2006年06月25日

在日朝鮮人の無職者数と生活保護費について

 本記事は以下の記事の続きです。

(2006年06月23日)在日朝鮮人の生活保護費は月額17万円か
(2006年06月24日)朝日記事が紹介する脱北女性とは

 今回も例の朝日記事を基にします。

(2005年03月10日)朝日:「脱北者支援を」 大阪の女性、実名で心境告白
→(2007年5月25日追記)現在、上記リンク先は『「民主」「社民」「共産」の反日プロパガンダ』という内容に書き換えられている。URLはそれまでと同じである(「脱北−朝日」と読める)にもかかわらず、内容は従軍慰安婦問題に変更されている。批判を知って内容を差し替えたのだろうか。念の為、変更前と変更後の双方のURLのウェブ魚拓を採ることにする。

変更前のURL/「民主」「社民」「共産」の反日プロパガンダWeb魚拓
変更後のURL/(2005年03月10日)朝日:「脱北者支援を」 大阪の女性、実名で心境告白Web魚拓


前々回引用したレス754氏について

 これが可決したら、日本は北朝鮮からの難民を、 ほぼ無条件に受け入れ永住権を与えることに…(脱北者の1割が凶悪犯罪者。例:オウムの松本)

 先ず、レス754氏は「難民」と「脱北者」という言葉を混同して使っている。それが意図的かどうかはともかく、これは北朝鮮人権法案反対派に見られる特徴である。この混同が民主党若手議員の移民受け入れ記事と混合して、脱北難民1000万人流入説(或いは、その亜流としての何十万人流入説)というトンデモ説に繋がるのだと思う。北朝鮮人権法案が対象にしているのは脱北者なので、この点は区別して欲しい。

 また、先の朝日記事は、ある脱北女性の生活保護費の月額を紹介したものであって、在日朝鮮人全般の生活保護費の受給額を指す訳ではない。この点も区別して欲しい。

 さて、「無条件に受け入れ永住権を与えることに…」とは「無条件に受け入れ」+「場合によっては永住権」なのか「無条件に受け入れ」+「無条件に永住権」なのか。後者であれば、3年ごとに更新を必要とする在留特別許可を受けている朝日記事の脱北女性の現状とは大違いである。

 「脱北者の1割が凶悪犯罪者。例:オウムの松本」に至っては意味が不明である。現在、日本にいる脱北者は、支援団体が推測するだけで約70〜80人居ると、先の朝日記事には書いている。では、その1割に当たる7〜8人が凶悪犯罪者である根拠は何か。(注)「脱北者の1割が凶悪犯罪者」の根拠記事を発見したので、本記事の末尾に追記しておく。

 オウム真理教の松本智津夫被告には在日朝鮮人であるとの噂があるが、それと脱北者の生活との間に何の関係があるのだろうか。ここには「在日朝鮮人」と「脱北者」の混同が見られる。法案反対派の中には「脱北者」「難民」「在日朝鮮人」「移民」「外国人労働者」「不法滞在者」「密入国者」などを混同して論じる傾向がある。


 次に、レス754氏は唐突に財部誠一氏の「日本の借金時計」を引用して、日本国の財政状況への危機感を煽り、その後に、北朝鮮からの難民にかかる生活保護費その他の費用を算出している。

そして日本国民の血税で生活保護費を与えなくてはならなくなります。(参考:日本国の赤字は現在771兆http://www.takarabe-hrj.co.jp/clock.htm
彼らへの生活保護費:1世帯当り平均月額約17万+年金+住居費+移民に掛かる費用すべて+α=月およそ30万円×ずっと… ←日本国民が払う
難民の数にもよりますが、あなたの月給から-2万〜-8万を一生払い続けると考えればいいでしょう…

 「1世帯当り平均月額約17万」とは朝日記事の脱北女性の生活保護費を参考にしていると思われるが、その他の費用と併せて「30万円×ずっと」というのはどういう算出方法なのだろうか。この辺の説明がない。「あなたの月給から-2万〜-8万を一生払い続けると考えればいいでしょう…」というのも根拠がない。


前々回引用したレス757氏について

生活保護の問題があります。
在日コリアンのほとんどは無職であり、国からの生活保護で暮らしています。 
その額は年間、1兆2000億円。
日本の為に働いてきた老人の中には生活苦で自殺したり、
餓死したりする人がいるのに、在日コリアンにはそのような人がいません。
まじめに働いてきた日本の老人よりも手厚く生活保護を受けているのです。

日本政府からの毎月17万円+住居費用が少ないと嘆く在日コリアン
(朝日新聞の過去ログ)
http://karutosouka1.hp.infoseek.co.jp/DATUHOKU-ASAHI/DATUHIOKUSITA.htm

在日コリアンは日本最高の特権を持つ人達です。
在日韓国人は一世帯あたり年600万円が無償で支給←
在日韓国人64万人中46万人が無職 
支給額は日本国民の血税で支払われている。

●現在460000人が無職です・・危険じゃないですか?

