(2007年07月14日)雪斎の随想録:「拉致敗戦」という記事 続
確かに一つの考慮材料として見ることは出来るが、しかし、このような論法に従うならば、2004年7月11日の第20回参議院議員通常選挙にて、増元照明氏が立候補し、落選した時点で、日本国民の拉致問題に対する「熱気」は冷めていたとも言えるのではないか。勿論、首相補佐官の中山氏と一民間人の増元氏を同一に論じる訳にはいかないのだろうが、拉致被害者救出を訴える象徴的存在という点で見れば、増元氏が訴求力において中山氏に見劣りするとは思えない。「熱気」というものを測るだけであれば、象徴的存在の訴求力の比較において、両者は充分並ぶ。
日朝平壌会談から2年を経ることなく、前回参院選の時点で、国民の拉致問題に対する「熱気」が冷めていたのだとすれば、今、改めて、まるで新たな要素であるかのように、その「熱気」の度合いを占うことに如何なる意味があるのだろうか。今回、改めて同手法で国民の「熱気」の度合いを測ろうとするということは、前回参院選での増元氏落選では「熱気」は冷めなかったか測れなかったともいえ、であるならば、今回の結果をもってしても「熱気」の度合いは占えはしない。
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