2010年05月09日

クローズアップ現代『犯罪“加害者”家族たちの告白』

 2010年4月7日(水)放送のNHK『クローズアップ現代Wikipedia)』をテキスト起こししました。誤字脱字、間違いなどありましたら、御指摘よろしくお願い致します。確認の上、訂正致します。出演者の敬称は番組内で記されているもの以外は省略します。

クローズアップ現代(番組HPより)

2010年 4月 7日(水)放送
犯罪“加害者” 家族たちの告白(NO.2872)

重大事件になると必ず責任を追及され、社会にさらされる犯罪加害者の家族。犯罪とは直接関係のない子どもや親戚にまで影響が及び、最悪のケースでは自殺に追い込まれる家族もある。このたび、東北の市民団体が日本で初めて加害者家族を対象にしたカウンセリングやアンケート調査を実施したところ、その悲劇の実態が明らかになってきた。地域社会やメディア、ネットの攻撃によって「孤立」していく加害者家族。そこから浮かび上がる日本社会の姿に迫る。

出演者:諸澤 英道さん(常磐大学国際被害者学研究所教授)
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2009年07月26日

抽象的な救済対象を持ち出して具体的な救貧活動を貶める行為について

 新生活も漸く落ち着いて、久々に自分のブログを見てみたら、soxという方から左派認定されていました。日の丸にも君が代にも皇室にも不満はなく、改憲派で、生家は産経新聞を購読していて、基礎ゼミの頃はゼミ友から極右認定を受けたこともありましたが、今では左派だそうです。リベラルを自認したことはありませんし、保守リベさえも自称したことがないので、左翼であるという実感は今もありませんが、ただ、彼or彼女のコメントを読んだ感想としては、彼or彼女の認識が「右派」であるならば、私は「左派」で結構だと思いました。別記事のコメント欄には「久しぶりに覗いて見ました(笑)」とあり、どういう理由であれチェックされている方のようですから、ブログ放置期間中に頂いたコメントへの感想を書きます。

 派遣村に関する話題は、もはや時機を失したものですが、先日、弁護士会が貧困ビジネスの実態調査に着手したというニュースがあり、国の失業対策に関するニュースもありましたので、いま改めて思うところを記録しておこうと思います。

2009年7月24日 朝日:ホームレス狙い割高弁当…貧困ビジネス調査 弁護士会
2009年7月25日 朝日:低所得者の生活福祉資金、保証人なしで 国が要件緩和へ

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2009年06月23日

クローズアップ現代『えん罪はなぜ見過ごされたか』

 2009年6月23日放送のNHK『クローズアップ現代Wikipedia)』をテキスト起こししました。誤字脱字、間違いなどありましたら、御指摘よろしくお願い致します。確認の上、訂正致します。出演者の敬称は番組内で記されているもの以外は省略します。

クローズアップ現代(番組HPより)

6月23日(火)放送
えん罪はなぜ見過ごされたか

平成2年に栃木県で4歳の女の子が殺害された足利事件。無期懲役が確定した菅家利和さんが、DNAの再鑑定で犯人ではない可能性が高いとされ、逮捕から17年半ぶりに釈放された。捜査段階から裁判に至るまで誤った判断の拠り所となったのが自白と精度の低いDNA鑑定だった。菅家さんが涙を流した取り調べ、矛盾する自供の内容、二転三転する裁判での証言。無実のシグナルがなぜ見過ごされたのか。科学捜査を象徴するDNA鑑定への過信はなかったか。そして、裁判所によるDNA再鑑定の実施が遅れた原因は・・・。 またしても、冤罪を防げなかった日本の刑事司法。捜査や裁判のどこに落とし穴があったのか、失われた17年を取り戻し始めた菅家さんへの密着取材と警察官など多数の関係者への取材で検証する。
(NO.2755)

スタジオゲスト : 木谷 明さん(法政大法科大学院教授・元東京高裁部総括判事)
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2009年04月19日

何故、ウェブ上には保守人権派が現れないのだろう?

1.きこり氏が相変わらず争点を把握していない件について

 前エントリーのソーシャルブックマークに、以下のコメントを頂いたので、一応、返事をしておきます。

はてなブックマーク - sokの日記 カルデロン一家追い出せデモが利用したもの
kikori2660 そう言えば昔、拉致被害者を引き合いに出して、中国残留孤児が国を訴えたのを擁護してたヤツがいたっけな。

 これは、おそらく私へのあてつけのつもりで言っているのでしょうが、残念なことに、kikori2660という人物が、ろくに中国残留孤児兵庫訴訟の論点を把握していないということ(さらにいえば、まともに兵庫訴訟の判決要旨すら目を通さずに判決批判をしていたということ)を露呈する結果となっています。