 「在日コリアンの殆どが無職で、国からの生活保護で暮らしている」とは本当なのか。民団の統計ページによると、1999年時点の在日朝鮮人の職業状況は、総人口636,548人中、無職者が462,611人とある。レス757氏の主張はこの統計に拠っており、こうして無職者の多さを示されると圧倒させられる。これを見ると反対派が怒るのも道理だと思う人がいるかもしれない。

 ただ、この統計には無職者の内訳がない。「無職」といっても、就学前児童や学生、定年退職者も無職に含まれるので、この統計だけでは完全失業率の正確な把握はできない。「在日韓国人は一世帯あたり年600万円が無償で支給」については、根拠が示されていない。先の月額30万円受給に12ヶ月を掛けても600万円という数字にはならない。在日コリアンの生活保護費として国が支出しているとされる「年間1兆2000億円」についても、根拠は何も示されていない。

 北朝鮮人権法案反対派の財政的問題における根拠は、結局のところ、先の朝日記事とこの民団の統計だけであり、朝日記事が記しているのは一脱北者についてであって在日朝鮮人全般のことではなく、民団の統計についても「無職」の読み方に誤りがある。


【追記:2006年06月25日】

 なお、在日朝鮮人・韓国人の生活保護受給率については、児童小銃さんの関連記事が参考になります。既に2004年末の時点で、この種の言論には疑問が呈されていたようです。

(2004年11月01日)児童小銃:在日の生活保護の受給率は高い?
(2004年11月02日)児童小銃:在日の無職率は高い?
(2005年01月06日)児童小銃:「在日の就業と生活保護の統計まとめサイト」はデマサイト
(2006年02月03日)児童小銃:生活保護の人数は「一か月平均」を見ましょう。


【追記:2006年07月03日】

 「脱北者の1割が凶悪犯罪者」の根拠は、おそらく次の朝鮮日報記事であると思われる。これは確かに凶悪な事例が書かれており、不安を抱くのも仕方がない面はある。

 但し、読めば分かるが、韓国に入国する前の犯罪である。韓国で生活している中で起きた犯罪の統計ではない。貧困のために已むに已まれず犯行に走った例もあるかもしれないし、脱北ブローカーのような組織に強制されている可能性があるかもしれない。そういう個別の事情まで踏み込んでいないという点には注意が必要だろう。また、当然、オウム真理教と関連付けられるものではない。

  現在、日本に暮らしている脱北者の人数についても、聯合ニュースの最新記事があるので、そちらを載せておく。

(2004年10月21日)朝鮮日報:韓国入り脱北者の10.7%が犯罪経歴者
 2000年から今年6月現在まで国内に入国した脱北者4080人のうち、10.7%の436人が北朝鮮や中国など海外に滞在していた際、犯罪を犯した経歴を持っていることが分かった。

 統一部が21日、国会・統一外交通商委員会所属のイ・ソングォン議員に提出した国政監査資料によれば、国内に入国する前に犯罪を犯した脱北者の犯罪は、類型別に殺人10人、人身売買23人、強姦および強盗・窃盗151人、麻薬密売および服用10人、暴力98人、公金横領21人などで、ほとんどが凶悪犯罪だった。

 このような脱北者の犯罪経歴は入国時、情報機関と軍の合同尋問の過程で確認されたものだ。

(2006年07月02日)聯合ニュース:日本居住の脱北者は100人余り、専門家明らかに

【ソウル2日聯合】日本に居住する脱北者は100人余りに達すると、日本の東北大学教授を務めるイ・インジャ教授が2日、脱北者が運営するインターネットラジオ放送「自由北朝鮮放送」のインタビューで明らかにした。
 そのほとんどは、1959年に始まった北朝鮮帰国事業で日本から北朝鮮に渡った在日朝鮮人とその家族で、北朝鮮で暮らした後、日本に戻った。文化と言語の違いに苦しんだ人もいたという。主に東京や大阪などの大都市周辺に居住しており、生活保護の対象者に指定されていたり民間団体の支援に依存していると説明した。

 北朝鮮帰国事業により、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)所属の在日朝鮮人と日本人の家族など、合計9万3000人余りが北朝鮮入りしたといわれている。

【2007年06月06日追記】
(2007年06月03日)読売:脱北者の日本入国、半年で9人…国内定住150人に迫るWeb魚拓
 北朝鮮から日本への入国を求め、昨年末以降、二十数人の脱北者が中国・瀋陽の日本総領事館で保護され、うち9人が今年に入って実際に入国していることが政府関係者の話でわかった。

 いずれも在日朝鮮人の日本人妻とその家族で、残る十数人も夏までに入国する見通し。これを含めると、日本に定住する脱北者は約150人に達する。

 近年、年間10人程度のペースで推移した脱北者の入国が急増した背景には、高齢化した日本人妻が帰国を強く望んでいることや、現地の生活環境の悪化などがあるとみられ、受け入れ態勢の整備が急務となりそうだ。

 複数の政府関係者によると、日本人妻とその家族ら二十数人が、瀋陽の日本総領事館に相次ぎ駆け込んだのは、昨年末から今年初めにかけて。うち9人は今年2月以降、順次、外務省から渡航証明書の発給を受け、中国政府の了承を得たうえで日本に入国した。

 北朝鮮帰還事業では、9万人以上の在日朝鮮人とその家族が北朝鮮に渡り、この中に、在日朝鮮人と結婚した日本人妻が約1800人含まれていた。

 2月10日、孫娘と2人で成田空港に到着した70歳代後半の日本人妻は、かつて在日韓国人の夫と2人の子供とともに北朝鮮に渡った。東北部の山村で暮らし、織機工場で働いていたが、機械に巻き込まれ、左腕の3分の2を切断する事故に遭った。夫と死別、「日本で死にたい」と孫娘に訴えた。孫娘に手を引かれて中朝国境の豆満江を渡り、中国側に逃れたという。

 80歳近くの高齢の日本人妻はまだ100人以上いるとみられ、今後も帰国が増えると予想される。政府は、昨年6月施行の北朝鮮人権法に脱北者を支援する「努力規定」が設けられたことを受け、2月には法務、厚生労働、国土交通など6省庁に担当窓口を設置、定住に向けた相談を始めた。
posted by sok at 19:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 北朝鮮人権法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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