2006年07月05日

ノドン、スカッドの発射について

【追記あり:07月11日】

(2006年07月05日)朝日:日本、万景峰号の入港停止など9項目の制裁措置
【対北朝鮮措置】
(1)北朝鮮側に厳重抗議。ミサイルの開発中止、廃棄、輸出停止と6者協議への早期かつ無条件の復帰を要求
(2)万景峰号の入港禁止
(3)北朝鮮当局職員の入国は原則認めない。北朝鮮からの入国についても審査をより厳格化
(4)在日の北朝鮮当局職員による北朝鮮を渡航先とした再入国は原則認めない
(5)日本の国家公務員の渡航を原則見合わせ。日本から北朝鮮への渡航自粛を要請
(6)日本と北朝鮮間の航空チャーター便は乗り入れを認めない
(7)北朝鮮に関するミサイル、核兵器などの不拡散のための輸出管理措置を厳格にとる
(8)北朝鮮による不法行為への厳格な法執行を引き続き実施
(9)北朝鮮の今後の動向を見つつ、さらなる措置を検討

【国際社会における連携】
(1)日米のあらゆるレベルで緊密な連携をとる
(2)国連安全保障理事会等で対処されるよう必要な働きかけを行う
(3)6者協議関係国、G8首脳などの機会を通じて情報交換を行う


 粛々と経済制裁を実行すべきですが、特に万景峰号の入港拒否については、元・朝鮮日報日本支社長で帰化された白眞勲議員も主張されているので、日本においてはほぼ入港拒否でコンセンサスが取れていると考えてよいと思います。半年間と言わず、北朝鮮の拉致・核・ミサイル問題に対する姿勢が変わるまで続けるべきです。万景峰号の入港を拒否したところで、北朝鮮国民の暮らしには殆ど影響はなく、かつ、金正日の懐を狙い撃ちできる経済制裁ですから。

(2006年06月11日)Blue jewel:白眞勲さん講演(2006-4-15)
(2006年07月05日)産経:万景峰号を半年間入港禁止
(2006年07月05日)読売:きょう緊急安保理非公式協議、中国の対応が焦点に


 北朝鮮のミサイルの射程については朝日と産経の以下の記事が図解で分かり易いです。

(2006年07月05日)朝日:北朝鮮が6回ミサイル発射 「テポドン2」は失敗
(2006年07月05日)産経:北ミサイル発射は6発

 「テポドン2号が日本に落ちたら」と危惧したり、「そうならないように北朝鮮を刺激するな」と主張する人もいるようですが、既に配備されているノドンで日本の殆どの部分が射程に入っているので、米国の一部を射程内にするテポドン2号を今さら怖れても仕方ありません。問題はノドンです。前回はテポドン1号一発だけの発射だった訳ですが、今回はノドンやスカッドなども含まれています。日本を射程に入れたミサイルが、日本にあたらないように複数発発射されたことが何を意味するのか、という点について「きょうのこりあ」さんの考察が興味深いです。武器輸出のための調査発射という視点は、現時点で他のblogを見た中ではありませんでした。

(2006年07月05日)きょうのこりあ:北ミサイル発射への考察

 ノドンは既に40〜200基配備されていると言われています。テポドン2号は米国を狙える兵器なのでわざわざ日本用に使うとは思えません。現に、3発目に発射されたテポドン2号だけが着弾地点が異なります。「もしテポドン2号が日本に落ちたら」と危惧するよりも、日本向けに発射する時は即ち宣戦布告なき開戦であり、北朝鮮がもし打ち込むなら弾頭に「貧者の核」を積み込むか、原発を狙って発射するか、を想定すべきでしょう。北朝鮮にとって、ミサイルを日本列島に打ち込むことは、最後のカードを切るようなものですから、やるときは最初から本気で狙ってきます。

 ネット上を眺めてみると、「もし、テポドン2号が我が町に落ちたら」と考えて覚悟を決めていると宣言される人もいるようですが、それを潔いとは言いません。ただ、憂国に酔いしれているだけです。そういう発想は、敵国が攻めてきても抵抗しない無防備都市宣言を推進する人達と同じで、他の日本国民に何らの責任をも負わない考え方です。生きることを前提に、何をすべきかを考える。考えられる限り考え、出来る限りの対処を行う前から、死を想定するなど本末転倒です。政治家を選ぶ際も、識者を選ぶ際も、現実的かつ国民に対して責任を負った発言の人物を選びたいものです。

おまけ
YouTube:作家・山崎洋子氏、北朝鮮のミサイル発射で日本の軍国主義化を懸念する



【追記:同日20:13】
 カワセミさんが今回の件に関して所見をUPされました。その内、下記の引用部分は自分に欠けていた視点でした。この辺が、無法者と対峙することの難しさでもあります。