 先ず、基本的なことを確認しておきますが、中国残留孤児と帰国した北朝鮮拉致被害者、両者への政府対応の「落差」を指摘しているのは、神戸地裁判決です。私は、その地裁判決を読んでみて、当時、愛国者・憂国者を自称・自認する人達が喧伝していたような「売国」判決ではないという理解に至り、この地裁判決の内容を支持するエントリーを書きました。

 この点で、何もないところから突然「拉致被害者を引き合いに出して」カルデロン一家問題と関連付けようとした追い出せデモ関係者と同列に論じられるのは、ただの印象操作なので止めて下さい。中国残留孤児と帰国した北朝鮮拉致被害者を巡る支援の「格差」は、兵庫訴訟における争点の一つでしたから、判決に同意する人であれ、しない人であれ、そういう争点があるということは前提として押さえている知識だと思っていましたが、kikori2660氏においては違ったようです。


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2009年04月18日

カルデロン一家追い出せデモが利用したもの

 下記はYouTubeに公開されている追い出せデモ動画の投稿者による紹介文。太字は当ブログによるもの。

YouTube:カルデロン一家追い出せデモ_蕨市わらびし
chako3491
2009年04月11日
(概要)

埼玉県蕨市わらびしは拉致被害者の飯塚繁雄氏がお住まいになっているところである。拉致情報提供者及び拉致協力者拉致実行者が多数住んでいると思われる場所である。ここの第一中学校にカルデロン一家の娘は通学している。フィリピン外務省は「帰って来なさい。」と呼びかけているにもかかわらず素直に応じていない。川口蕨周辺は外国人居留者の多い場所である。訪れてみて驚いた。私は千葉県柏市在住であるがその一中の環境、つくり、たたずまい等柏市のどんな中学校よりすばらしいのである。住宅地も同じである。税金が豊富に費やされている。財政が豊富である。住民は豊か。こんな感想を持った。外国人が大勢集まるはずである。それに住民もデモ行進の途中であるが80がらみのばーさま が「仲良くしないとね?」と2、3人の若い女性の住民にさとしていた。教祖さまのお言葉を直近で聞きました!まさに衣食住足りて何の不満もない様子である。蕨市議会はカルデロン一家を助ける議案に全会一致で賛成した。赤い議会。そして過去に赤い拉致。デモ行進は何度となく、そう、6回ほど赤い刺客に妨害された。うち4名拘束2名逮捕。外国人は中国人は日本人と結婚すれば3年間で日本人。普通の中国人は5年間日本にいると永住権が得られる。こんなあほんだら国は世界にない!家族親戚呼び寄せですぐ10人が永住権。日本人になるには10年間ぐらい。今、中国語しか話せない日本人が一万人単位で増えている。なに不自由のないお坊ちゃま日本人は、このままいくと、、ある日突然父親の会社が倒産して路上生活の乞食になるやもしれん。。あるいは強盗団が父親を殺して路上にほおり出されるやもしれん。。と白日夢を見た。。2009-4-11蕨市にて「主権回復を目指す会」「せと弘幸Blog『日本よ何処へ』」「外国人参政権に反対する会 ・東京」「在日特権を許さない市民の会」「日本の自存自衛を取り戻す会」他撮影編集: 田代照夫

 一読した感想は、カルデロン一家と拉致被害者家族の飯塚繁雄氏に何の関係もないということ。この程度の連想ゲームで憂国者を気取れるという発想が、私には理解し難い。だが、それよりも理解し難いことは、日頃、愛国者や憂国者を自認・自称する人達が、こういうゲスな拉致問題の政治利用(それも排外主義運動への利用)を、看過しているということ。

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2009年04月16日

カルデロン一家追い出せデモに関して、「似非」でない右派ってどこにいるの?

youtube:カルデロン一家追い出せデモ_蕨市わらびし

 カルデロン一家に対する今回のデモ行進に関して、在日特権を許さない市民の会(在特会)や維新政党・新風(新風)を、特殊事例として、「似非」と切り捨てることは容易い。けれど、では何故、彼らのような存在が、ウェブ上では一定の支持を得るようになったのか。新風は、選挙では未だ一議席を取れるほどの勢力ではないものの、それでもウェブ上では、愛国者や憂国者を自認する人達の間で、その蛮勇・暴挙が看過される程度には支持されている。

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2009年03月27日

奈良騒音事件 「真実」の物語について

日常ごっこ:騒音おばさんの真実の奥の奥

>ネット上のソースで信用できるソースなんかほぼ0です。

 所謂「騒音おばさんの真実」というウェブ上で語られている物語(以下「真実」)に、胡散臭さを感じてしまうのは、ソースが不充分であるということだけではないだろう、と思う。


語り部達の語り口について

 例えば、この「真実」に言及しているブログやコピペの多くが、加害者の名前を「Miyoco」や「miyoco」と表記している。『日常ごっこ』さんが取り上げたサイトはカタカナ表記であり、まだマシな方ではあるが、何故、わざわざカタカナで表記するのだろうか?

