初歩的な疑問1
仮に日本に命中した場合、日本の被害がどれほどなのか。北朝鮮には、日本を直接の対象としているノドンが既に40〜200基配備されていると言われている。とすると、新たに開発したテポドン2号を日本用に使用してくる可能性は少なく、米国を目標としたものではないか。仮に、日本に被害が出る場合は、多段式ロケットの分離部分が落下してくる被害か、命中精度云々以前のミスなのではないか。しかも、ミサイルだけでは被害はそれほどでもなく、核を搭載して初めて現実的脅威になるのではないか。
この点、『軍事板常見問題 FAQ in 2ch_ Military BBS』の軍事マニアの方々は、核弾頭が積まれていないという前提であれば被害は僅少と考えているようで、北朝鮮問題の専門家である重村智計・拓殖大学教授もTVで同様の見解を示していた(但し、重村教授は軍事の専門家ではないが)。テポドン2号発射といっても、今のところ物凄く不安になることはないのだろう。
初歩的な疑問2
実際に発射された場合、日本は如何なる対処をすべきか。こちらについては、色々なブログで見解が示されている。ただ、怒りを表明するのは大切だが、社民党・共産党批判をする意義は今となっては少ない。むしろ、「テポドン2号発射報道に託けて差別的なことが言いたいだけではないか」というように、排外性の指摘に利用されかねない。
現実には日本としては、どういう対処が取れるのだろうか。大手5紙は日米で安全保障理事会に付託して、対北経済制裁発動という可能性が挙げられている。妥当な対応だと思う。北朝鮮の方でも日米の動きは注視しているだろうから、テポドン2号発射の駆け引きは、もう少し続くだろう。政府には、テポドン2号の現実的な危険性を把握して、日本が国内的・国際的に出来ることを粛々と実行して欲しい。
テポドン2号の電子部品に日本製が使用されているという報道もあり、年初にはヤマハやミツトヨの不正輸出事件もあった。国内的、立法的にやれることはまだまだあると思う。
(2006年06月19日)読売:テポドン2号発射なら安保理付託、対北制裁を検討
(2006年06月20日)産経:テポドン発射なら安保理に問題提起 日米国連大使が会談
(2006年06月19日)日経:首相「テポドン2号、発射なら米と協議して厳しい対応が不可避」
(2006年06月20日)朝日:テポドン2発射なら「安保理」へ 日米が確認
(2006年06月20日)毎日:テポドン2号:発射なら厳しい対応で一致 日米国連大使
(2006年06月20日)毎日:テポドン2号:「電子部品は日本製」韓国紙報道
(2006年06月20日)東京:日本の技術で極秘製造か テポドン2号