(2008年10月16日)産経:野菜刈り取られ…涙ぐむ園児 保育園の畑を大阪府が行政代執行
(2008年10月16日)痛いニュース(ノ∀`):育てたイモを刈り取られ涙ぐむ園児…保育園の畑を大阪府が行政代執行、園側と保護者ら「子供の心が!」と怒り
(2008年11月03日)毎日:TBS:サンデー・ジャポンで事実誤認 番組で訂正、謝罪
(前略)
サンデー・ジャポンは同19日の放送で、府職員らが行政代執行に基づき建設用地に当たる北巣本保育園の畑のイモなどを抜き取り、園関係者や保護者が抵抗している様子を放映。映像前半、園児ら十数人が一列に並んでいる様子が映ったのを見て、コメンテーターが「子どもたちを使ってやるのは、(代執行の府の職員が)来るのが分かっているわけだから、執行妨害になる」などと保育園側を批判。代執行の現場に園児らを立ち会わせたとの前提でスタジオで議論した。
放送に対し同園の松本剛一理事が「園児らが並んでいるのは前日の記者会見の際に撮影されたもの。代執行当日、立ち寄ったのは通園途中の2園児のみ」などと抗議していた。【手塚さや香】
メディアの事実誤認報道と、それに基づく識者の議論については大いに批判されなければなりませんが、一方で普段はマスメディアの報道に懐疑的で「マスゴミ」などの言葉を好んで使う人達が、産経新聞やワイドショーが取り上げた『園児の涙』報道を受けて思考停止に陥ったことについては、ウェブ利用者としては看過すべきではないと思います。
「子供をダシにするな」といった批判は、『園児の涙』報道の直後から園長側に向けられていましたが、そもそも報道直後から、園長は子供を利用する意図は無かったと説明しており、ウェブ利用者であれば、TBSの謝罪報道を待つ事無く、園長側の言い分を知ることはできました。
(2008年10月17日)朝日:橋下知事「園児の涙利用」と保育園側を批判 行政代執行
(前略)
一方、同保育園の松本剛一理事は「代執行の反対運動に園が園児を動員した事実は一切ないし、むしろ子どもにはショックを与えたくないので、畑がなくなると知らせることも避けてきた。子どもの涙を利用したと取られるのは心外だ」と話している。16日の行政代執行では、祖母に連れられて通園途中に畑に立ち寄った園児が1人いたが、5分ほどいただけで祖母がすぐに保育園に送ったという。
その場に居合わせた園児の数が、一人ではなく二人であったという違いはありますが(※)、先ずは相手の言い分も聞いてみようという態度があれば、子供を政治利用したとは断定できない事柄について、軽々しく断定することはなかったでしょう。煽情的な報道で得た第一印象のままに罵倒することもなかったでしょう。
(※)尤も、そもそも保育園が所有していた菜園に園児がいたとしても何ら問題だとは思えませんし、通園時間帯に代執行が行われたという事情を加味すれば子供や保護者がその場に居合わせたとしても不思議ではありません。一人居ようと五人居ようと、代執行の是非やランプウェイ建設の是非といった議論には影響しません。
また、仮に園長側の言い分を伝える主張自体に触れる機会がなかったとしても、一部では優れた議論が展開されており、第一印象を訂正する機会はありました。これから調べようという方々は下記リンク先を参照されることをオススメします。
(2008年10月16日)とれいん工房の汽車旅12ヵ月:第二京阪道路と大阪府と芋掘りの想い出。
(2008年10月17日)とれいん工房の汽車旅12ヵ月:保育園とイモ畑と戦後民主主義。
(2008年10月17日)いしけりあそび:○○○!知恵袋 橋下知事は鬼畜ですか?
