2006年06月17日

北朝鮮人権法案概要

 昨日、参議院本会議で北朝鮮人権法案が成立。この法案は、北朝鮮による日本人拉致事件について、政府に経済制裁を促すもので、与党案を基礎に、民主党案の脱北者支援条項などを加えて一本化したもの。人権問題で北朝鮮の姿勢に改善が見られない場合に、特定船舶入港禁止法や外為法・外国貿易法に基づく経済制裁を発動することなどを規定している。なお、この法案成立の背景には、家族会の努力や日米政府の対北朝鮮共闘路線がある。


(2006年06月16日)西日本:北朝鮮人権法が成立 拉致問題解決へ経済制裁を促す 「脱北者」支援も

北朝鮮人権法のポイントは次の通り。(項数のみ変更して引用)

 1.国は北朝鮮による拉致問題解決のため最大限努力する。

 2.政府は拉致被害者らの安否について徹底した調査を行い帰国の実現に最大限努める。拉致問題の実態解明に努める。

 3.政府は、拉致問題など北朝鮮による重大な人権侵害状況の改善が図られていないと認めるときは、国際動向を勘案し特定船舶入港禁止特別措置法や改正外為法に基づき必要な措置を講ずる。

 4.12月10―16日を北朝鮮人権侵害問題啓発週間とする。

 5.1、政府は毎年、北朝鮮による拉致問題への取り組みを国会に報告、公表しなければならない。

 6.政府は脱北者(北朝鮮から脱出し、人道的見地から保護、支援が必要と認められる者)に施策を講ずるよう努める。

 7.政府は、脱北者支援活動を行う民間団体に情報提供、財政支援を行うよう努める。


(2006年05月)外務省:拉致被害者御家族の訪米と山中外務大臣政務官のワシントン出張
(2006年06月06日)★☆救う会全国協議会ニュース★☆


 この法案に対して批判的な人達がいる。

 朝鮮総連が反発するのは当然として、社民党と共産党も、内政干渉と説明責任と関係各国との協調を理由に反対している。日本国が直接に脱北を手助けする場合と脱北者支援NGOを間接的に支援することは違うと思うが、後者の場合も内政干渉に当たるのだろうか。この主張だと、ある国家が非人道的行為を行ったとき、国際社会の取り得る対処策がそれだけ少なくなる。これに対して家族会事務局長の増元照明氏が反論している。中日と産経記事については、記事保存期限の短さも考えて、全文を引用する。

(2006年06月15日)増元照明からのメッセージ:「社民党よ!いい加減にしろ!」

(2006年06月12日)中日:「内政への介入」と共産 人権法案、社民も批判
 共産党の市田忠義書記局長は12日午後、国会内で記者会見し、「北朝鮮人権法案」に反対した理由について「日本の主権を侵害した国際的な犯罪の拉致問題と、北朝鮮国内の人権問題を同列に扱うのはおかしい」と指摘した。その上で「脱北者支援を日本政府に行わせるのは、北朝鮮からの脱出の動きを、国家として推進することになり、(北朝鮮の)内政問題への介入になる」と述べた。

 衆院拉致問題特別委員会が衆院に委員長提案することを可決したことについては「質疑抜きで、政府の明確な見解表明もなしに、(国会)会期末に採決するやり方も容認できない」と強く批判した。

 同じく反対した社民党の又市征治幹事長は国会内で記者団に「韓国、中国、ロシアの協力を得ず、日本だけ感情的、排外主義的に、こんなことをやっても、拉致問題の解決には逆効果だ」と強調した。
(共同)


(2006年06月16日)産経:「まれに見る悪法、断固糾弾」 北朝鮮人権法で朝鮮総連副議長
 北朝鮮による拉致問題に関し政府に経済制裁などを促す「北朝鮮人権法」が可決、成立したことを受け、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の南昇祐副議長は16日、「まれに見る悪法。断固糾弾する」などと批判する談話を発表した。

 談話では「関係改善と平和を望む朝・日両国民の利益と願いに反する。多くの良心的な日本国民と国際世論の非難を免れないだろう」とした。

(06/16 20:58)


 総連や左派政党とは別に、ネット上の保守言論も反発している。

(2006年06月14日)アジアの真実:北朝鮮人権法案が衆院を通過 〜この法案の危険性とは〜
(2006年06月14日)依存症の独り言:北朝鮮人権法案に思う

 普段は社民党や共産党、朝鮮総連を批判している人達が、結果的に彼らと共闘している不思議な光景。彼らが批判の主な部分である民主党案第6条は次の通り。

第六条 政府は、北朝鮮当局によって拉致され、又は拉致されたことが疑われる日本国民、脱北者(北朝鮮を脱出した者であって、人道的見地から保護及び支援が必要であると認められるものをいう。次項において同じ。)その他北朝鮮当局による人権侵害の被害者に対する適切な施策を講ずるため、外国政府又は国際機関との情報の交換、国際捜査共助その他国際的な連携の強化に努めるとともに、これらの者に対する支援等の活動を行う国内外の民間団体との密接な連携の確保に努めるものとする。

2 政府は、脱北者の保護及び支援に関し、施策を講ずるよう努めるものとする。

3 政府は、第一項に定める民間団体に対し、必要に応じ、情報の提供、財政上の配慮その他の支援を行うよう努めるものとする。


 引用だけで長くなったので、法案反対論への反論は明日に持ち越し。

【関連リンク】
拉致問題その他北朝鮮当局による人権侵害問題への対処に関する法律案
拉致問題その他北朝鮮当局による人権侵害問題への対処に関する法律案要綱
議案審議経過情報
posted by sok at 19:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 北朝鮮人権法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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