2006年08月18日

加藤紘一事務所放火事件に関するメモ

 昨日の日記の続き。

 割腹自殺を図った右翼男性の所属団体について、17日付の朝日新聞、18日付の神戸新聞に概要が載っていたので引用しておく。

(2006年08月17日)朝日:男の右翼団体、暴力団から資金提供も 加藤氏実家全焼
1977年9月に結成され、同10月に政治団体の届けが出されている。東京都内に事務所を構え、山形県内に拠点を持っていたとの情報もある。若い構成員を中心に主に反皇室活動に対抗する活動を進めているとされ、過去には威力業務妨害や暴力行為などの容疑で逮捕者を出していた。

 結成から間もなくして資金難に陥ったことから、関東を拠点とする指定暴力団が資金提供したり幹部を送り込んだりするなど、現在も暴力団と緊密な関係があるとみられている。

 82年には団体のメンバーが関連団体を立ち上げ、対旧ソ連や対共産党、対左翼の運動を中心に活動。92年には天皇陛下の訪中反対を訴え、この関連団体の構成員が宮沢首相(当時)の私邸前で割腹自殺未遂事件を起こしている。最近では目立った活動はなかったという。


(2006年08月18日)神戸:右翼団体事務所など捜索
 山形県鶴岡市の元自民党幹事長加藤紘一衆院議員(67)の実家と事務所が全焼した火災で、山形県警は18日、関係先として東京都新宿区歌舞伎町の右翼団体「大日本同胞社」事務所など都内2カ所を放火容疑で家宅捜索した。

 山形県警は、現場で割腹自殺を図ったとみられる男(65)が放火した疑いが強いとみており、思想的背景などを調べるために男が所属している大日本同胞社の捜索に踏み切った。

 男は鶴岡市内の病院に入院、治療中で事情聴取ができない状態で、これまで声明文なども見つかっていない。加藤議員は小泉純一郎首相の靖国神社参拝を批判しており、県警は押収した資料を分析、放火との関連を調べる。


 「大日本同胞社」で検索してみても忠孝塾愛国連盟に属する一右翼団体ということぐらいしか解らない。「忠孝塾愛国連盟」で検索すると、音楽だけが流れるコンテンツのない黒地のHPが表示される。官報を観ても「大日本同胞社」に関することは殆ど解らない。「ない」という情報がある、ともいえる。と、それらしいことを書いてみる。

政治資金収支報告書及び政党交付金使途等報告書公開
 「平成17年 9月30日公表(平成16年分 定期公表)」→「その他政治団体 タ行」→「大日本同胞社」

平成12年分政治資金収支報告書の要旨(平成13年9月14日付け官報)
大日本同胞社
報告年月日 13.5.31
1 収入総額 0
2 支出総額 0


平成13年分政治資金収支報告書の要旨(平成14年9月13日付け官報)
大日本同胞社
報告年月日 14.4.1
1 収入総額 0
2 支出総額 0


平成14年分政治資金収支報告書の要旨(平成15年9月.12日付け官報)
大日本同胞社
報告年月日 15.4.1
1 収入総額 0
2 支出総額 0


平成15年分政治資金収支報告書の要旨(平成16年9月10日付け官報)
大日本同胞社
報告年月日 16.4.23
1 収入総額 0
2 支出総額 0


平成16年分政治資金収支報告書の要旨(平成17年9月30日付け官報)
大日本同胞社
報告年月日 17.3.28
1 収入総額 0
2 支出総額 0


 官報だけを見れば2001年の段階から休眠中の政治団体と言ってよさそう。こういう団体が俄かに決意して犯行に及んだ、と説明されても信じ難い。どこからカネが出ているのだろうか。

 先の加藤紘一事務所放火事件に関して、finalventさんの17日のコメント欄でのやりとりが興味深かった。
# freerider1923 『92年の天皇訪中を強力に推し進めたのは、当時の宮沢首相と加藤官房長官でしたよね。
「天安門事件以後の国際的孤立から江沢民を助けた挙句がこれかよ」ということなら、
右翼氏の行動も筋が通ってると思います(笑)
当時も、過激派が神社を燃やしたり、右翼が中国領事館にボウガンの矢を射ち込んだりと、
ここぞとばかりにパフォーマンスをやって、資金集めに精を出した様ですが、これでまた
10年くらいは食えるということでしょうか?』

