に印象付けたいのであろうか。この件についても何か独自の情報源があるのなら、早々に開示して頂きたいものである。また、そのような意図が無かったとしても、リンゼイ事件を枕に、外国人女性被害者関連で在日叩きへと移行するさまは、自らの思想傾向のために事件を消費しているようにも見える。なお、織原城二被告は日本国籍を取得した帰化在日とのこと。

 『博士の独り言』に週刊誌記事としての役割を期待する人がいるなら、せめて、そのようなアナウンスを付してリンクしておいた方が、見る人の誤解を招くこともなく、ネット上の保守言論全体の信用性も保たれる。


4.『WILL』が主張する「土井たか子=在日朝鮮人」説について

(2007年04月18日)朝日:「朝鮮半島出身は捏造」 土井たか子氏、出版社側提訴 - 関西

 ついでに、別スレで話題になっていた雑誌『WILL』の「土井たか子=在日朝鮮人」説についても書いておく。在日扱いがなぜ名誉毀損なのか、損害金の設定がなぜ一万円なのか等、報道における土井氏側の言い分にも気になる点がないではないが、もっと根本的な問題として、辛光洙釈放嘆願は土井氏が在日であるか否かにかかわらず糾弾されるべき事柄である。仮に、土井氏が在日であろうとも、非在日の他の釈放嘆願者との間に嘆願問題として差がある訳ではない。土井氏も駄目なら、菅氏も駄目、ただそれだけのことである。そこに「土井たか子=在日」説を付加するならば、その事実を立証するのは『WILL』の側にある。そして、何故、根拠も示さずにそのような情報を付加するのかという動機、読者に印象付けたい何事かについて、『WILL』は誠実に説明すべきである。

 土井氏側の思惑をあれこれと詮索するよりも、緩みきった保守言論を正す方が先であり、訴訟の行方にかかわらず、『WILL』に立証責任を果たすよう求めるべきである。2002年9月17日以降、革新派言論はその説得力を大幅に低下させたが、だからといって拉致問題で反論困難な社民党の弱みに付け込んで、根拠も無くデマを垂れ流しているのであれば、それは拉致問題の政治利用と思われても仕方ない。


5.『痛いニュース(ノ∀`)』さんで確認出来る最近のTBSの対応と匿名掲示板での反応

(2007年03月13日)“2ちゃんねるそっくり” TBSが「捏造掲示板」を作り、桜庭氏を批判
(2007年03月13日)TBS、“2ちゃんねるっぽい掲示板”の「捏造」認める…「今後はイメージ映像表記徹底する」と釈明
(2007年03月28日)「TBSの報道、事実と異なる」 “みのもんたの朝ズバッ!”不二家報道で捏造…総務省、調査へ
(2007年03月29日)TBSが番組の誤り認める「ただ根幹部分に問題はなく、捏造などではない」…“朝ズバッ!”不二家報道
(2007年03月29日)【TBS捏造疑惑】 TBS社長ら「不二家報道、捏造というのはどうか」「みの氏の『不二家、廃業しろ』は励ましの言葉」
(2007年03月31日)【TBS捏造問題】 不二家の抗議にTBS「朝ズバ」のプロデューサー逆ギレ
(2007年04月01日)TBS「サンデージャポン」で同一人物が複数の街頭インタビューに登場
(2007年04月06日)【TBS】「新SASUKE」で5人重軽傷→警察に届けず公表もせず「隠蔽」
(2007年04月06日)「おもしろかったので…」 TBS、街頭インタビューで同一人物使う「過剰演出」


6.何故、こんなエントリーを書いているのだろう?

 本当は、アメリカと長崎で起こった二つの銃犯罪に関して、何も書きたくはなかった。人の死について語ることに躊躇いを感じる、というとナーバスに聴こえるかもしれないけれど、この二つの銃犯罪については書くことを躊躇ってしまう。まして、こんな下らない差別主義的なデマ(続報が無い現時点においてはデマ扱いで構わないだろう)との関わりで書くなんて!!

 このようなエントリーを書きたくないもう一つ理由は、『博士の独り言』に限らず、誰かを批判するということへの躊躇い。他人を厳しく批判すれば、自身もそれと同等の批判の眼に晒されることは充分考えられる。単に相手ブロガーとその支持者から反感を買うというだけでなく、無駄に自身へのチェックを厳しくすることにもなる。メリットなんて殆どない行為であり、面倒なだけである。このようなエントリーを書く時間と労力があれば、他に有益なことが出来ただろう。誰も進んでやりたくはない。

 だから、出来れば、はっきり言わないうちに、それとなく感じ取って欲しいのだけれど、それでも、やはり書かなければ伝わらないのかもしれない。でも、それって、すごく、しんどい。


【4月29日追記】
 名塚さんの日記で取り上げて頂きました。ありがとうございました。
(2007年04月28日)あんた何様?日記:長崎市長の死を利用したい人々 その2


関連エントリー
(2007年04月26日)長崎市長射殺事件報道 −テレビ朝日と朝日新聞と週刊朝日−
posted by sok at 18:30| Comment(6) | TrackBack(6) | ネットと言論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント

長崎県警が発表してるみたいですね…。
http://my.shadow-city.jp/?eid=411348

土井たか子はきち☆石根さんの記事が
なるほど、と思いました。
http://ameblo.jp/disclo/entry-10031229601.html

Posted by とおりすがり at 2007年04月20日 22:46
 とおりすがりさん、コメントありがとうございます。

 ネットゲリラさんによれば『「長崎県警が発表してる」とオフィスマツナガの北岡記者が言っている』ということですね。で、それが長崎市長銃殺事件在日犯行説の根拠になると思っているのですか?例えば、アメリカの銃乱射事件の直後には、韓国人ネチズンが下記記事のようなことをやらかしたそうです。「博士の独り言」さんのやっていることは、これと同レベルです。