(2008年10月19日)いしけりあそび:大阪芋畑闘争 疑問におこたえします
(2008年10月19日)愛・蔵太のもう少し調べて書きたい日記:芋畑で園児を泣かせた北巣本保育園と戸田久和(戸田ひさよし)議員との関係、および第二京阪道路と公明党議員の関連について。
こういう良質の記事が、初期報道からそう間を置かずに発表されて、読めるということがウェブの魅力ではありますが、それは同時に情報格差ならぬ情報間格差とでも言うべき状況の現出でもあります。第一印象で放言して満足してしまう人達にとっては、どんどん取り残されていく過酷な世界です。
それはそれとして。上記のような記事をチェックするという手法とは別に、持説との齟齬や関係者の言説にダブルスタンダードはないかという視点で検討していれば、お涙頂戴報道に乗せられてしまうことはなかったのではないかと思います。
例えば、橋下府知事の財政再建政策を支持している人であれば、大型公共事業である第二京阪道路建設の部分見直し(ランプウェイ建設の是非)については検討する余地はあったでしょう。
時系列に着目してみた場合、園長側の執行停止の申立てが地裁へで棄却されたのが先月1日で、翌日に抗告、同月30日には高裁決定が下るという予定でした。たった一ヶ月の間のことであるのだから、その期間ぐらいは代執行を待ってみても良かったのではないかということも、『園児の涙』から離れて検討可能です。
橋下府知事の言動の一貫性という観点からはどうでしょうか。橋下氏は、自身が抱える別件の訴訟の判決(懲戒請求煽動被害訴訟広島地裁判決)に対しては、判決が不当とは思っていないにもかかわらず、「三審制」を理由に控訴していました。であるならば、園長側の控訴も「三審制」の下で尊重し、高裁決定を待ってみるという選択肢もありました。或いは、橋下氏のダブスタを形の上でも批判するぐらいの中立性は示せました。
(2008年10月02日)朝日:橋下知事「重く受け止める」が、控訴の意向
山口県光市の母子殺害事件をめぐり、橋下徹・大阪府知事が知事就任前の07年5月、テレビで繰り広げた発言で2日、知事敗訴の判決が出た。
橋下知事は「原告の皆さん、光市母子殺害事件の弁護団の皆さん、大変ご迷惑をおかけして申し訳ありません」と頭を下げた。「私の法令解釈、表現の自由に対する考え方が間違っていたとの判断を重く受け止めます。判決が不当とは思わないが、三審制ということもあり、一度、高裁にご意見をうかがいたい」と述べ、控訴の意向を示した。
(後略)
園長が「かどま九条の会」呼びかけ人であることを理由に非難している人達もいましたが、もし、そういう人達に、道路や河川の建設・拡幅工事に伴う土地収用は、公共の利益と少数者の財産権の衝突という問題であって、土地を接収される人の思想にかかわらず(「九条の会」の人でも、ノンポリの人でも、右寄りの人でも)生じ得る問題であるという認識があれば、政治的な思想信条によって判断を決するような恣意は起こらなかったでしょう。
他にも、園長が土地収用に伴う「農地等についての相続税の納税猶予」の取消しにより、相続税が猶予期間中の利子を併せて2200万円も生じているという情報もありました。これは裕福な人でも無い限りは死活問題にもなり得る金額です。収用を肯定するにしても、多数者としての利益を受ける立場から、少数者に不利益を受忍してもらうのですから、せめて高裁決定を待ち、法治の中で看取るぐらいの寛容さはあっても良かったと思います。
blog『痛いニュース(ノ∀`)』は、毎度毎度、煽るだけで訂正することはありませんが、読み手には、TBSの謝罪報道を機会に、(この件に限らずですが)『痛ニュ』発の第一印象を検証する慎重さが広がって欲しいです。勿論、自戒も込めて。
きもいおやじだな
そんなこといってるお前も間違いだらけじゃんw
笑ったな
自戒しなきゃなんて言ってる次のエントリーで適当なことを書くのがsokなんですよね
調べずに適当なこと書くとかありえないから
そんなありえない奴がこんなこと言ってんだよw
どこまで恥知らずなんだよ
海より深く反省しろ。
自分が屑であることを認識しろ
お前は恥ずかしい奴だな
とりあえず自分で実行しろよ
自分自身が実行できないのに、伝えたいですってw
きもいおやじだ
北巣本保育園への行政代執行に関するエントリーなので、エントリーとは関係のないコメントはお控え下さい。それから、私は完全無欠ではありませんので、間違いが指摘されれば訂正します。李怜香さんのような指摘であれば歓迎しますし、感謝します。そうした姿勢と左サイドバーに掲げた信条と、何か矛盾しますか?