# finalvent 『freerider1923さん、ども。自分が安易過ぎるのかもしれないけど、こーゆーのも一種の利権かなと思うのですよ。そのあたりのカネの動きについて、あーそーかってわかる部分があるとすっきりするのですが。』


 同コメント欄のリンクを辿れば、1992年当時の天皇陛下訪中反対の抗議動画にも行き当たる。これは当時の様子を知る参考になりそう。

当時の右翼の抗議:[Movies] Fire car keeps driving - funny

 加藤紘一議員といえば、政治家としては加藤の乱で「上がった」人物であり、しかも、最近の各種世論調査によれば、過半数の日本国民は靖国参拝に肯定的である。こういう状況からは、今現在、放火および割腹自殺という前時代的な手法で世論に喚起する意義は少ない。かといって、加藤氏の自作自演説というのも、自作自演の放火であれば犯人は外側から火を付ければ足りるのであり、わざわざ室内で放火して靴も履かずに飛び出して意識不明に陥る実行犯というのも間が抜けている。

 では、朝日記事にあるように1992年以来の怨讐なのか。それとも別件でのトラブルなのか。詳細を知るには、やはりネット上にある情報では少な過ぎる。カネと人脈。誰の、どういった指示による行動なのか。


日中関係年表
在中国日本国大使館:日中関係年表(国交正常化以降)
中国网(チャイナネット):中国・日本 両国人民の友好の絵巻物
中国情報局:日中現代年表


1992年 天皇陛下訪中問題関連リンク
(1992年04月08日)毎日:[社説]日中が越えるべきハードル−−江沢民総書記来日
(1992年05月)矢吹晋:『三菱中国情報』政経展望92年5月号 江沢民総書記来日
(1992年08月11日) 読売:[社説]友好親善を深める天皇訪中
(1992年08月25日)田中明彦研究室:天皇皇后両陛下の中国ご訪問に際しての宮澤内閣総理大臣の談話
(1992年08月26日)毎日:[社説]新しい日中関係築くために−−天皇訪中

(1992年10月23日)田中明彦研究室:天皇皇后両陛下歓迎宴における楊尚昆国家主席のあいさつ
(1992年10月23日)田中明彦研究室:天皇陛下の楊尚昆国家主席主催晩餐会における答辞
(1992年10月27日)田中明彦研究室:天皇皇后両陛下と邦人記者との御懇談

(1998年12月25日)國民新聞:江沢民 天皇陛下に非礼

平成05年 警察白書 第8章 公安の維持
平成17年 警察白書 第6章 公安の維持と災害対策


関連エントリー
(2006年08月17日)加藤紘一事務所放火事件を巡って
(2006年08月20日)加藤紘一事務所放火事件続報に関するメモ2
posted by sok at 23:00| Comment(1) | TrackBack(1) | 靖国神社参拝関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
(2006年09月03日)読売社説:[加藤氏宅放火]「やはり言論封殺が狙いだった」
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20060902ig91.htm

<引用開始>
 「加藤氏の発言を不満に思い放火した」。加藤紘一・元自民党幹事長宅への放火容疑で逮捕された右翼団体構成員の男が、そう供述しているという。
 「借金があって生活が苦しく死にたいと思った」とも話しているというが、加藤氏宅を狙ったのは、やはり政治的なテロだったのだろう。
 民主主義社会にあって、暴力による言論封殺は許されないことだ。
<引用終了>

 これは、どうなのだろう。政治的なテロ+借金、読売はそういう説に乗るのだろうか。捜査機関は、そういう方向で捜査を終わらせる気なのか。庶民を納得させる“ストーリー”として「借金」という理由が出て来た点は、故・石井紘基氏(民主党・衆議院議員)を殺害した自称・右翼の伊藤白水の供述に酷似している。伊藤白水の場合、石井氏に借金を申し込んで断られたことが原因で待ち伏せて殺害したという話だった。「借金」が理由ならお金がテーマなのだから、やはり資金の流れ、容疑者自身と所属構成団体、上位団体の収支状況についても調べるべき。国民の代表たる国会議員が狙われているのだから、このテロは日本国民に対するテロ、少なくとも加藤氏の選挙区民に対するテロだろう。
Posted by sok at 2006年09月03日 20:04
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Tracked: 2006-10-12 17:24
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