(2007年04月19日)J-CAST ニュース:「日本人が犯人」に反発 銃乱射で日韓「掲示板バトル」
http://www.j-cast.com/2007/04/19007000.html

 勿論、何を信じるかは各人の勝手ですが、これまでの報道から在日犯行説を主張するのは現段階では無謀です。それでも主張なさるなら、その挙証責任はそう主張する側にあります。せめて、差別主義の地雷原に飛び込むことの危険はよく理解しておいて下さい。

 それから、「きち@石根」さんといえば、過去にアインシュタインネタで飛ばしエントリーを書いた人ですよ。これについては当blogでも過去に取り上げたことがあるので、ご参考までに確認して下さい。過去のことは抜きにしても、「きち@石根」さんの論拠は『これは伝聞なのですが、その伝聞元はかなりしっかりしています。』とのことですから、「博士の独り言」さんと同レベルです。

(2006年07月15日)ネット言論とメディアリテラシー
http://sok-sok.seesaa.net/article/20810072.html
Posted by sok at 2007年04月21日 00:08
ブログをしてるのって誰かのためにしてるの?
所詮自己満足でしょ。
しんどければやめればいいじゃん。
なんか恩着せがましいね。

Posted by ss at 2007年04月29日 20:18
【自己満足論について】

 「ブログをしてるの」は自分の思考を纏めるため。だから、自分のため。とはいえ、「自己満足」で「しんどければやめればいい」と皆が思えば、今回のような事案では誰もデマには抗することが出来なくなる。自浄作用が働かなくなる。現に私が見た限りでは、本エントリーを書いた時点で、右派ブロガーは誰もあれがデマであるとは指摘しなかった。あの素人目にも明らかな『博士の独り言』のデマを見知っていながら、真に受けたり、やり過ごしたり、擁護したりする人達はいたが、批判しているのは左派ブロガーのみだった。

 そのような状況で敢えて声を挙げることのメリット・デメリットを考えれば、怯む気持ちがないではない。半藤一利氏でさえも反日扱いを受ける昨今のネット上で、アクセスランキング1位の右派ブロガーのデマを指摘することには、相応の反発が起こることも考えられる。また、自明なことを改めて言わなければならないこと、そこまで一々指摘しないと善悪の判断もつかないネット言論の劣化を見ると、しんどいという気持ちが自然と湧き起こる。

 しかし、そこで「自己満足」だから「しんどければやめればいい」と声を挙げなければ、保革の泥仕合の中でしかデマと抗することが出来ないということになる。そのような状況でデマが淘汰されても、それは自浄作用によるものではない。自浄作用なきネット言論が、朝日やTBSといったマスメディアや左派を批判したところで、そのような二重基準を是とする者達の言い分に誰が耳を傾けるのか。

 他方で、自己満足論に従うならば、デマを流布している人達もまた「自己満足」でやっていることになり、「しんどければやめればいい」と皆が思えば、彼らのデマに抗する者はいなくなる。本エントリーでも指摘したように、各ネット情報の確度は全国紙と週刊誌の違いほど自明なものとして捉えられているのかという疑問もあり、デマに対して「しんどければやめればいい」と見過ごしながら、騙された責任を「嘘を嘘と見抜けない人は…」と受け手のリテラシー能力にのみに帰着させるならば、デマを流布させる側のやり得に繋がる。


【書き方への反発について】

 本件を自己満足論にのみ任せるならば、自浄作用が働かないがために、仮に『博士の独り言』が左派に論破されても、誰もそれを我が事として受け止めはしないだろう。真に受けた人も、やり過ごした人も、擁護した人も。だから、気乗りしないけれど敢えて書いた。ああいう書き方をしたのは、ここや本文に長々と書いたようなもどかしさも感じ取って欲しかったからであって、別に誰かに恩を売っている訳ではない。それでも「恩着せがましい」と思うなら、私に指摘される前にそう思う人が指摘すればいいと思う。素人目にも分かるようなデマに抗するのではなく、デマであると指摘する者に対して抗することが貴方にとっての「自己満足」ならば、そのような「自己満足」は回線切ってチラシの裏にでも書いていればいいと思う。

 全体の論旨も理解せずに言葉尻だけを捉えて絡んで来たり、書き方が「恩着せがましい」と言っている人は、もっと優しく書いて欲しいのだろうか?一度、左派のブログを巡回してみればいいと思う。嘲笑に満ちた文章で綴られているから。私の文章程度で反発するような人は、左派とのやり取りの中からは学ばないだろうし、結局、自浄作用が働かないことを自ら証明していると思う。
Posted by sok at 2007年04月29日 23:52
はじめまして。
「自己満足」で片付けるくらいならば、はじめから「ランキング」に参加するな!と言いたいですね。

自らの主張を伝えるためにブログをしている訳ですが、博士はコメント欄を閉鎖したことで他人の主張を退けるやり方は、自己中心的なだけでしょう。

関連エントリーをTBさせていただきます。
よろしければ、TB・コメントいただければと思います。
Posted by @隼人正 at 2007年04月30日 09:05
 @隼人正さん、コメントありがとうございます。

 コメント・TB了解しました。シンパだからこそ敢えて苦言を呈する、ブロガーを信頼しているからこそ勇み足に注意喚起する、当然のことだと思います。@隼人正さんのように是是非非で主張される方を支持します。
Posted by sok at 2007年05月01日 21:39
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