2006年06月26日

NHK日曜討論(6月25日)麻生外相の靖国関連発言テキスト起こし

(2006年06月25日)読売:靖国神社の法人格変更、政府も検討すべき…麻生外相
 麻生外相は25日のNHK報道番組で、靖国神社のあり方について、「政治の圧力でなく、靖国神社側の意向で、宗教法人格を別のしかるべき法人格に直す。その時、A級戦犯を分祀(ぶんし)しろという意見と、するなという意見で世論が分かれると思うので、(政府も)検討すべきだ」と述べた。

 靖国神社が自主的に特殊法人などになった場合、A級戦犯分祀で国の関与が可能になることから、法人格変更に期待を示したものだ。

(2006年6月25日23時4分 読売新聞)


 上記、読売新聞記事に関して、ぼやきくっくりさんのコメント欄で、あきすて1218さんとnamiさんのやりとりを見て、実際のところ麻生外相の戦没者への考え方はどのようなものなのかと思い、昨日のNHK日曜討論をテキスト起こししました。アジア外交と靖国参拝に関する部分だけですが。

 興味のある方は檀君 WHO's WHOさんの所にある動画を参照して確認してみて下さい。読み易さのために司会者の方の相槌は無視しています。その他、誤字脱字、間違いなどありましたらご指摘頂ければ、確認の上、訂正いたします。

(2006年06月26日)ぼやきくっくり:靖国最高裁判決〜朝日が地団駄踏んでます
(2006年06月26日)namiメモ:ウェスティンホテルで朝食を−靖国神社A級戦犯分祀問題
(2006年04月11日)ぼやきくっくり:靖国問題〜小沢の狙いは?麻生の真意は?


【追記 2006年06月27日】
 記事タイトルを変更。変更前のままだと「日曜討論」と発言したことが問題になってるみたいですね。それはそれで、平和なようで、危ないようで。

 変更前:麻生外相「日曜討論」発言の一部テキスト起こし
 変更後:NHK日曜討論(6月25日)麻生外相の靖国関連発言テキスト起こし

2006年06月25日 NHK日曜討論


【18:34 アジア外交と靖国参拝について】


司会者:その、大宏池会を目指す人達の間ではですね、いわゆる、そのアジア外交の建て直しというのが、総裁選選挙の争点だと言われていて、そういうグループの人達が開いた勉強会に、先日、麻生大臣が出られて、そこでですね、その靖国神社の問題について、こういう発言をされてますよね。

 その、国がすべきまつりごと、まつりごとというのは、戦没者を追悼するということだと思うのですが、それをですね、靖国神社という一宗教法人に渡していたことが問題だ」と。政治家が「A級戦犯を分祀しろ」と言っても、こういうことでは、宗教法人への政治介入になってしまう。そういう趣旨のことをおっしゃっていたのですが。

 これ、もう少しはっきり言いますとね、靖国神社を、その、宗教法人ではなくして、例えば、国が直接管理するというような状況にもっていく。そうすれば、A級戦犯の分祀というのも政治の判断で出来るようになると、そういうことをおっしゃっているんですか。


麻生:あの、先ずですね、昔は陸軍省・海軍省所管の神社だった訳ですね。で、戦後、東京都認可の一宗教法人になったんです。


司会者:宗教法人ということですね。その段階でね。


麻生:そうです。で、認可は東京都認可です。で、東京都認可の一宗教法人になったんですが、その段階から神社庁という全国の神社を統括する、神社庁に属していない神社という神社なんです。で、今度の南部さんという方が今の宮司になっておられますけれども、この方もこの間どこかの会合で、公文書が出てましたけれども、元々、国からお預かりしていた宗教神社をお返しするのが…。


司会者:お返ししたい、と。


麻生:というのを正式に言っておられるのですから、そういった意味では、きちんと国が対応していかないと、昔、遺族150万人でしたかね、今は確か18万ぐらいだったと記憶していますんで、段々段々、高年齢化していきますから、必然的に0になる訳ですね、極端なことを言うと。で、誰が靖国神社を維持していくんだという話は、もう一回考えないと、国のために尊い命を投げ出していった人達に対して、誰も報いる者が…その神社が朽ちていくというのは如何なものかと。


司会者:そうおっしゃっている、その当面の政治的な狙いとしてはですね、やはりA級戦犯を分祀出来るような状況を作って、その参拝が出来る条件作りをした方がいいと…。


麻生:あの、A級戦犯合祀・分祀の話っていうのは、少なくとも宗教法人格には「出来ない」と言っているのに「俺が総理になったら分祀出来る」なんて言うのは、それは宗教に対する政治の介入ですから、それは出来ないと。したがって、先ずは分祀するしないという話の前に、宗教法人格というものを、何の格でもいいですよ、あの、然るべき法人格に直す。