えらそーに他人を批判してんだからもう少し脳みそ使ってエントリーした方がいいよ
私からのアドバイスです。
面白いんでお気に入りに追加しておきます
また見に来るね
削除されて嫌な思いしたsokがまさか削除なんてしないよね
こちらは北巣本保育園への行政代執行に関するエントリーなので、エントリーとは関係のないコメントはお控え下さいと申し上げました。これで二度目の警告です。頂いたコメントについては、基本的には業者によるスパムと判断できるものしか削除しない方針ですが、エントリーと無関係なコメント、不毛なコメントを繰り返すようであれば、容認しません。一先ず、このエントリーへのコメントに関しては、削除か隔離を検討します。
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さて、「最終的に他サイトの批判で終わって」いるとのことですが、本記事では冒頭から『痛いニュース(ノ∀`)』さんの煽りについて言及しています。記事の趣旨も「報道姿勢の問題点を追及する」ということではなく(それを前提にしてはいますが)、メディアに煽られ易く、かつ、反メディアで思考停止してしまうウェブ言論の問題点を指摘するものです。そのことは毎日記事の引用後の段落にも書いています。
<引用開始>
メディアの事実誤認報道と、それに基づく識者の議論については大いに批判されなければなりませんが、一方で普段はマスメディアの報道に懐疑的で「マスゴミ」などの言葉を好んで使う人達が、産経新聞やワイドショーが取り上げた『園児の涙』報道を受けて思考停止に陥ったことについては、ウェブ利用者としては看過すべきではないと思います。
「子供をダシにするな」といった批判は、『園児の涙』報道の直後から園長側に向けられていましたが、そもそも報道直後から、園長は子供を利用する意図は無かったと説明しており、ウェブ利用者であれば、TBSの謝罪報道を待つ事無く、園長側の言い分を知ることはできました。
<引用終了>
このように最初から一貫してウェブ言論を問題にしており、また、たとえメディア報道や大手ブロガーに煽られたとしても、ウェブ利用者であれば引き返せた可能性が幾つかあったことを、文末に向けて記しています。したがって、記事の趣旨は「報道姿勢の問題点を追及する」ことだけでもなければ、趣旨が「報道姿勢の問題点を追及する」ことから「特定のサイトを批判」することへと摩り替わっているということもありません。特定サイトへの言及はあくまで例示に過ぎません。
『痛いニュース(ノ∀`)』さんを取り上げたのは、(1)コメント欄やブックマーク欄の盛況さ、アクセス数の多さなどからウェブ上で相当の影響力があると思われること、(2)今回の件でも多くのブログでリンクされ、或いは引用されていたこと、(3)過去にも事実誤認に基づく記事を書きながら訂正することが殆どないこと(私の知る限りでは一度もないこと)などの理由からです。尤も、本文の趣旨は、あくまで『痛いニュース(ノ∀`)』さん等の影響をそのまま受けて暴走するウェブ言論についてであり、それを指摘していることに変わりありません。
「より公平な視点に立って記事の推敲を冷静に行って頂ければ」という御指摘に関しては、明示している本文の趣旨との関係において、「より公平な視点」とは具体的にどのようなもののことを言うのか、そして、それは日和見や事勿れといった姿勢とどう違うのかも示して下さい。同様に、本文の趣旨との関係で「感情的で私的な文」とは、具体的にどの箇所を指すのかも、冷静かつ公平な視点で御教授お願い致します。