(2006年07月05日)カワセミの世界情勢ブログ:北朝鮮ミサイル実験に関する所感
 しかしながら日本の立場ではそうそう気楽なことも言っていられない。今に始まった事ではないが、この北朝鮮問題、常に日本の立場が微妙である。ここで激しいリアクションを起こすと「北朝鮮すら根本的にはやっていない」国際秩序の無法な紊乱者と見られる。これは国際社会に対する影響力が大きい以上、そういうものだろ甘受せざるを得ない。これはイスラエルの立場が大きく参考になる。当然の自衛すら時に悪意を持って報道されるのだ。よほどの自制心をもって対応しないと術中にはまると考えておくべきであろう。今回に関して言えば、例えば万景峰号の入港禁止などの経済制裁を開始しながら人道的措置で学生を下船させるというような判断は正しく、その種の人道的原則は手堅く継続するべきということだ。


(2006年07月05日)朝日:万景峰号の入港を一時許可 生徒ら下船のため人道的配慮
 特定船舶入港禁止法が発動され、新潟市の新潟西港の沖合に停泊していた北朝鮮の貨客船・万景峰(マンギョンボン)号が5日午後、同港に入港した。新潟県が、人道的な配慮から、修学旅行から帰る大阪朝鮮高級学校(大阪府東大阪市)の生徒ら乗客209人を下船させるために許可した。

 船は午後2時半ごろ、約6時間ぶりに動き出して接岸。乗客全員が下りたが、雑貨など約60トンの貨物の運び出しは認められなかった。船は約2時間後、乗客や新たな貨物を乗せずに出港した。


【追記:同日22:50】
 ぼやきくっくりさんが関西テレビ『アンカー』での青山繁晴さんと李英和さんのコメントをテキスト起こしされています。識者の視点がテキスト化されてネット上で見られることは有り難いです。

(2006年07月05日)ぼやきくっくり 北がミサイル発射〜現時点で7発撃ってます


【追記:07月11日】
 額賀福志郎防衛庁長官もテポドン2号よりノドンや改良スカッドの方が日本にとって脅威であることを報道番組で述べていた。これを前提に最悪の事態を想定して、そこから順に脅威を下げる方向で議論が進めば、と思う。

(2006年07月08日)産経:テポドンよりノドン・改良スカッド脅威 額賀長官
 額賀福志郎防衛庁長官は8日午前、フジテレビ番組などで、北朝鮮が5日に発射した弾道ミサイル7発のうちの1発が、短距離のスカッドCの飛距離を伸ばした改良型の実験だった可能性があることを指摘した。北朝鮮が日本本土を射程に収める中距離ミサイル・ノドンに近い飛距離を、軽量で発射が容易なスカッドで実現しようとする動きとして、防衛庁は警戒を強めている。
 額賀長官は、テポドン2号を除く6発の内訳がノドン3発、スカッド3発だったとした上で「スカッドCは飛距離300−500キロといわれているが、その能力を高めて、(飛距離約1300キロの)ノドンに近い飛距離に伸ばした新スカッドの実験との話がある」と述べた。
 また、額賀長官はノドンなどについて「一定の海域に集中して着弾しており、(テポドン2号よりも)直接的な脅威として重大に受け止める必要がある」と指摘した。
 額賀長官はテポドン2号について「再び発射されるような環境には今ない」と述べ、直ちに再発射する可能性は低いとの見方を示した。ただ、「北朝鮮当局は今後も『軍事訓練』を行うと明言しており、いずれ(テポドン2号再発射を)やることになると受け取らざるを得ない」などと述べ、ノドン、スカッドも含め警戒を続ける考えを示した。



 他に今回の件で面白かった記事は「暁の日記&メモ」さんの二つの記事。現実的な脅威に対して、現実的に議論し、現実的に対処することが、今の日本国と日本国民には必要だと思う。
(2006年07月09日)暁の日記&メモ:日本の立場は極めて強い
(2006年07月10日)暁の日記&メモ:現実的な敵地攻撃能力
posted by sok at 17:30| Comment(0) | TrackBack(1) | 核・ミサイル問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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遂に、テポドン発射・・・・・
Excerpt: 今日の朝に、北朝鮮が、テポドンを発射しました。 そのほかにも、5発、ノドン・スカッドというミサイルも発射しました。 しかも、その、ノドン・スカッド・テポドンのミサイルは、すべて、日本海に落ちました..
Weblog: 知らんとよ
Tracked: 2006-07-05 17:38
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