 しかも、こちら側の圧力で直すんじゃありませんよ。靖国神社側からの意向として、そういう話も出ていますから、直される。その時に戦犯の話は、もう一回その場で検討して頂くことになるんだと思いますが、それはむしろ、その時の世論というのが、A級戦犯合祀する必要が、合祀しろ継続しろというところと、するなというところと意見が分かれると思うんですね。私は今、どっちか、分祀しろという意見の方が強いか、合祀のままでいいじゃないか、どっちが強いかって中々ちょっと今、僕は見えてないところなんですよ。


司会者:そこは戦争責任の問題、歴史認識の非常に重要なポイントになると思うんですが、そこは麻生さん自身はどう思いますか。


麻生:私、私自身は、少なくとも日本という国は、少なくともサンフランシスコ講和条約というのにサインした1951年の時には、日本としては極東軍事裁判というのを受け入れて、あれは加盟しているというのが大前提に考えないと。

 あの、言い分は色々ありますよ。あの極東軍事裁判が終わった後、少なくとも27年、日本が独立した年には戦争責任の方々は、少なくとも全員、あの、日本の裁判で裁いた訳ではありませんから、民間人も…戦争に反対された広田弘毅さんはじめ、色々死刑になっておられる方いらっしゃいますから。

 加えて、所謂、重光葵はじめ、皆、勲一等を頂戴しておられるということは、日本の法律では裁かれていない。日本で犯罪者だとなれば、勲一等は頂戴できませんから、そういったことを考えると。それは色々言い分はあります。色々言い分は色々ありますけれども、形として日本としては戦争責任を…。


司会者:戦争責任を決着させたさせたことを重視しなければならない、と。


麻生:重視しなくちゃいかんというのは確かでしょうね。サンフランシスコ講和条約の受け入れはそういうことです。


司会者:ただ、一方でその靖国神社についてはですね、やはりその、過去の戦争賛美に繋がる、と。靖国神社と別のところで、やっぱり、そういう施設を作るべきじゃないかという意見もありますが、そこはどうですか。


麻生:あの、靖国神社にやっぱり祀られている方は赤紙、あ、赤紙なんて今は通じませんかね。


司会者:召集令状。


麻生:ええ、召集令状。召集令状と所謂、志願兵と違うところがありますんで、そこは一緒にお祀りをしてあるというんで、私は戦没者の、所謂、英霊の方にしても、あの、遺族の方にしても、そこの感情っていうのは違うものがあるというのは、皆、「靖国神社で会おう」と言って死んでいかれている方が多い訳ですから。全然新たに施設を作るというのは、僕は全然組しません。


司会者:その背景には、ちょっと中国との関係なんですけれどもね、あの、先月、外相レベルでは一年ぶりに、外務大臣として会談があった、と。その後には胡錦濤国家主席からですね、条件が整えば日本に行きたいとの発言も出てくるようになった。どうなんでしょう、中国としてはやっぱり小泉政権が次の政権に替わって、そのタイミングで、日本との関係を何とか打開したいという向こうなりのやっぱり思惑といいますか期待もあるんでしょうか。


麻生:あの、3月14日に行われた全人代、全国人民代表者大会第11回でしたか、これが終わった後の温家宝という総理の記者会見、それから3月31日の親中…友好七団体…、あの団体との、胡錦濤主席との何でしたっけ、会談の内、靖国の話ばっかりしか日本のマスコミには出てませんでしたけれども、あの、読んでみると「和すれば利する」とか「争えば損する」みたいな、ずっと使ってる文章を、前半の三分の二の文章をよく読んでみれば、明らかに日中、日本に対するメッセージというのを、その温家宝、胡錦濤の二つの話で綺麗に読めてると思いましたから、あの、私どもは話を…。


司会者:関係改善、友好を。


麻生:あれを読めば明らかだと思います。


司会者:ただですね、その胡錦濤主席も「条件が整えば」というところはですね、やはり「次の総理大臣が靖国参拝に行かないのであれば」という条件を付けているという風にも読めるんですが、そこはもし麻生さんが総理大臣になられたらどうされるんですか。


麻生:それは前にも申し上げているように…。


司会者:国益を優先して判断。


麻生:国益を優先して判断するのは、それは総理として当然ですけれども、僕は「適切に判断する」とずっと申し上げてきているんで、この七ヶ月間、同じことしか申し上げてないと思いますけれども。適切に判断します。

 ただ、一番肝心なことはですね、やっぱり、英霊の方も遺族の方も、やかましいんですよ、みんな、まわりが。もっと静かにね、お参りして貰いたいと思っているのが、英霊と遺族の気持ちだと思いますよ。そういうような静かにお参りできるような環境を作るのが政治家の仕事なんだと、私にはそう思いますけれどね。


【26:36 小泉改革、地方への配慮が足らないという話題へ】
posted by sok at 21:16| Comment(0) | TrackBack(1) | テキスト起こし | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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「ムーブ!」民団・総連和解は“白紙状態”
Excerpt:  まずはお知らせ。 昨日付エントリーでちらっと触れたNHK報道番組における麻生外相の発言について。 アジア外交と靖国参拝に関する部分のテキスト起こしをして下さった方がいますので、紹介させていただきます..
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Tracked: 2006-06-27 02:00