 「真実」とされるものは、事件当時、マスメディアや評論家が一方の一面だけを面白おかしく取り上げるばかりで、報道機関として碌に語ってこなかった部分を伝える、謂わばメディア批判の文脈を備えた物語のはずなのに、その物語の語り部の多くが、ワイドショー以上に加害者を消費したウェブ上の遊び、「さっさとお引越し」ラップ等での表記と同じものを、躊躇いなく使っているのである。

 彼らは、何のために「真実」を語り、メディアを批判するのか。事実を淡々と記録し続けるのであれば、当事者に関する表記も淡々と記されるであろうし、被疑者・被告人・受刑者の名誉の回復が主眼であるならば、「真実」以前の報道や祭によってネタ化された表記とは決別するであろう。「Miyoco」や「miyoco」という表記からは、そうした姿勢は伝わってこない。語り口と、考えられそうな目的が、一致しない。けれど、メディアが伝えない「真実」の物語だけは語ろうとする。その動機、目的が気になる。


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2009年01月19日

不毛なディスカッション

タケルンバ卿日記:悪いのは誰? - ある無人島漂流の物語
 ある夫婦、その妻に思いを寄せる男性、この3人とは何の関係もない男性、おじいさん。この5人が乗っていた船が難破し、無人島に流された。
 その過程で、夫婦の夫は行方不明となり、島に流れ着いたのは4人だった。この時点で夫の安否はわからない。
 夫の安否を確かめるには、船を出して捜索するしかないが、妻には船をつくる能力や、直す力はない。船をつくり、直すことができるのは、夫婦とは縁もゆかりもない男性ただひとりだった。
 妻はその男性に頼んだ。「船を直してください。夫を探したいのです」と。
 男性は直すと言った。だが、条件をつけた。その条件とは妻と一夜限りの関係を持つこと。
 妻は悩み、おじいさんに相談した。おじいさんは「気持ちのままに行動しなさい」と。
 妻は結局、その男性と関係を持った。男性は約束を守り、船を直した。
 そして船が直り、これからまさに夫を探すというときに、夫が無人島に自力でたどり着いた。
 妻は夫に、捜索するため、船を直すために男性と関係を持ってしまったことを告白した。
 夫はそんな妻を許さなかった。不貞であると。
 夫婦は破局した。
 ひとりになった妻の様子を見て、思いを寄せていた男が言った。「あなたが好きです」。

(中略)

断然、おじいさんが悪い!
 じじいが悪いです(キッパリ)。理由はこう。

最も無責任だから
 自分が思うに、この話の中では全員が何らかのリスクを負っているのです。

(後略)

 この設定で、何故「断然、おじいさんが悪い!」と言えるのだろうか?(追記あり


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2008年11月27日

「法の盲点」はDNA鑑定の徹底で払拭されるのか?

 DNA鑑定の義務付けを表面上の理由として、国籍法改正に反対されている方々が、「法の盲点」であるとか「悪用」であるとか主張されているのを見るにつけ、彼らは法律がそれ自体、完全無欠であり得るとでも考えているのだろうか、と思ってしまいます。彼らの言うDNA鑑定徹底論に立ったところで、例えば、2008年11月14日の法務委員会で、倉吉政府参考人が例示したような問題もあり得るのです。


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2008年11月16日

国籍法改正論議について

 最近、ウェブ上で話題になっている国籍法改正論議に関して、個人的に参考になった記事を紹介します。


国籍法改正の経緯と争点

(2008年6月4日)最高裁判所大法廷判決:国籍確認請求事件婚外子国籍訴訟pdf
(2008年6月5日)東京:婚外子差別 国籍法は違憲 最高裁逆転判決 比人母の子に日本籍注目の要旨・全文
 多数意見は、両親の結婚要件は一九八四年の法改正当時は合理的だったとしたが、家族観や家族形態が多様化したことを踏まえ▽婚外子差別を禁じる条約を日本が批准▽諸外国は同様の要件を廃止−など社会的変化を指摘。原告らが国籍取得届を出した〇三年には、要件の合理性は失われていたと判断した。

 さらに「国籍取得は基本的人権の保障に重大な意味があり、子の不利益は見過ごせない」と言及。「日本人の父の婚外子にだけ国籍を認めないのは不合理な差別で違憲」と結論付けた。

(中略)

 日本人の両親から生まれた嫡出子らは生まれながらに日本国籍が得られるが、同じく日本人を血統上の親に持ち、法律上の親子関係があっても、父母が結婚していない婚外子だけは届け出によっても日本国籍を得ることができない。日本国籍の取得は基本的人権の保障を受ける上で重要な意味を持つことから、この差別で受ける不利益は看過しがたく、立法目的との関連性も見いだし難い。


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posted by sok at 23:00| Comment(13) | TrackBack(0) | 問題別リンク集 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする